二度と起こしてはならない給食の食物アレルギー事故 二度と起こしてはならない給食の食物アレルギー事故 2012年12月、市内小学校5年生が給食により尊い命を落とすという、あってはならない事故が起きました。再発防止検証委員会の報告から見えてきたのは、学校任せの対応とそれを受け止めきれていなかった学校現場の現実でした。教育委員会から新たな対応策も打ち出されていますが、事故を未然に防止するには、学校に対するさらなる支援が必要です。 乳製品アレルギーを持つこの児童は、専用の代替食を食べた後、クラスで残ったじゃがいもチヂミをおかわりとして食べて急速にアナフィラキシー(※1)ショック状態になり、亡くなりました。このチヂミに 粉チーズが入っていたためです。 事故検証委員会から、担任がこの児童専用に作られた「おかわり表」を確認していなかったこと、児童が気分の悪さを訴えてから14分以内に「エピペン」が打たれなかったことが生死を分けたと報告されています。しかし、問題はそれだけではありませんでした。 明らかになった 学校任せの実態 この検証委員会で、死亡事故以前の2年間で、市立小学校で給食によるアレルギー事故が12件も起きていたことが明らかになりました。問題は、そのすべての事故が教育委員会に報告されてはいなかったことです。 小さな事故が重大な事故に結びつくという危機感を持って、組織的な速やかな対応がなされ、全学校での改善の取り組み、注意喚起が行われていれば、命を奪う事故に至らなかったかも知れません。 市では、2008年から文部科学省監修のアレルギー対応ガイドラインを導入していますが、食物アレルギー・アナフィラキシー対応策という重大な事項にも、調布市としての統一した基準がなく、判断、対応は各学校任せになっていました。 また、教育委員会は全小学校にいるアナフィラキシーの危険性のある児童数を把握していなかったことも明らかになっています。 各学校でもガイドラインの理解と対応は十分とはいえず、児童個々のアレルギー対応について話し合う対応委員会も20校中5校にしか設置されていませんでした。 事故によって改善したこと アレルギー専門医も入った事故再発防止検討委員会では、事故防止、緊急対応、給食指導の3つの視点からの検討が進められました。それによって、食物アレルギーやアナフィラキシー発症時の学校現場での役割分担を明確にし、全教員への食物アレルギーの理解やエピペン(※2)使用についての研修が強化されました。 さらに、児童・生徒のアレルギー症状発症時に対応するため東京慈恵会医科大学附属第三病院(狛江市)とのホットラインによって、エピペンを打つ判断や、緊急受け入れなどの相談ができるようになったことは、大きな前進と言えます。 文部科学省も、この事故を重く受け止め、学校給食での望ましい食物アレルギー対応を再検討するべく調査研究協力者会議を立ち上げ、今年度末をめどに方向性を示すとしています。 人員の加配と設備の充実を 事故後は、市内全学校で食物アレルギー対応カードのトレーへの貼付や、複数の目による確認の徹底などが図られているはずでしたが、またもや9月に、代替食対応の児童に、誤って原因物質を含む普通食を食べさせる事故が起きてしまいました。幸い発症には至りませんでしたが、更なる対応の見直しが求められます。 生活者ネットワークは、担任一人に負担と責任を負わせるのではなく、給食の時間に地域の方たちの協力も得るなど、人の目を増やして子どもたちの命を守ることを提案してきました。特に低学年では教員の加配が望まれます。 そして、子ども自身にも自分の命を守る意識と知識を高める働きかけをするとともに、アレルギーを持たない子どもやその保護者にもアレルギーの周知を進めて、みんなで事故を防ぐという意識を育てることが大切です。 それが、互いの違いを認め合う意識につながると思います。 また、調理室でのコンタミネーション(※3)が起きないよう、食物アレルギーに対応した調理室設備の充実も喫緊の課題ですが、大きな予算を伴うので国が優先的に取り組んでいくよう声を上げていきます。 ※1 アナフィラキシ―・・・短い時間で全身に激しくあらわれるアレルギー反応。 ▲第六中学校で行われたエピペン講習会(調布市提供)
「カフェ悠遊」は、私が自宅に作ったママの居場所です。月2回の「おっぱいの会」には、10人ほどのママが赤ちゃんを連れて参加します。 助産師の棚木さんを中心に、順番に自己紹介と心配なことなどを話して棚木さんにアドバイスをもらいます。一通り終わると今度はママたちのおしゃべりタイム。隣の人、月齢が近い人と話がはずみます。 このカフェを始めたのも、こうしてママ同士のつながりを作って、孤独な子育てをするママを一人でも減らしたかったからです。近所の人だけでなく、川崎から来たという人もいます。 昼食を食べたいという人には特製のランチもあります。身体に優しいほっとする一皿です。 このほかにも、「赤ちゃんとママのケア講座」や「音育・食育・胎教講座」、ベビーマッサージなどイベントが盛りだくさん。ママ友が欲しい人、ぜひ一度参加してみてください。
寺崎滋子 東京都調布市染地3‐1‐853
市議会議員・代理人 ドゥマンジュ恭子 大津市のいじめや大阪市での教師の体罰など、教育現場の課題に対して、教育行政の要である教育委員会の形骸化が指摘されています。調布市でも、昨年の給食によるアレルギー死亡事故や教師による暴言問題など、教育は重大な局面に立たされていることは明らかです。 春日市の取り組みを学ぶ 今回の質問に先だって、福岡県春日市を視察しました。 春日市では10年にわたって教育委員会事務局が率先して教育改革の先進的な取り組みを行っており、事務局と学校間の文書事務の見直しなどで業務をスリムにし、学校に予算の編成権・執行権を委譲するなど、教育委員会が教育に関する政策を作り上げるという本来の機能が果たせるように改革を進めてきました。 学校に対しても、提出物を削減し、研究指定や市の学校訪問をやめ、各種の会議や研修会についても見直しを行い、学校の負担軽減に力を注いできています。 教育委員会を活性化する仕組みづくりを 調布市においても、教育委員会事務局が核となって改革を進め、学校現場で問題になっていることに速やかに対応し、多様な教育課題に対して中・長期的な政策を形成していく機能を強化していくことが必要です。 教育委員会が教育政策を議論する場ではなく、事務局からの報告を受けるだけの場になっていないか、改革の必要性についての認識をたずねました。 教育委員どうしの議論については、昨年の死亡事故以降、毎月の定例会や臨時の会議、情報交換会で協議する機会が増えたとのことです。 春日市では改革によって、教育委員会の意見が予算、新規事業に反映できるよう、次年度予算要求案は、財政課とも調整のできる、11月提案に早期化されました。 市でもこのタイミングで行うべきという質問に対しては、毎月の定例会での意見を基に予算、新規事業とも作成しているので問題とは感じていないという答弁で相変わらず、予算がほぼ確定している2月に提案されています。 学校の改革も急務 大津のいじめ自殺の検証報告書でも記載されたように、学校の最大の問題は、教職員の多忙化です。膨大な事務作業に追われて、ベテランが新任教員を指導したり一緒に教材研究をしたりする時間が取りにくい状況です。 学校での課題に対して新たな施策を提示して、あとは学校でよろしくではなく、教育委員会事務局、教育委員会は常に現場で実現可能かどうかを検討していくことが重要です。 そのためには学校現場の声を、それも管理職だけではなく、子どもたちの命と学びを日々育んでいる教員の声を直接聞いて進めていくべきと考えます。 なぜ、食物アレルギー事故はおこったのか、なぜ教師によるいじめがおこったのか、それを担任個人の責任や資質の問題に落とし込んだだけでは、本質は見えてきません。学校内での教員の慢性的な多忙化と、人事考課制度、校長、副校長、主幹などのたて系列の指導体制の導入によって、教員にも競争の原理を当てはめた結果、支えあい、助け合う学校風土が希薄になってきたことにあります。 教員一人ひとりが自分のことに精一杯な状況で、関係性が分断される状況こそを変えていかなくてはなりません。 そして、最も学校現場で望まれている教員の加配を求めましたが、派遣型スクールサポーターの増員に向け努力するとのことです。また、年内には学校内の文書事務の削減、会議の見直しなどを行う検討会を実施するという答弁を得ました。
エンディングノートで 自分を表現してみよう 8月19日、調布地域協議会主催の「ライフプラン講座 エンディングノートを書いてみよう」に参加しました。世界一の長寿国日本、高齢者の割合もどんどん高くなっています。 高齢になってからの生活とそれに続く死への準備を自分で考えるための道具がエンディングノートなのですね。後のことを何も言わずに死を迎えたために、遺族間の関係が悪化した事例も多くあるとか。 買ったままのエンディングノートですが、まずは書けるところから、書き始めることが大事。そこから次の何かが見えてきそうです。 一人暮らしになった時の転ばぬ先の杖、「成年後見制度」について学ぶ続編にも参加したいと思います。(AY)
今後も税収の伸びが期待されない中、貯蓄である基金の残高は5年連続で減少し続け、厳しい財政状況。これからは、さらに財政状況について市民との情報共有を図り、未来の世代に多大なツケをまわさないよう、身の丈にあった財政規模を探るべきです。 また、2012年度は、災害廃棄物の広域処理の名目で、ふじみ衛生合の新ごみ処理施設の建設費として、復興予算を財源とする特別交付税10億円余が補正で組み込まれていました。 しかし、この時点では、新ごみ処理場での災害廃棄物の受け入れはないことが明らかになっていました。本来、復興特別税は被災地で、窮状を抱える方がたに率先して使われるべきですが、流用が多数発覚し、復興税の目的から逸脱していると批判を受けています。 被災地での復興住宅整備は、平成25年度末でも計画のわずか15%弱に留まる見通し。国が交付税措置をしたとしても、モラルを持った自治体として、その交付のあり方に問題があることを提起していく姿勢が必要でした。 以上の理由から、この決算は、市民への説明責任を果たすことができないと判断し、反対しました。
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