2004年10月8日
森ヶ崎下水処理場・・・ 
 
〜都が建設費の分担金を請求・・・調布市分は19億8000万円〜

◇昨年10月、東京都は、当初調布基地跡地に建設を予定していた野川下水処理場の計画を凍結したことに伴い、「森ヶ崎水再生センター(森ヶ崎下水処理場)」建設費の分担金を調布・三鷹・府中・小金井・狛江の六市に要求してきました。10・4(月)の議員視察は、この負担について議会として判断するためのものです。
 
◇2004年から「水再生センター」と名称を変えた森ヶ崎処理場は、多摩川の河口、大田区にあり、世田谷・大田・品川・目黒の4区と野川処理区と言われる調布を含む多摩6市にまたがる地域の下水を処理している、日本最大の下水処理場です。

◇施設の処理能力は、一日154万トン、現在の実処理量は一日118万トン。このうち、約20万トンが野川処理区の分で、その半分が調布市分。調布市の下水の約9割が処理されています。東西に分かれた4ヘクタールあまりの広大な施設で下水を処理し、東京湾に放流しています。出てくる汚泥処理は、南部スラッジプラントでリサイクルしています。

◇野川処理区は、当初調布基地跡地に52万トン規模の(仮称)野川下水処理場を建設する予定でした。それまで暫定的に森ヶ崎処理場で処理するということだったのですが、森ヶ崎処理場の能力に余裕があり、野川下水処理場を建設する必要がなくなったとして、東京都下水道局は、野川下水処理場の事業化凍結を決定しました。

◆今回の問題は、それに伴って森ヶ崎処理場の建設費を野川処理区の6市に求めてきたことです。これまで野川処理区の各市は下水処理のランニングコストは負担してきましたが、(※ほかに6億円余りを調布市域外-調布市境から成城まで-の下水幹線の建設費用として支払い済み)

施設建設費にあたる費用は負担していなかったとして、下水処理場とスラッジプラントの建設費6,390億円のうち、処理量で按分した1,300億円のうち国庫補助金などを除いた約40億円の負担を6市に要求しています。

◆調布市の負担分はこのうち約半分の19億8千万円余りです。市としては、新たに下水処理場を建設するとなると100億円以上の負担が予想されることから、今回の負担金については支払う方向です。

◆ただし、それならば将来的にも新処理場の建設はないという保証が必要です。質疑応答のなかで、私は下水処理の将来像を表す流域総合計画の見直し作業が遅れていることを指摘し、いつ計画が決定されるのか質問しました。

 答えは、「概ね3年かけて決定する」というものでしたが、少なくとも流域総合計画の中から「野川下水処理場建設」がなくなるまでは、今回示された負担額は支払うべきではない、と私は考えています。

◇→都議会でも、生活者ネット都議団の大河原雅子議員が同様な質疑をしましたが、流総計画は流域全体の大きな数字で野川下水処理場(仮称)のような小さな数字の具体的な計画は載らないとして都は明らかにしませんでした。

◆大きな数字は、その小さな数字の積み重ね、積算によるものであるはずです。流総計画の元になっているデータを明らかにしない(情報公開しない)ままでは、安心してこの負担額を払うことは出来ません。

◆現実にはダム計画とリンクしている処理場計画は、水需要予想が大幅に減少し水余りが明らかになった今、凍結から計画廃止へと踏み切るべきです。