6月21日、日本平和委員会は、米軍による空母艦載機の地上模擬着艦訓練(FCLP)の移転がねらわれる、馬毛島(鹿児島県西之表市)の米軍基地化に反対するオンライン学習交流会を開催しました。「馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会」の協賛です。23都道府県(九州は全県)から70人余が参加し、地元の西之表市では、連絡会のメンバー約50人が集まり視聴しました(写真)。
連絡会の迫川浩英さんは馬毛島の基地化に反対する理由は4点に集約できると述べました。①米軍が恒久的に利用できるという前提条件が付いている、②FCLPによる深夜に及ぶ集中的な離発着訓練で生命とくらしが壊される、③かけがえのない自然と環境を守りたい、④ふるさとを戦争に利用されたくない。
続いて硫黄島でのFCLPの様子のビデオが流され、その凄まじさに愕然としました。
厚木基地を抱える神奈川県大和平和委員会の宮応勝幸さんは「1973年に横須賀に空母が来るとき、米国は母港は3年程度、新たな施設も訓練もないと言ったが全く守らない。基地は強化され、訓練はやりたい放題。基地化を許したら大変なことになる」と警鐘を鳴らしました。
岩国平和委員会の吉岡光則さんは「艦載機の騒音は内臓がひっくり返るような音。幼児がひきつけを起こしたり赤ちゃんが泣き続け何度も嘔吐した、鶏の生む卵が1/10になった」など生々しい被害の実態を報告しました。
ながさき平和委員会の冨塚明さんが「日米軍事一体化強化の下での馬毛島基地化問題」についてミニ講演。安保法制のもとで宮崎県の新田原と福岡県の築城の航空自衛隊機が米軍の爆撃機を防護し、この2つの基地が“米軍の緊急時代替基地”にされている。奄美駐屯地と熊本県の大矢野原演習場で中国を意識した日米共同訓練が行われたことなど、九州全域で日米軍事一体化がすすんでいる実態を示し、馬毛島での訓練も日米軍軍一体化を強める危険なものになると指摘。「馬毛島の米軍基地化を許さないために力を合わせよう」と呼びかけました。
参加者から寄せられた意見や感想:
「この基地が何のために必要なのか。人々を大量殺戮するための訓練を、ウソとごまかし、お金で住民を分断して進めようとしている。辺野古と同じ。」「馬毛島だけではなく、中種子町での日米共同訓練にも目を向ける必要があると思いました。」「各地の反基地闘争を、現地の方々の生の声で聞き、繋がる必要性を痛感しました。学習講義がとてもわかりやすく、納得しました。」「全国の米軍基地の実態を知ることができ、絶対に訓練を受け入れてはならないという思いを強めました。」
(2020年6月23日)