夜間航行訓練に向かうLCAC(2月1日 渕瀬栄子西海市議提供)
やはり、このような事態になってしまった。1月31日と2月1日、米軍は西海市に事前通告のないままLCACの夜間航行訓練を強行した。市が寄船地区に設置する騒音測定機の結果によると1月31日は4機が16時07分〜42分の間に出港し、日没(17:50)後の18時09分~41分に帰港。2月1日も4機が17時13分〜44分の間に出港し、日没後の18時24分~50分に帰港。帰港時の騒音は75.0〜78.7デシベル。
九州防衛局と西海市は「夜間、早朝に航行しないよう米軍と調整する」との協定を締結しているが、夜間訓練は昨年11、12月にも強行。その際は米軍は九州防衛局を通じて地元の西海市と佐世保市に事前に日程を伝えていた。
2月2日、西海市の杉澤泰彦市長と平野直幸市議会議長は、九州防衛局に抗議。抗議文は、「再び夜間航行訓練が実施され、それも事前に何等通告もなく唐突に強行されたことは、言語道断」であり、これは「協定書の内容をなし崩し的に運用と常態化につながるものであり」「改めて厳重に抗議する」と述べ、「二度と夜間航行訓練が実施されないよう調整すること」を求めている。また5日には米国大使館に抗議した。
今回、改めて米軍の横暴さがマスコミの取材に対する応答で浮き彫りになった。夜間訓練は「昼夜行われる作戦行動で、安全かつ効果的に運用するために必要」「日米地位協定では、LCACの運用に関して事前通知は義務づけられていない」、過去2度の事前通告について「九州防衛局は、米海軍が日本政府と情報交換をする際に答えたLCAC夜間運用の事前情報を防衛省から得ていたようだが、米海軍はこの情報を事前連絡とはしていない」等々。自らの論理を押し付け、被害を被る西海市民のことなど考えようともしていない。
あわせて、結局は米軍の代弁者でしかない防衛局の無能ぶりも明白になった。
そもそも西海市が基地建設を受け入れる最低条件が「夜間航行禁止」だったはず。それができないなら米軍には撤退してもらうしかない。
(2018年2月7日)