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テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する
特別措置法に基づく補給支援活動に関する実施計画

平成20年1月16日
  1. 基本方針
     平成13年9月11日に米国において発生したテロリストによる攻撃は、米国のみならず人類全体に対する卑劣かつ許しがたい行為である。このテロ攻撃による脅威はいまだ除去されておらず、国際社会による「テロとの闘い」は継続している。「テロとの闘い」は、我が国を含む世界全体が連帯して取り組まなければならない国際社会の最重要課題の一つである。
     我が国は、平成19年11月1日まで約6年間にわたり、旧平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法(平成13年法律第113号)に基づく対応措置を実施してきたところであるが、「テロとの闘い」には持続的な国際的努力が必要であり、我が国としても、これを自らの問題と認識した上で、国際的なテロリズムの防止及び根絶のための国際社会の取組に引き続き積極的かつ主体的に寄与していくことが重要である。
     このため、我が国は、テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法(平成20年法律第1号。以下「法」という。)に基づき、テロ対策海上阻止活動を行う諸外国の軍隊等に対して、以下のとおり、補給支援活動を実施することとする。

  2. 補給支援活動を実施する区域の指定に関する事項
     防衛大臣は、補給支援活動を実施する区域を公海(インド洋(ペルシャ湾を含む。以下同じ。)及び我が国の領域とインド洋との間の航行に際して通過する海域に限り、海洋法に関する国際連合条約に規定する排他的経済水域を含む。)及びその上空並びに外国(インド洋又はその沿岸に所在する国及び我が国の領域とこれらの国との間の航行に際して寄港する地が所在する国に限る。)の領域に指定するに当たっては、当該活動が、現に戦闘行為が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域において実施されるよう、また、当該活動の安全が確保されるよう、諸外国の活動の全般的状況、現地の治安状況等を十分に考慮するものとする。

  3. 補給支援活動を外国の領域で実施する自衛隊の部隊等の規模及び構成並びに装備並びに派遣期間
    1. (1)規模及び構成
       補給支援活動を補給艦及び護衛艦により行うための海上自衛隊の部隊(人員500名以内。ただし、部隊の交替を行う場合は1000名以内)
    2. (2)装備
      1. ア 艦船
         補給艦1隻及び護衛艦1隻(ただし、部隊の交替を行う場合は補給艦2隻以内及び護衛艦2隻以内)
      2. イ その他
         自衛隊員の健康及び安全の確保並びに補給支援活動に必要な装備(アに掲げるものを除く。)
    3. (3)派遣期間
       平成20年1月16日から平成20年6月30日までの間
  4. 自衛隊によるその事務又は事業の用に供し又は供していた物品以外の物品の調達及び諸外国の軍隊等への譲与の実施に係る重要事項
     補給支援活動として艦船及び艦船に搭載する回転翼航空機の燃料油並びに水の補給を行うため、政府は、当該燃料油等を調達し、法の趣旨を踏まえて、これを諸外国の軍隊等に譲与することとする。

  5. 補給支援活動の実施のための関係行政機関の連絡調整に関する事項
     補給支援活動を効果的に推進するため、内閣官房を中心に、関係行政機関の緊密な連絡調整を図るものとする。

  6. その他補給支援活動の実施に関する重要事項
    1. (1)関係行政機関は、その所掌事務の遂行を通じて得られた、自衛隊の部隊等が補給支援活動を実施する地域及びその周辺における諸外国の活動の全般的状況、現地の治安状況等に関する情報その他の補給支援活動の実施に必要な情報に関し、相互に緊密に連絡をとるものとする。
    2. (2)関係行政機関の長は、防衛大臣から、自衛隊の部隊等が補給支援活動を実施するために必要な技術、能力等を有する職員の派遣、所管に属する物品の管理換その他の協力の要請があったときは、その所掌事務に支障を生じない限度において協力を行うものとする。
    3. (3)外務大臣の指定する在外公館長は、外務大臣の命を受け、補給支援活動の実施のため必要な協力を行うものとする。