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攻められない国になるための9条

安倍9条改憲NO!ながさきアクション

 3月17日、「戦争への道をゆるさない!安倍9条改憲NO!ながさきアクション」が開かれ、約120人が参加しました。県九条の会事務局長の井田洋子さんが「安倍首相9条改正案がもたらすもの」 と題して講演しました。(以下概要)

 もともと政府の9条解釈は戦力なき自衛権だったが自衛隊が創設され、その整合性のために「自衛隊は必要最小限度の実力」と変えた。選挙で改憲勢力が2/3を取れなかったからだ。言い換えると当時の国民意思は9条2項を守ることだった。だから政府解釈は論理的に破綻している。多くの憲法学者がいまだに違憲と言うのはここだ。自衛隊の存在は違憲だが合法みたいな曖昧にならざるを得ない。自衛隊には世界有数の軍事費が注がれているのに戦力でないというのはおかしい。

 一方、9条2項は専守防衛/個別的自衛権という解釈になり、自衛隊の「実力」は日本を守るためにだけしか使えないという制限が生まれた。9条が自衛隊員を守ってきたとも言える。しかしその歯止めはだんだん崩されてきた。それでも「あくまでも米軍と一体にならない。日本を守るためにのみ武力を使う」ことは維持された。それを崩したのが安倍内閣の集団的自衛権容認の閣議決定と戦争法制である。自衛隊が憲法に違反しないという最初の解釈ですら疑義があるのに、これは論理的破綻も甚だしい。

そのでたらめさを放置したまま自衛隊を9条に付け加えて現状と何も変わらないというのは何の説明にもなっておらず、法論理的には零点で余計におかしくなる。もし解釈が正しいのであれば敢えて憲法に書く必要はない。自分たちの解釈に説得力がないと思っているから、書いて正当化したいのだろう。しかし2項を残すことでより矛盾が出てくる。

 9条加憲で自衛隊員の命が危険にさらされる可能性が高くなる。志願者減で徴兵制が検討されるかもしれない。軍事費の更なる増強に正当性が与えられ、しわ寄せは福祉や教育に来るだろう。国際社会からは世界の歴史的流れに背を向けている国だとしてますます信頼を失う。

 しかし9条に愛着がある人が、今の自衛隊を書くだけだから何も変わらないと賛成する危険性もある。「書き込むことで大きく変わる」ということを広げていく必要がある。森友文書改ざん問題で安倍退陣となっても今の自民党の姿勢は近い将来、憲法を変えたいという点では一致しているので、我々の活動は続けていかないといけない。9条は「正当防衛」の価値観を超えた存在。武力なき自衛権で信頼関係を作り、攻められないから大丈夫という国になろう。

 講演の後、参加者は各自でつくった「安倍改憲NO!」のデコレーションをつけてスタンディングや署名行動に取り組みました。

(2018年3月18日)