3月26日、水陸機動団の戦闘車両部隊(戦闘上陸大隊)が配備される陸上自衛隊崎辺分屯地(約13.4ヘクタール)が佐世保市崎辺町に開設されました。「地元との調整」が難航するなどして、当初の目標よりも1年遅れの開設となり、相浦駐屯地に暫定配備されていた約160人が今回移駐しました。内訳は、戦闘上陸大隊本部と本部管理中隊40人、戦闘上陸大隊第1中隊70人、水陸機動教育隊20人、水陸機動団後方支援大隊の小隊20人。(同第2中隊20人は大分県玖珠駐屯地に配備。)
隊庁舎や整備場、陸上訓練場などが建設され、これまでに8両の水陸両用強襲車(AAV7)が配備されました。今年度中に約30両が配備される予定です(最終的には玖珠駐屯地も含めて計52両)。訓練場にはAAV7の登坂訓練用と思われる小高い山が造成されていました。操縦シミュレーター施設や上陸訓練場などの整備も計画されています。
体育館で記念式典が行なわれた後、近隣住民の代表や報道陣に水陸両用強襲車の訓練の様子を公開されました。AAV7の蛇行走行や、高さ90センチのコンクリート壁を乗り越えたり、浸水がないか確認する入水点検槽(水深4.4メートル)の中を進むデモンストレーションが行われました。
海上訓練は上陸施設の整備や地元との調整が済んでいないため現在は行われません。陸上訓練は週に3回程度(1回は夜間)で、崎辺では実弾は用いず空砲を使った射撃訓練が行われるといいます。大規模な訓練は崎辺以外の演習場などで行うことになっていますがAAV7を運ぶには、今のところトレーラを使うしか手段がなく、狭い市道での安全確保が課題です。また海自輸送艦に搭載して訓練に向かう場合にも海自倉島岸壁までの陸上移動が必要となります。崎辺東側地区に計画されている、「ヘリ空母」や輸送艦が接岸する岸壁・桟橋の完成は28年度頃の予定。
(2019年3月27日)