111号 2016年1月25日


 調布ネット満25年 その原点を聴く  地方分権と市民参加を進めて…

 第4回定例議会報告  一般質問

 人・まち・風 ―まちなかの子育て支援の場―

 大河原まさこさんを再び国会へ

 インフォメーション 
    おしゃべりカフェ No.5 子ども、医療・介護、食、環境、労働…
 


調布ネット満25年 その原点を聴く  地方分権と市民参加を進めて…

調布ネットが設立総会を開いた1990年12月から丸25年。四半世紀を経て、改めて調布ネットの原点を振り返ろうと、設立メンバーの一人江刺益子さんに二宮ようこ議員とドゥマンジュ恭子前議員が話を聴きました。


水道から地下水  環境へと活動を広げて

二宮 そもそも自分たちで市議会議員を出そうと思ったのはどうしてだったのでしょう?江刺さんの体験をお聞かせください。

江刺 最初に議員を出すことがあったのではありません。私は地方から調布に引っ越してきて、水道の水が気に入ってしまったのです。調布は地下水を汲んで水道水にしていたからおいしかったのですね。

ところが、ある時東京都の水道局の人から「東京都は地下水をやめて河川水だけで水道事業をやろうとしている。調布市もそれに乗って東京都と水道を統合する予定。一緒に地下水を守る運動をやってほしい」と声をかけられたのです。

市民の誰もが飲む大切な水なのに市民に一言もなく市が勝手にそんなことを決めていいのかと思いました。生協の役員もやっていたので、生協にも声をかけ、他の生協とも一緒になって運動を始めました。

江刺益子さん

二宮 どんな運動ですか?

江刺 複数の自治体で、市民が井戸のある家を一軒一軒訪ねてお話を聞く「みずみち調査」を行い、地上からは見えない地下水脈を探りました。他にも、地下水について学びあうシンポジウムや駅前広場での署名活動を行いました。最終的には1万筆ぐらいになりました。

その署名を持って、市議会に陳情を出しました。結果は、趣旨採択。趣旨は認められたと思いました。2000年に東京都の水道事業と一元化した時に「できるだけ地下水を使うようにする」という文書を東京都と交わしたのは調布市だけです。

でも、「環境が一番大事」と思っている市議会議員はいないとはっきり思いました。それで、環境を大切にする生協の人たちに呼びかけて議員を出す準備を始めたのです。

ネットの議員は市民とともに

二宮 江刺さん自身が議員にはならなかったのですね。

江刺 ネットは議員だけが頑張る組織ではないのよ。議員と一緒に活動する市民が大事なの。それがなければ他の議員と一緒になってしまう。ネットの活動は、市民と一緒に調査し、議論して政策を作り上げるもので、特に、調査した結果は動かせないからとても重要です。

畑調査や防災のための塀や井戸の調査、バリアフリーチェックなど、市民自身が数多くの調査を行ってきました。

ドゥマンジュ 行政に対してのネットのスタンスも、調査や実践などの市民活動をベースにしていますね。

江刺 今、地域の市民ボランティアが行う里山保全活動については、その方針を雑木林連絡会という市民団体と行政が話し合っています。

ドゥマンジュ まさにそのことを、私は議会で質問を重ねてきました。

どういう緑を守りたいのか市民と行政が話して目標を立て、何を実行していくのか一緒に考えていきましょうということが実現しつつあります。

江刺 市民の行動とネットの議会質問が両輪となって、市民によるまちづくりが実現していくのだということですね。何でもネットがやる必要はなくて、そういう市民の動きをコーディネートしていく、まちづくりの絵を描いていくという役割だと思う。

また、市民が描いた絵を行政につないでいく役割もあります。 環境だけでなく、福祉や教育や平和のことなど、どんな課題であっても基本はそこにあると思っています。

ドゥマンジュ 市民から言われたことを、「議員の私が何とかします」というのではなく、市民自身が動くということを大切にしています。そのためには、意見を交わし、わかりやすい情報提供をしながら、まち全体を視野に活動するよう心掛けてきました。

江刺 調布市は、今年度策定予定の環境基本計画の案を市民に説明して意見をもらうことになるなど、行政の中でも程度の差はあれ、市民参加が当然になってきていると感じます。

二宮 調布市基本構想にも「市民参加のまちづくり」が入っているし、これは成果ですね。

江刺 今、安倍政権は民主主義とか市民自治を壊しにかかっています。でも、自治体も市民とともに力をつけようと、20年、30年かけて地方分権と市民自治を進めてきました。この動きをそう簡単に崩すことはできないと思いますよ。

二宮 地域の中で地道に進めてきた市民参加を大切にして、私も子どもの未来と育ちを全力で応援していきたいと思います。

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第4回議会報告 一般質問
人権の視点を活かした社会の実現に向けて
意識啓発や災害支援にセンターの活用を


男女共同参画社会とは、性別に関わらず一人ひとりが自分らしく生きることのできる社会です。市の財産である男女共同参画推進センター(以下センター)を市民がより活用しやすくなるよう質問しました。

センターの積極的な周知を

男女共同参画社会への意識を高めるためにセンターの果たす役割は大きい。市民に向けた周知を。

答弁 来館者にわかりやすくなるように、入口ドア等にセンター名を表示することを協議する。広報誌「しぇいくはんず」の掲載や図書コーナーのPR展示等を通して、市民課窓口や貸館の利用者にも、施設の役割や事業を周知していく。

センターとの連携で学校教育での取り組みを

市内の中学校での出前講座で、命の誕生、自己肯定感を育む性教育が行われた。知らないことが結果として自身の体を傷つけてしまうなど、今の子どもたちの現状から見ても必要な教育。男女ともに自分や相手を大切にする人権意識をもつことが大切。学校教育の場で、発達段階に合わせて積極的に教えるべき。

答弁 センターは毎年中学生対象に出前講座を実施している。他に、多様な家族について考えさせる映画の上映、思春期の生徒向けには、産婦人科医を講師として派遣し、「こころ、からだ、かんけい」と題してデートDVや望まない妊娠などについて学習する講座、低学年用に「みんな違っていい」を用意。また、毎年中学生の職場体験を受け入れている。

LGBTの子どもへの早期支援を

社会の理解が進まない中、40人クラスのおよそ2人がLGBTであるともいわれている。家族や友達にもありのままの自分を伝えられず、暴力、いじめ、差別などの不当な扱いを受けても相談する場もないなど、当事者の苦痛は深刻。多様な生き方についての学習や、支援につなげる取り組みと相談できる場所が必要。

答弁 教職員に対し学校訪問等の機会に指導。相談窓口を設置して環境整備に努める。今後、児童館や青少年ステーションCAPSでは、性的少数者である子どもや若者への理解を深め、職員への意識啓発とともに、LGBTに関する研修なども行っていく。

行政事務や、公文書の見直しと、LGBTに関する研修など、社会全体が身なりや性別に関わらず、一人の人間として個性を生かし、相互に人格が尊重されるよう積極的な啓発が必要。条例などの整備については、都や国全体の動向を注視していく。

避難所運営は男女共同参画の視点で

被災地での避難所で、女性の声が届かず、性被害も多数報告されている。女性にとっても安全・安心な避難所運営が行われているか、災害時にセンター職員が見回ってチェックとアドバイスを行うことを求める。また、同様の視点を持って避難所運営の支援ができるボランティアの養成・派遣などの取り組みを進めるべき。

平常時から共通の認識を持つことは、いざという時も意識啓発にも役立つ。地区協議会などでも活用出来る事例集や、避難所運営の際の配慮事項を掲載するリーフレットの作成を。

答弁 男女共同参画の視点を持ったボランティア研修を、市民活動支援センターと協働して実施する。災害時にセンターが果たすべき役割や女性視点の避難所運営に関するリーフレットの作成について協議中。3月には女性のための防災講演会を市民プラザにて実施する予定で、地区協議会等を通じてPRしていく。

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大河原まさこさんを再び国会へ

東京・生活者ネットワークは、今夏の参議院選挙「比例代表区」において、大河原まさこさんの推薦を決定!

原発ゼロ、エネルギー・食糧の地産地消、社会保障の充実など「一人ひとりの人権が尊重されている」と実感できる政治を実現するために、調布・生活者ネットワークも大河原まさこさんの活動を応援します。

おおかわら・まさこプロフィール●1953年生まれ。国際基督教大学卒業。生活クラブ生協に加入、食品安全条例制定直接請求運動などに関わる。1993〜2005年東京・生活者ネットワーク都議会議員。2007〜2013年参議院議員。厚生労働委員、農林水産委員など。自治体議員立憲ネットワーク顧問。世田谷区在住。



おしゃべりカフェNo.5   「なんでも話そう」
子ども、医療・介護、食、環境、労働…


日 時 4月2日(土)10:30〜12:00
場 所 市民プラザあくろす3階 研修室3
司 会 二宮ようこ
ゲスト 大河原まさこさん (リベラル市民政治研究所代表)

疑問・質問など、ネットまでお寄せください。
宛先 ファックス 042-487-3090
主催 調布・生活者ネットワーク

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人・まち・風 

布田3丁目にある「ぷくぷくポレポレの家」は、子育て中の親子が、ゆったりと時を過ごせる場です。代表の鈴木さんは市内で保育士をされていた経験から、不安で孤立しがちな子育てにはサポートが必要、大事な子どもをみんなで育てましょうというメッセージを届けたいという思いで、2013年に開設しました。

その思いに共感した大家さんが民家の一階を無償で提供し、地域に開かれた場として、ひとり暮らしのご高齢の方の居場所にもなっています。みんなと昼食も一緒に食べられる、こんな交流・支援の場が市内のあちこちに増えると心強いですね。(KD)

 

ぷくぷくポレポレの家
月曜日〜金曜日 10時〜15時  
利用料 1日五百円 月三千円で何回でも
木曜日の昼食は登録・予約制

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