松川温泉 (まつかわおんせん)



 松川温泉は岩手山麓北方にたたずむ、静かな山のいで湯です。ここは岩手山の登山口にあたる所で、その昔は山小屋があるだけの素朴な温泉でしたが、今は3軒の旅館が営業しています。
 この松川温泉へは盛岡からバスに乗って2時間、冬期になると八幡平ロイヤルホテルでミニのボンネットバスに乗り換えます。ここから先の曲がりくねった山道を、レトロなマシンで雪の中を突っ走るのは、なかなか乙なものです。



  旅館は奥から「峡雲荘」「松川荘」「松楓荘」と並び、「松楓荘」だけ手前のバス停で降ろされます。バス停から旅館までは曲がりくねった山道を谷底へ降りて行くので、冬季の凍結時はスリップに要注意!
 松楓荘の特徴は、ざっくばらんな応対と湯治場の名残ゆかしき屋内、それにバラエティ溢れる温泉というところでしょうか。館主も給仕のおばちゃん達も親しみやすくて暖かい、人情味溢れる宿です。料理はイワナの刺身、山菜の煮物、虹鱒の味噌漬焼等の、素朴な山の幸のおもてなしでした。なお、部屋はどこに泊っても同じ料理です。

 

 松楓荘には3種類のお風呂があり、内湯・混浴露天風呂・洞窟風呂とあります。内湯は強烈な硫黄臭のする濃厚な白濁湯で、かなり熱めなお風呂です。床は玉砂利で深い浴槽、カランはないので大きな木桶からお湯を汲んで使います。露天風呂は川べりの見晴らしの良い混浴のお風呂で、やはり白濁した熱めの湯でした。夜はカップル達のハッテン場状態。



 吊り橋を渡って川沿いの桟道を進むと洞窟風呂があります。ここだけはさらっとした少し赤茶けた温泉で、混浴のお風呂です。浴槽と脱衣所が仕切られていないので、女性には入りづらいかもしれません。お湯はややぬるめのやわらかい肌触りでした。

 

 松川荘は露天風呂が2種類あり、広い混浴の露天風呂が有名です。峡雲荘は一番小奇麗な建物で、ホロホロ鳥の料理で知られています。混浴の露天風呂は、雪のせいか少しぬるめでした。



 温泉街にお店はありません。旅館のみです。お土産は旅館のロビーで売られていますが、その中で面白いのが木の石鹸「木鹸」です。輪切りされた天然木に石鹸成分を染み込ませた代物で、水に濡らすと泡がブクブクでてきます。
 最奥地に日本最初、世界でも4番目に古い「松川地熱発電所」があります。巨大な冷却塔からは、もうもうと蒸気がたなびき、大地のパワーを感じることができます。各旅館の暖房も、この地熱をパイプラインで供給してまかなっています。

 



 「松楓荘」
   
〒028-7302 岩手県岩手郡松尾村寄木1-41
   
電話番号 0195-78-2245
   
FAX番号 0195-78-3053