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法廷闘争で安保法制に違憲判断を!

安保法制違憲訴訟 第2陣提訴をめざす集会

 11月8日、安保法制違憲国賠訴訟・長崎第1陣の第1回口頭弁論が開かれ、訴状と答弁書の陳述のほか、原告らの裁判へかける思いなどを裁判所と被告国に伝えるため、原告代理人弁護士4名と原告2名の意見陳述も行いました。

 この日、報告集会に続いて第2陣提訴をめざす決起集会が開かれました。

 弁護士の吉田良尚さんが法廷の報告。この裁判は国賠法上の損害賠償請求事件。違憲の安保法制によって原告の平和的生存権、人格権、憲法改正決定権が侵害され、法的利益が侵害されていることを主張。国側は安保法制について争点と関係ないと「無視」し、合憲とも言わない。そして国賠法上の違法性はなく、原告に権利・法的利益が認められないし、平和的生存権は抽象的だと主張。裁判所が「違憲判断」するハードルは高いが、支える市民の思い・支持があれば踏み出せると、支援を訴えました。

 弁護士の伊藤真さんは訴訟の3つの目的を指摘しました。①裁判官から想像力・共感力を引き出して具体的な被害の救済をさせる。②憲法を取り戻す。裁判所は国会と違う判断ができる。それは司法の存在意義であり、責務。内閣法制局が機能しない中で役割は重要になった。③市民運動との連携。訴訟と市民運動が車の両輪になり、憲法改悪を阻止する国民の力をつくっていく。
 また伊藤さんは「これだけあからさまな憲法無視の政権はなかった。前代未聞の事態。私たちも前例のないたたかいを必死に展開しよう」と呼びかけました。

 弁護士の寺井一弘さんは、以前は安保法制が憲法違反という声が6割だったが、共同通信の配信記事では28%にまで下がったことを指摘しました。ヒトラーが『我が闘争』の中で述べているように、「国民は理解力は小さいが忘却力は大きい」。忘却力と真正面から向かい合うことが必要。
 また寺井さんは、安倍首相はニセの情報を流しごまかしていると指摘。オリンピックを利用して国威発揚をめざしていくだろう。一部の人たちの運動ではダメ。ウィングを広げて与野党を超えた超党派にすれば勝てる可能性が出てくると訴えました。

(2016年11月9日)