LCAC基地建設反対に関する申し入れ
LCAC基地建設関連予算が、二〇〇一年度政府予算案の中に一億七千三百万円計上されています。環境影響調査費用などとされています。新基地建設に向けて政府は強引につきすすもうとしています。しかし、基地建設を容認したとされる町議会でもその差はほんのわずかでした。反対議員も少なくなく、町民の中では多数の反対派住民がおられるのも厳然たる事実です。町の将来に大きな影響をもたらす米軍の最新鋭基地建設という重大課題について「十分な町民の合意形成」がなされたという状況ではけっしてありません。アメリカいいなりの日本政府のこうした強硬な進め方は民主主義とおよそかけはなれたもので、きびしく批判されなくてはなりません。そこにはアメリカへの忠誠はあっても、西海町という自治体とそこの主人公であるべき町民への思いは微塵も感じられません。町長は、今一度建設が未着工の現時点で町民の真意をくみとる作業をおこなうなど、慎重に対応されるべきではないでしょうか。 沖縄県議会、那覇市議会、名護市議会などは、全会派一致で「海兵隊削減」決議を採択し、沖縄での新基地建設計画もまだなお予断を許さない事態を迎えようとしています。沖縄・新基地は海兵隊の基地であり、LCAC新基地もまた海兵隊に必要な基地です。その海兵隊を削減しようという沖縄県民の努力が続けられている中で、本土(佐世保・西海町)では、海兵隊強化の基地建設をはじめようとすることは、いったいどういうことでしょうか。事件・事故の被害など、沖縄県民の苦しみのおおもとに海兵隊の存在があることを体験しているだけに、自民党など安保賛成の人も含めて海兵隊削減の声が沖縄県であがったのです。こうしたなかでの海兵隊のための基地建設促進は、「他人の痛み」(沖縄県民の苦しみ)を理解しようとしない態度ではないのでしょうか。そして今度は「他人の痛み」を固定化・拡大させるだけでなく、「自分の痛み」(西海町民の苦しみ)をもちこもうとしているのが、現状の西海町におけるLCAC新基地建設問題ではないのでしょうか。 また一方では諫早湾干拓事業が、広大な有明海全体に深刻な影響をもたらしているという事態が、現在明らかになりつつあります。国の環境影響調査なるものが、実にいいかげんなものであるのか、その結果犠牲を受けるのは周辺住民だけであるということもあらためて教えてくれました。LCAC新基地建設でもどんな重大な事件(沖縄の実態)・環境破壊をひきおこすことになるのかわからないというのが、多くの住民の率直な不安ではないでしょうか。いったいどういう内容の環境影響調査をやるというのでしょうか。その情報公開も徹底して行われるべきではないでしょうか。 もうひとつの不安はLCAC訓練が激化して、被害が拡大するのではという問題です。町長は「米軍の現地協定を締結するから大丈夫だ」といい、協定書締結が米軍から拒否されると今度は「協定書ではないが、同じような文書をもらうから」といってきました。その「文書」も昨年末には町長に届いたというのに、議会にも町民にも公表しようとしていません。ただちに文書公開を行うべきではないでしょうか。こういう新しい段階のもとで、以下三項目について強く要望いたします。 要望事項
西海町長 山下純一郎 様 |
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