101号 2013年7月20日


 成年後見制度を活用して地域で安心して暮らす
 人・まち・風  「クイーンズ あじさい」 食材にこだわるお弁当

 6月議会報告 

一般質問 子宮頸がんワクチンよりがん検診と教育が大事 
意見書、要望書提出 
議会報告会開催
 
「調布市地域防災計画」修正案が出されました

 都議会議員選挙報告
 インフォメーション



成年後見制度を活用して地域で安心して暮らす

近い将来、日本は超高齢化社会に突入します。判断能力が衰えても地域で安心して暮らしていくためには、市民同士で支え合う仕組みとして成年後見制度の活用が求められます。

認知症高齢者の増加

厚生労働省は6月、全国の高齢者人口の15%は認知症であると発表しました。調布市でも2025年には高齢化率がピークとなり、地域の中で認知症高齢者の一人暮らしや、高齢者のみ世帯が急増することが予想されます。

認知症で判断力が低下すると、それまでの自分らしい生活を維持することが困難になるばかりでなく、悪徳商法や虐待などにあってもSOSを出しにくくなります。また、様々な福祉サービスの契約も申請できず、支援を受けられない場合もあります。それを補うのが成年後見制度です。

成年後見制度とは

成年後見制度は、認知症高齢者に限らず障がいなどで十分な判断ができない人に、成年後見人が付いて本人の尊厳や権利、財産を守ることを目的としています。2000年の介護保険制度導入の際に車の両輪としてつくられましたが、制度の周知や制度を活かすための運用方法が考えられないままスタートしました。

その結果制度の活用が進まず、自治体の取り組み度合いによって自治体間の格差が広がっていると指摘されています。成年後見はお金のある人の財産管理ととらえられがちですが、超高齢化や家族機能の低下が進む中、判断能力が落ちた方たちの権利擁護の制度として、ますます重要性を増しています。

制度の周知を

調布市の成年後見についての相談窓口が、市役所の福祉総務課や地域包括支援センターにあることをご存知ですか?

どんな場合に使えるのか理解を深め、自分や家族はもちろん、ご近所で困っている方と成年後見制度を結びつけて考えられる市民を増やすために、市として成年後見制度について、わかりやすい資料の作成や学習会の開催などを行い周知を図ることが必要です。 

そして、認知症高齢者と直に接している介護サービス事業者や、ケアマネージャー、民生委員の方たちがこの制度を理解し、潜在的なニーズを掘り起こしていくことが重要です。

市民後見人を増やせ

現在、後見人の大多数は親族か、弁護士などの専門職ですが、自治体の研修を受けた一般市民が認知症高齢者を支える市民後見人となる事例を増やしていくことは緊急の課題です。市民後見人に期待されるのは、市民ならではの感覚や目線で本人と関わり、その人らしい生活が維持できるよう様々なサービスをコーディネートすることです。ただし、一般市民が重い責任を持つ後見人に選任され活動するためには、その活動を専門的に支える支援機関が不可欠です。

東京都の方針は、市民後見人を拡充するために、市が主体となってその養成に取り組むというものです。調布市では、5市(狛江、多摩、日野、稲城、調布)連携で開設している多摩南部成年後見センターを養成の拠点として位置付けています。 

品川区の取り組み

品川区では、「マンガで読む成年後見制度」という冊子を作成し、一人暮らしなどのケース別に、成年後見を考えるタイミングや手続きの流れなど、制度の要点をわかりやすく説明して制度の周知を図っています。

また、2002年に開設した成年後見センターでは、発見・相談・後見受任まで一貫して担い積極的に市民後見人の活用を行っています。社会に貢献する意欲に富み、地域活動の延長線上で後見活動を行う市民後見人こそが、成年後見の適任者という認識に立っているからです。

東京都やNPO法人の養成講座を終了した市民後見人に対して継続的な研修や、財産管理面での具体的支援などを行い、市民後見人が活動しやすい支援体制を構築しています。調布市でもぜひこのような取り組みを検討し、実施するべきです。

日本は、今まさに超高齢化だけでなく、地縁・血縁の希薄化など、地域生活を維持していくうえで困難な課題を抱えています。だからこそ、判断能力が衰えたとしても「生活者」としての権利が護られ、その人らしい生活を維持するための成年後見制度を、浸透・普及させることに、生活者ネットワークは取り組んでいきます。

▲市役所3階福祉総務課の相談窓口

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人・まち・風  食材にこだわるお弁当

1984年5月、生活クラブの組合員有志が集まり、地域に根ざす仕事の場を模索して企業組合ワーカーズ・コレクティブ「クィーンズ」を設立しました。地域で必要とされる仕事を作り出し、自分のライフスタイルに合った働き方を実現したいと、生協の組み込み作業等から始めて狛江に仕出し弁当の「あじさい」を開店したのが84年の9月です。

専業主婦として過ごしてきた女性たちが生活クラブの食材に出会い、それを活用する仕事を自分たちの知恵とお金で作り出してきました。出資し働く仲間たちと29年間、一つの職場を育ててきたことには誇りを感じます。経営は、当初の食堂から仕出し弁当へとシフトし、97年には狛江市の業務委託を受けて「あいとぴあセンター」での給食調理という新しい仕事が加わるなど、変化してきました。変化に応じて様々な問題が生じる度に、メンバーで共有し試行錯誤しながら解決してきました。

これからも、食材にこだわり手作りの美味しいお弁当をお届けするという揺るぎない信念で続けていきます。安心・手作りのお弁当をぜひ食べてくださいね。

ワーカーズ・コレクティブ クィーンズ あじさい
狛江市中和泉4-25-1 TEL:03‐3430‐6286

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第2回定例議会報告  一般質問

市議会議員・代理人 ドゥマンジュ恭子

子宮頸がんワクチンよりがん検診と教育が大事

今年度から定期接種となった子宮頸がんワクチンは、副反応の多発やその有効性で課題が大きいため、十分な情報提供と、子宮がん検診率の向上や若い世代への教育を求めました。

子宮頸がんワクチンとは

子宮頸がんは、性交渉でヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することで発症します。若い人ほど進行が早く、毎年約3000人が死亡していることから、ワクチン接種が導入されました。調布市では、2011年2月から小学校6年から高校1年の女子を対象に1割負担での任意接種を行ってきましたが、今年度から定期接種となって無料で受けられることになりました。

しかし、厚生労働省は5月16日、これまで全国で328万人が接種を受け、医療機関からの報告では1196件の副反応があり、そのうち106件が重篤な症状と公表しました。製薬会社の調査も含めるとそれぞれ、2000件、360件と増加します。そして、副反応の発症率はインフルエンザワクチンの40倍といわれ、全身の慢性的な疼痛や、痙攣などにより車イス生活になったり、学校を長期欠席したりという重篤なケースもでています。

その後、こうした副反応の実態を受け、積極的な勧奨はしない方向になりましたが、まずは接種を中断し、国民の健康を守るという予防医療の原則に立って、原因の究明、治療や救済・相談体制、がん検診の向上や教育の体制を整えてから再開するべきです。その体制が整わないうちに、定期接種にした国の責任は大きいと言わざるを得ません。 

有効性や副作用について十分な説明が必要

また、現在接種されているワクチンは、子宮頸がんを引き起こす15種類ほどのHPVのうち数種類にしか効果がなく、その有効期間も8〜9年と言われています。

接種の是非を本人と保護者が判断するには、十分な情報が必要です。接種時の医師からの詳細な説明やHP・市報などの活用、また、保健師や養護教諭による生徒・保護者向けの説明を行うなど、様々な手段でワクチンのメリットやリスク、副反応についてわかりやすい情報提供を行うことを求めました。

予防には検診こそ重要

HPVは性体験のある女性の80%に感染経験があると言われますが、そのほとんどは、細胞とともに排出され、自然に治ります。感染してから前がん病変になるまで数年、その後、子宮頸がんになるまでは十数年を要します。前がん病変やごく初期の子宮頸がんであれば、手術など適切な治療で、ほぼ100%治癒が可能です。 

したがって、副反応の危険性を考えれば、子宮がん検診率を向上させ、早期発見、早期治療につなげることこそが優先されるべきです。

OECD加盟各国で、子宮がん検診率は欧米では70%を超えているのに対して、日本は最下位の23・7%です。特に20歳代の女性では10%と極めて低い状況で、調布市も同レベルです。そこで、公民館や男女共同参画課と連携した講座の開催や、子育て世代が集まる場、例えば子育て広場などで受診を促すことを求めました。
 
若い世代への教育を

ワクチンだけに頼ることなく、接種対象となる女子本人、そして同等に責任を持つ男子にも正しい知識を届けることが必要です。

学校などで、養護教諭や保健師が、検診を定期的に受ける大切さ、子宮頸がんワクチンのメリットやリスクなどはもちろん、性教育も含めて、男女ともに若い世代へ自分の身体を守る教育を行なうべきと、考えを問いました。

以上の質問に対して、今後は保健分野に関わる学習の一環として市で作成するリーフレット等を活用するなど、子宮頸がんについての正しい理解を深めるため、情報提供を行うよう検討する。また、保護者会等でもリーフレットを配布し、養護教諭等から保護者にも話すなど、積極的に意識啓発のための情報提供をするという答弁を得ました。

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子宮頸がんワクチンについて意見書案を提出

生活者ネットワークは、子宮頸がんワクチンの副反応問題から、子宮頸がん対策としてはワクチンだけに頼るのではなく、子宮がん検診率の向上と男女ともに性感染症についての教育を行うことを国に求める意見書案を調布市議会に提出しました。しかし、自民・公明・民主の反対で否決されました。

厚生労働省に要望書を提出

東京・生活者ネットワークでは、5月17日、厚生労働大臣にあて、安全性、有効性に課題がある、子宮頸がんワクチン接種の中断・中止を求める要望書を提出しました。この直後、積極的な勧奨の中止が決定されました。

第1回議会報告会
5月18日午後、国領のあくろすで、初めての議会報告会が行われました。2年にわたる議論の末にできた「調布市議会基本条例」制定の成果です。議員全員と市民合わせて56名が参加しました。

市議会として3月議会で議論したことを市民に説明する機会として位置づけられ、まず常任委員会での議論の一部が委員会ごとに報告されました。市民から出された市議会に対しての厳しい意見には伊藤議長が議会を代表して答えるなど、これまでの市民と議会の関係とは一味違う会になりました。お互いに満足とはいかなかったかもしれませんが、回を重ねて議会と市民が対話できる場に成長していくことを期待します。


「調布市地域防災計画」修正案が出されました

昨年4月に東京都から出された新たな被害想定とともに、東日本大震災の教訓を反映した「調布市地域防災計画修正案」が出されました。災害時に支援が必要な方たちや乳幼児への配慮、帰宅困難所や放射性物質対策のほか、以前より提案してきた避難所での「女性への配慮」が盛り込まれたものの、女性への相談体制には触れられていません。この修正案はパブリックコメントの後、9月下旬に本計画が出される予定です。

 防災施策として、緊急時の飲料水確保のためのたづくりでの地下水ろ過システムの導入や、保育園整備は評価すべき点です。また、就労に困難を抱える若者へジョブトレーニングなど多様な方法で自立を支援する「地域若者サポートステーション」の開設にも期待します。実効性を高めるために、庁内関係部署・地域NPOなどとの連携体制を求めました。

厚生労働省の生活保護費削減案は、就学援助など子ども・教育関連の制度にも関係します。次世代育成支援として、生活保護世帯の小4から中3の希望者に塾費用の支給が開始されます。この周知を図り、家庭の経済状況が子どもの育ちや進路に影響することを食い止めるよう要望しました。

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都議会議員選挙報告

6月23日に行われた東京都議会議員選挙で、東京・生活者ネットワークから立候補した6人の候補者のうち、西崎光子(世田谷)、山内玲子(国立・国分寺)、小松久子(杉並)の3人が当選しました。調布・狛江選挙区では、生活者ネットワークが推薦した尾崎大介さんが当選しました。 

インフォメーション

エンディングノートを書いてみよう
日 時:8月19 日(月)10:30〜12:30
場 所:生活クラブ生協 調布センター
講 師:生活クラブFPの会
参加費:無料
主 催:調布地域協議会042-487-3087
いつか必ず訪れる人生の最期をどのように迎えたいのか、死後はどのようにしてほしいのか、自分らしい人生の締めくくりを「エンディングノート」を使って考えてみませんか?

「原発ほんまかいな」上映会
日時:9月10日(火)10:30〜12:00
場所:あくろす2Fはばたき右奥
参加費:無料
いままで言われてきた原発の安全性ってホントだったの?大阪のオバちゃんの軽妙な会話から原発の真実が暴かれます。

野川の水生生物調査
日時:10月5日(土)9:40〜11:30
集合:都営調布佐須町アパート児童遊園
参加費:無料
主催:身近な川を見守る会
(池辺 03‐3326‐7522)
野川に棲む小さな水生生物を採集して観察します。 

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