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佐世保ドライドック地区施設番号5030に於ける在日米軍提供施設の日本政府との返還使用協定
 本協定は、昭和43年8月13日米海軍佐世保基地指令部に於いて、正当に認可された在日米軍代表(以下USFJと称する)と、日本政府関係官庁の正当に認可された代表(以下GOJと称する)との間で、ここに掲げられるそれぞれの署名を行い締結した。
 佐世保重工業株式会社は、第3ドック返還後の主たる使用者となり、以下(SSK)と称する。

 日本政府は、在日米軍に、アメリカ合衆国と、日本国との間の相互協力、及び、安全保障条約第6条による、地位協定第2条に基づいて、下記の特定施設及び区域の使用を許可したので、
※施設番号    名称
5029−−−−−佐世保港水域
5030−−−−−佐世保ドライドック地区
 また、日本政府は施設安全委員会覚書S.38.11.13付FSJG-86-400-SN/CY 件名:佐世保ドライドック地区 施設番号5030内の第3ドック返還申請によって、若干の条件付拡張、改修を目的とする第3ドックの返還を申請したので、

 また、在日米軍は、S.43.3.27付合同委員会覚書第568号 件名:佐世保ドライドック地区 施設番号5030内の第3ドック返還申請に対して、ここに記載し、且つ、図示する上記の在日米軍区域の部分的返還に合意したので、よって当事者間にある上記に指名する協定を考慮し、在日米軍は日本政府に第3ドックを返還し、日本政府は在日米軍に返還後の第3ドック、又は、その代替施設の優先使用(特恵使用)権を認める。

☆返還と、その後の在日米軍による使用は、下記の条件に基づいて行う。

1.返還とその後の第3ドックの拡張工事
(a)第3ドック返還の発効日は、SSKによる修理及び改修工事を完了した第2ドックを受け入れた直後とする。
(b)第3ドック返還後、日本政府は次の諸項を保証する。

  1. 拡張工事は、米軍に経費の負担をかけずに施行し、中断することなく継続すること。
  2. 拡張工事は、米軍による第2ドック使用に支障をを来す結果生じない方法で施行し、完了すること。

2.第3ドック返還後
(a)返還後、在日米軍は、実際の使用開始前、少なくとも7日の事前通知を条件とし、第3ドック又は、米軍が受け入れられる代替施設を、又は入渠を必要とする所要の維持、修理、その他の作業を行うため、下記の費用を含み、無料で優先使用を許可される。

  1. 原価償却費
  2. 諸説
  3. 保険料
    このような使用(優先使用)をする場合には、在日米軍は下記の諸費用を支払うものとする。
  4. 電力料、水道料、圧搾空気代、クレーン及び曳船料などの公益費
  5. ドック排水に消費する電力料、キール及びサイド盤木配置費、入出渠に要する人件費などの入出渠諸費

(b)在日米軍の特定の場合における使用要求を、適当な大きさ(最大限の)と、クレーン使用と、その他のユティリティを、佐世保基地シップリペアー付近にある他のドックによって処理出来れば、在日米軍は第3ドック使用に関する特典を行使するよりも、寧ろ当該入渠をその代替施設使用によって満足するものとする。
(c)受け入れられる第3ドックの代替施設とは、大きさと、その支持能力が同等であり(在日米軍の使用に十分であって、改良後の第3ドックよりも大きい必要はない。)シップリペーアーから適当な距離にあることをいう。
(d)在日米海軍司令官から、上述の代替施設について、事前承認を受けないで、改良後の第3ドック内で、船舶の建造、又は改造を行ってはならない。
 これは、明らかに在日米軍の要求を、緊急使用について明記した期眼内に、いずれのドライードックによっても満たすことが可能になるからである。
(e)第3ドック、又は、その代替施設は、地位協定第2条による臨時施設として提供され、その使用期間中、在日米軍に負担をかけないで地位協定の全ての一般条項を適用する。

3.ポンプ所の利用
(a)第1.2.3ドックは、第4ドックにある、SSK第2ポンプ所から排水する。
(b)在日米軍は、第1.2.3ドック排水のため、上記の第2ポンプ所の優先使用を保障される。
(c)佐世保米海軍基地関係者は、SSKのストライキ、又はその他の事由により、サービスが停止された場合、ドライドックのポンプ装置全般と、在日米軍に提供せられる全てのドックへの通行権と、運転の権利とを認められる。
(d)SSKは、1.2.3.4ドックと新ドックハウスとを結ぶ直通電話を、在日米軍に負担をかけないで取りつけるものとする。

4.改良後の第3ドックで、供給すべきクレーンサービスを含む、公益サービスの詳細。
 改良後の第3ドックは、最小限下記の公益サービス能力を有するものとする。
(a)上水道管  右舷側  本管150m/m
28m/m×65m/m
取り出し口    14ケ所へ開閉弁付
(b)海水ポンプ  右舷側に800T/毎時の海水ポンプ2台
(c)海水管    右舷側に500m/m本館  取出口2ケ所
(d)電力変圧器  右舷側  1460KVA 3相交流220V/440V
         左舷側  2050KVA 3相交流220V/440V
         船首側    20KVA  3相交流220V/440V
(海水ポンプ用)

(e)陸上電源接続個所  右舷側4ケ所
           左舷側6ケ所
(f)直流電力供給   110V220KWシリコン整流器2台

5.在日米軍は、添付書(1)に緑色で示す道路への爆発物、及び可然ぶつ輸送を含む、自由かつ無障害無制限通行を許される。

6.SSKは、在日米軍に経費の負担をかけないで添付書(1)に赤印で示す巾13メートルの出入口を在日米軍将校、諸機関々係者、従業員其の他が、その輸送機関と機器類を含めて米国政府の公用で当該地域へ出入するために、設けるものとする。

7.本協定は双方の合議によって変更することができる。
その変更書は番号順に本協定書に添付し、協定の一部とする。

8.本協定は、次の諸項によって廃止されるまで継続的に、有効である。
(a)日本政府が本協定の諸条件に従わず在日米軍から、廃止するとき。
(b)本協定署名者双方の同意があるとき。

以上の証拠として、両当事者は、ここに上記の年月日に本協定に調印した。

在日米軍代表
 米海軍佐世保基地司令官
R.E.OLIVER

日本政府代表
 佐世保防衛施設事務所長
内田 秋庫

佐世保重工業株式会社
 代表取締役社長
大木 直正