函館ハリストス正教会 (はこだてハリストスせいきょうかい) 重要文化財



 函館元町には、ごく狭いスペースの中に、カトリック・プロテスタント・ギリシャ正教・浄土真宗などの宗教寺院が立ち並ぶ、かなり異空間的な不思議な味わいの街並みを持っています。かの地で生を受けた作家亀井勝一郎も、「世界中の宗教が私の家を中心に集まっているようなものだから・・・」と記述しており、夕暮れ時のミステリアスな趣は、ちょっと他では見られない光景です。その中心にあって一際異彩を放つ建物として、この函館ハリストス正教会があります。日本で最も古いギリシャ正教の教会で、ハリストスとはギリシャ正教で救世主イエス・キリストのことを指します。

 

 建立の由来として、1860年(万延元年)にロシア領事館の附属聖堂として建てられ、1872年(明治5年)ロシア司祭ニコライによりギリシャ正教会聖堂となりましたが、当時多発した火事により焼失し、1916年(大正5年)に現在の聖堂が建造されました。聖堂の基礎は石積みで、壁は赤煉瓦3枚(一部4枚)積みをセメントモルタル塗りにし、さらに白漆喰で仕上げたものです。外観はロシア風ピザンチン様式で、1983年(昭和58年)に国の重要文化財に指定されました。

  

 ひときわ目立つ鐘楼部分には大小6つの鐘がおかれ、礼拝前の鐘の音から地元では「ガンガン寺」と呼ばれて親しまれています。またこの鐘の音により、1996年(平成8年)環境庁による「日本の音風景百選」に認定されました。

 



 「函館ハリストス正教会」
   〒040-0054 北海道函館市元町3-13
   電話番号 0138-23-7387
   入館時間 月〜金 AM10:00〜PM5:00
          土 AM10:00〜PM4:00
          日 PM1:00〜PM4:00
   休館日 無休