95号 2012年1月25日発行


 原発都民投票を実現させよう
 人・まち・風 ちょうふ市民放射能測定室設立を提起します
 12月議会報告 
    一般質問3・11後の地域づくりに社会教育を
    文教委員会報告 放射線による子どもの被曝低減のための対策を求める陳情
 インフォメーション


 

大事なことは市民が決める
原発都民投票を実現させよう

国民投票の法制化をめざす
ジャーナリスト今井一さんを招いての学習会


東日本大震災に伴い発生した福島第一原子力発電所の事故は、近隣住民の故郷を奪い、健康や食べ物の安全に不安をもたらし、終息までにこの先何年かかるかわからない事態を招きました。
原発についての住民投票は、原発が立地する自治体で行われたものがいくつかあるだけでしたが、東京でも原発の是非を問う住民投票を行いたいと、市民が直接請求に必要な署名を集める活動を始めました。
調布・生活者ネットワークは、この運動に賛同して「直接請求を成功させる会 調布」に参加し、市民とともに活動しています。

趣旨をわかりやすく説明する
バナーをかかげて署名活動

「誰が原発の是非を決めるべきだと思いますか?」という
問いかけから、原発都民投票に関心を持ってもらう

 

なぜ「原発都民投票」か?

東京電力が保有する原発のすべてが東京電力管内を超えて遠くに立地し、そこから東京へと電気が送られてきています。電力の最大消費地・東京に住む私たちこそ、原発をどうするか考え、一人ひとりが決断しなければなりません。
 東京都は、東京電力の原発が生み出す電力の恩恵を受ける最大消費地であるとともに、東京電力の大株主(第5位)です。都が大株主であるなら、都民もまた東電の事業方針の決定に責任と権利があるといえます。私たちはその責任を担い、権利を行使するために「原発の是非を問う都民投票」条例を制定し、都民投票を実施するよう都知事に求めようとしています。

住民投票のしくみを

地方自治法が定める「直接請求」は、有権者の二パーセントの署名を集めて首長(都知事)に条例の設置を求めることができる、住民の権利です。これまで、原発建設、廃棄物処理、市町村合併などの重要案件について国内で400件以上実施され、住民自ら考え政策を判断する直接民主主義の手段として活用されてきました。
住民投票制度は「大事なことは市民が決める」有効な手段です。ぜひ成功させましょう。

 

1月9日 成人式に向かう
新成人に署名をよびかける

駅前での連日の署名活動


人・まち・風
ちょうふ市民放射能測定室設立を提起します


チェルノブイリ原発事故後の市民、特に子どもたちの放射能の影響による健康被害は、5年後をピークに25年が経過した現在も続いています。福島の子どもたちがチェルノブイリ周辺の汚染地帯より高い放射線量の中で暮らしていることを考えると、今後の彼らの健康が心配です。東京の放射線量も事故前の平常値の約2倍のままです。低線量とはいえ異常な放射能が東京で育つ子どもたちの将来にどのような影響を与えるのか、誰にも予想できません。
いま私たちが未来の子どもたちのためにできることは、食品の放射能を計って内部被曝を少しでも低減させること、土壌や水も定期的に計測して安全を確認すること、そしてそれらを将来にわたって記録していくことです。調布市の空間放射能測定や学校給食の食材の測定が他市に先駆けて行われたことは私たちの誇りですが、それでも専門機関に検体を送って結果を待つという計測体制では、頻度や検体の数に限界があり市民の不安を払拭するには至りません。
そこで、市民が自主的に放射能測定を行う市民測定室の設立を提案します。
・調布市とも協力関係を築いて学校・保育園の給食食材を毎日計測する。
・調布市と協議のうえ、給食食材の日々の計測と引き換えに設置場所の提供を受ける。
・市民から要請があれば家庭菜園の野菜や土壌なども有料で計測する。
・計測は研修を受けたボランティアが行う。
・アロカ社のシンチレーション式スペクトロメータ(500万円)を購入することを目指し、研修費などを含め予算は600万円。300万円を各種のファンドの助成と生協などの大口利用者から、300万円を市民から一口1万円で募る。

藤川 泰志 (原水爆禁止調布市民会議)

名古屋で発足した市民測定センターの測定機器
ここで測定ボランティアの研修をうけました。


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12月議会報告   一般質問

3・11後の地域づくりに社会教育を
市議会議員・代理人 ドゥマンジュ恭子

東日本大震災後の避難所生活では、地域で助け合う様子が報道され、私たちは地域のつながりの大切さを再認識しました。そこで、学ぶことを通して人と人を結び、地域をつくる役割りを持つ「社会教育」の重要性を指摘し、市の社会教育行政について質問しました。


生涯学習とは違う社会教育の役割り

1990年、国は「生涯学習振興法」を制定し、社会教育より生涯学習に重点をおいた政策を進めてきています。両者の違いを端的に言えば、「生涯学習」は一人ひとりが自己実現のために行う個人的な学習であるのに対し、「社会教育」は共通の課題を持って学び合い、ともに社会的な課題を解決することをめざす相互学習だという点です。
3・11を経た今こそ社会教育を活性化させ、人と人をつないで、防災や福祉などの課題解決ができる地域をつくることが必要だと考えます。

防災に社会教育を生かせ

3・11後は、防災の意識が高まってきています。市では地震発生後72時間の学校対応のシミュレーションをつくりました。今後は避難所の運営ガイドラインをつくり、避難所ごとのマニュアルを策定するとしています。その際には防災に関連した講座を公民館で行うなど関係部署の連携を求めました。
 また、調布市地域防災計画の中では公民館は避難所として位置づけられていませんが、いざという時、公民館に市民が避難することは充分想定されます。避難所として位置づけるよう提案し、地域防災計画の修正を行う中で検討するという答弁を得ました。
 
地域の人材養成を

調布市は今年度から地区協議会を対象に、地域の身近な課題を協議・検討してまとめ、そこから地域にとって有効な事業提案を行う「地域カルテ事業」を始めました。市長はこの事業を提案した理由を「市民が地域の課題を議論し整理して解決策を見出すためには、自分たちのまちは自分たちで作るという意思に基づくコミュニティの形成が欠かせないので」としています。
これはまさしく社会教育の発想であり、社会教育を更に活性化させコミュニティづくりに取り組むべきです。
福岡県大野城市では、昭和50年代から公民館の運営を市民が担うことで、地域課題を解決するための人材と組織を育て、官民協働で市政に取り組む体制を構築しています。
調布市でも、地域コミュニティを活性化させるために、社会教育の視点から戦略を持って、地域の課題を解決する人材の発掘・養成に取り組むべきと提案しました。
教育長からは、「地域の教育力」の向上をテーマとした講座や事業を実施し、市民企画講座を増やすなど、引き続き市民自らが地域づくりに参画するきっかけとなる事業を行うという答弁がありました。
   
市民参画で策定した
「調布市社会教育計画」


2005年に策定された現行の社会教育計画は、市民参画で計画原案がつくられた点、ことに行政計画である社会教育計画を市民が一言一句まで書き上げたことは全国的にも注目され、社会教育の専門誌でも取り上げられました。
4人の社会教育委員と32人の公募委員からなる「社会教育計画起草委員会」を設置、170回もの話し合いを重ね、社会教育の意義を確認・共有しました。
障がいのある方たちが公募委員の中に入っていたことで、頭では理解していたつもりの「障がいをもつ人たちが生きていくことの困難さ」が、ふれあうことでよくわかり、社会教育施設のユニバーサルデザイン化が必要不可決であることなどが確認されていきました。
時には意見の分かれることもあった中で、ひとつの原案にまとめていくまでの丁寧な議論の積み重ねが、まさに地域をつくる主体となる市民の学習の場、社会教育そのものだったといえます。

次期社会教育計画にも
市民の意見の反映を


2013年度からの次期社会教育計画も、引き続き策定するよう働きかけていきます。現行計画同様、策定過程そのものが市民が育つ場となるように議論を重ねると同時に、その意見を充分に反映させることも重要です。


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文 教 委 員 会 報 告

放射線による子どもの被曝低減のための対策を求める陳情

1200筆を超す署名とともに「放射能から子どもの未来を守る調布の会」から出されました。
@ 保育園・小中学校給食に、放射性物質不検出の食材を優先的に使うこと
A 市独自に放射線測定器を購入して給食食材を測定する体制を整備すること
B 保育園・幼稚園・学校や通学路、公園などの放射線測定を綿密に行い、線量の高い場所の除染を行うこと
C 子どもたちに注意喚起や指導をすること
などを求めています。

子どもたちの外部・内部被曝を可能な限り低減させたいという思いは当然です。文教委員会では学校給食について審議しました。調布市は原発事故後、弁当持参もできるとしましたが、校長会に伝えただけだったので、各家庭へ文書で知らせ周知するよう求めました。
この陳情は厚生、文教、建設の3委員会に分割して審議されましたが、他の委員会に付託されている内容には触れられないという審議のありかたは問題です。今後は合同委員会など、陳情全体を審議する方法を考えるべきと思います。
放射線量上限の子ども基準が定まっていない今の段階では判断できないなどの理由で、どの委員会も継続審議となりました。
福祉部会活動報告

調布・生活者ネットワークは、2008年にNPO法人全国移動ネット事務局長の伊藤みどりさんをまねいて移動困難者とその支援についての学習会を開催しました。この学習会をきっかけに、福祉部会では地域で安心して暮らすために、誰でも自由に移動できるまちづくりを目指して活動してきました。
今年度は、福祉移動サービス事業者へのアンケート調査を行いました。調布市福祉タクシー券提携先にアンケートを依頼し、14事業者から回答を得ることができました。
回答内容は、2月中に冊子にする予定です。公共交通機関の利用が困難なかた、移動サービスに関心を持つかた、調布ネットにお問い合わせください。


インフォメーション

野川の水生生物調査

日時 3月3日(土) 雨天の場合は4日(日)
時間 午前9時半〜12時
集合場所 大橋たもとの公園
持ち物 川の中に入れるような服装
長靴(あれば)、スニーカー、タオル
飲み物、着替え(こども)
主催 身近な川を見守る会
お問い合わせ 042-487-3087

身近な川を見守る会は、春と秋の二回に野川の水生生物調査を行っています。
野川は湧き水からできている川できれいな水の中に住む生物から少しきたない水に住む生物までいろいろ見つかります。動植物にくわしい講師のお二人がどんな質問にも答えてくださいます。
かわせみにも出会えるかも!子どももおとなも楽しい調査です。ふるって参加ください。


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