Title9-3.GIF (2758 バイト) 文字・言語の歴史 探究テーマ史 #3  
 
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民族の歴史 備考・概略
3-1  ・文字
3-2  ・言語
3-1-1  ・楔形文字  アナトリア(現トルコ)からは楔形文字で記されたフリ語、ヒッタイト語の文書、イランからも同じく楔形文字で記されたエラム語の文書が発見されており、それぞれ独自の思想を生み出した当地の知的伝統について伝える。ただし、文書を表記する文字システムとして楔形文字が採用されたため、文字システムと一緒に下メソポタミアを中心に発展した知的伝統も輸入され、当地の伝統に多大な影響を与えた。東アジアの漢字文化圏における中国思想のインパクトと比較できるかもしれない。(*1)
3-1-2  ・ヒエログリフ(象形文字)  BC4,000年頃からナイル川流域でもエジプト文字が発明され、様々な文書がおよそ3,000年間にわたって作成され続けた。
3-1-3  ・漢字 中国語を起源とし、韓国語、日本語に採用されている。
3-1-4  ・線文字A  BC18〜BC15世紀頃のクレタ文明で使われた文字。クレタ島と周辺の島でしか発見されておらず、解読に至っていない。
3-1-5  ・線文字B  BC16〜BC13世紀頃のミケーネ文明で使われた文字。クレタ島やギリシア本土で多数発見されており、20世紀に解読が進んだ。しかし、その後、文字文化は途絶え、ギリシアの神話やホメロスの叙事詩などは口承で伝えられた。
3-1-6  ・フェニキア文字  フェニキア人の言葉を表すために発明した22文字。ギリシア文字、アラビア文字、アラム文字、ヘブライ文字などヨーロッパ・西アジアで多くの言語に取り入れられた。フェニキアの別称は「カナン」。
3-1-7  ・ギリシア文字  フェニキア文字を元にして、ギリシア語を表記するために作られた。ここから、ラテン文字、ローマ文字が生まれた。「アルファベット」はギリシア文字の最初の2文字「α(アルファ)」と「β(ベータ)」に由来。


資料  *1)柴田大輔他 『世界哲学史 I 』
 石橋秀雄他 『世界史大年表』




以下は「民族の歴史 #1」の内容(このページをどう線引きするか)

 ‐東ユーラシアの主な語族(人種は、主にモンゴロイド) 
   ‐1  アルタイ語族  モンゴル人、満州人、トルコ人
   -2  シナ・チベット語族  中国人、チベット人、ミャンマー人
   -3  オーストロネシア語族  台湾、東南アジア島嶼部
   -4  オーストロアジア語族  東南アジアのインドシナ半島
       
 西ユーラシアの主な語族(人種は、主にコーカソイド) 
   -5  セム語族  アラブ人、イラク人=メソポタミア人、ヘブライ=ユダヤ人
   -6  ハム語族  エジプト人?
   -7  インド・ヨーロッパ語族  ヨーロッパ人、小アジア人、イラン人、インド人
       
 その他、アフリカ諸語族、アメリカ諸語族  
       
       

 1-2-1  アルタイ語族  大きくは3系列あり、「テュルク語族」としてのトルコ人、「モンゴル語族」としてのモンゴル人、「ツングース語族」としての満州人である。
トルコ人の原住地は中央アジア・ロシア中南部だった。このうちロシア中南部に居住していたトルコ人はウラル山脈以東、アルタイ山脈以北に分布していた。トルコ人の系列民族がウラル語族やアルタイ語族と呼ばれるのは、この2つの山脈の名に由来している。
 1-2-4  オーストロアジア語族  東南アジアのインドシナ半島の原住民。クメール人のみがカンボジアで純血を保ち、その他のベトナムやタイには、中国人やインドネシア人が多数移住し、混血していった。
     
 1-2-7  インド・ヨーロッパ語族  ヨーロッパ人、小アジア人、イラン人、インド人など。インド・ヨーロッパ語族は、紀元前15世紀頃、騎馬や鉄器の優位性をもって、中東に進出してセム語族を支配し、インドでは先住民を支配した。彼らは自らを「高貴な者」(アーリア人)と呼んだ。「高貴なる者の国」アーリア人の国を意味するのが「イラン」。

1-3 ・日本人 -漢字文化圏にありながら、ひらがなも使う日本人は「半中国人」ともいえる。4世紀から7世紀にかけて、大量の朝鮮からの渡来人(数百万という説明も)がやってきて、人口増加があり、混血が進んだとも。
北方系の薄いの顔の渡来人は北海道や沖縄にはほとんど入らなかったため、濃い顔の日本人が残った(「二重構造説」)。アイヌなどは、白人コーカソイドに属するという説もあったが、今日の調査では、アイヌもモンゴロイドに属することが判明している。(*3)
*3.『民族で読み解く世界史』(宇山卓栄著)P38、P60

1-4 ・中国人(漢民族) ‐古代中国は黄河流域から発祥し、黄河文明を形成した。この文明が発展し、紀元前16世紀に殷王朝が現れる。漢字が作られたのもこの王朝。漢字は長江流域にも普及し、黄河と長江にまたがる南北の巨大な言語文明圏を形成した。もともと長江流域は黄河流域とは異なる社会・文化を有し、民族系統も異なっていた。しかし、漢字の普及が両地域の共通の言語基盤となり、中国というものの原形を生み出した。
-「漢人」は純粋な中国人を指すといわれる。中国はモンゴル人、チベット人、トルコ人などを含む多民族国家である。実際には他民族との混血を繰り返しており、漢人の純粋な血が保たれていたのは、三国時代の少し後、4世紀ころまで。それ以降は周辺民族との混血が一気に進んでいく。(*4)
*4.『民族で読み解く世界史』(宇山卓栄著)P40


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