核兵器禁止条約が国連で採択されてから1年となる7月7日、条約への日本政府の参加や条約の早期発効を求めて“Peace Wave 2018”が全国で取り組まれました。被爆地ナガサキでも平和祈念像前で、「ヒバクシャ国際署名」をすすめる長崎県民の会が主催して行われ、約80名が参加しました。
共同代表の田中重光さんがあいさつし、米国内で広がる核兵器禁止条約支持の動きを紹介しました。米国政府に草の根から禁止条約署名への圧力をかける全国規模の運動「NUCLEAR BAN. US」の運動は幅広く対象者も広がっている。全米1400の都市が参加する全米市長会議はトランプ政権に対し、核兵器禁止条約に対する態度を改め、同条約を支持するよう促す決議を全会一致で採択。首都ワシントン選出のエレノア・ノートン下院議員が禁止条約支持を表明。イタリア、英国でも核兵器禁止条約の国内討議をしていこうという動きもあります。
また県内のヒバクシャ国際署名は佐世保以外の20の首長が賛同し、現在27万3千数百の署名を集めることができたと述べました。米国の「核の傘」に固執している日本政府が態度を変えて条約に参加すれば他国に与える影響は大きいし、日本と米国の関係も変化する。戦力の放棄・不保持をうたった9条を持つ国として、日本政府が核兵器廃絶の先頭に立つよう世論と運動を広げていこうと訴えました。
中央連絡会のキャンペーンリーダーの林田光弘さんは、122か国の賛成した核兵器禁止条約が、現在59か国の署名、11か国の批准と「伸び悩んでいる」が、これまでの禁止条約も発効に時間がかかったり、条約が成立してから運動が広がったケースがほとんどだと指摘。核兵器廃絶はもはや夢物語ではなくなってきている。確実に発効させるためにはナガサキの声が不可欠。先日の米朝会談で朝鮮半島の非核化が約束されたが、残念ながら核の被害の面に関するやり取りはなかった。安全保障面から減らすのではなく、誰に対しても核兵器は使ってはいけないというのがヒバクシャの願い。私たちはヒバクシャの声を拡声器のように広げ、核兵器廃絶へ歩んでいこうと呼びかけました。
参加者は爆心地公園まで風船と七夕飾りを手にパレード。爆心地公園では願いを書いた短冊をつけた風船を空へ一斉に飛ばしました。
(2018年7月8日)