2004年2月16日
新たなダムは必要か!?・・調布の飲み水・水道への影響は?
〜八ッ場(やんば)ダムに当初計画の2倍、4600億円!!〜
■将来水需要は横ばい・減少傾向なのに・・〜
田中長野県知事の「脱ダム宣言」など、幾多のダム建設計画が中止される中、八ッ場ダム(群馬県)だけは、地域住民や市民の反対運動にも関わらず、強行されようとしています。
昭和20年代から始まったダム計画は本体工事に着手できないまま、50年以上の歳月が過ぎています。しかし、昨年12月の都議会では、事業費を当初の2倍以上の4,600億円に変更する案が、自民・公明の賛成で可決されました。ムダな公共事業を見直す動きに逆行しています。
■2月7日、小平の市民団体が開いた集会「今、八ッ場ダムは必要か!?」に参加しました。集会では、東京都の保有水源日量は623万トン、平均給水実績458万トンに対して150万トン以上もの水余り状態であること、治水面からもダムよりも森林の保水力の方が有効であることが報告されました。現在財政難の東京都が1,300億円もの投資をする意味は全く見出せません。
■さらに、調布市など多摩地域で地下水を水道水源としている地域にとっては、八ッ場ダムができることで地下水を飲めなくなるという危険性が指摘されました。東京都は、地下水は「不安定水源」として正式な水源と認めず、都の保有水源量に日量40万トンの地下水源はカウントされていないのです。八ッ場ダムの建設は、水道水源を全面的に河川水に転換するための理由付けに利用される可能性は十分にあります。
■調布市は、東京都に水道事業を一元化するに当たって、「地下水をできる限り活用する」という覚書を東京都水道局と交わしています。これは、安全でおいしい地下水を飲みつづけていきたいという調布市民の思い・地下水を守るための長年の運動の成果です。また、行政や一般の事業者においても、地下水を飲料水としているからこそ、地下水の涵養や土壌の安全対策など環境全般に配慮する対策をとっているのです。
都は「地下水を水道水源としてきちんと位置付けること」が不可欠です。そして都市の貴重な水源を守り保全するための「地下水保全条例」の制定も緊急の課題です。
調布市民の誇り、「おいしい調布の地下水」を守るためにも、ムダな「八ッ場ダム建設」には反対していきましよう。