5月20日、ながさき市民連合の主催で「市民がつくる、政治をつくる。ながさきクロストーク」が開かれ、約500人が参加しました。
パネリストは山口二郎(立憲デモクラシーの会)、元山仁士郎(SEALDs)、西岡秀子(野党共同候補)、古豊史子(女の平和)、國貞貴大(N-DOVE)の5人。憲法と安保法制、安倍政権の経済政策、市民が動かす政治の3テーマについて、山口さんのミニレクチャーを交えながら議論を交わしました。
【憲法と安保法制】
60年安保闘争で岸内閣は国民の反対の前に退陣を余儀なくされ、戦後の憲法体制が確立した。これへの復讐を安倍晋三は企てている。根底にあるのは劣等感—安倍と取り巻きたちは銃を撃たせたいができない、外務省は軍事力がないから外交力がないと思っている。たとえ多数派であっても上位のルールに従わなくてはいけないという立憲主義の基本的原理を崩し、日本が築き上げてきた議会政治を根底から覆そうとしている。
しかし安倍政権の暴走が逆に国民の憲法擁護の気持ちを呼び覚ませてくれた。政治が具体的に、身近なものに思えるようになった。自分たちが多数派だという自信を持って安倍政権に立ち向かおう。
【安倍政権の経済政策】
明らかな失敗。円安で企業は儲かっているが国民生活には回ってこない。消費は減り、実質賃金はがた落ち。非正規労働者増、子どもの貧困化の進行、社会保障によっても貧困が減らない。また三菱、東芝、シャープ……ルール無視の日本の企業の病も政治同様に深刻。
アベノミクスの恩恵など感じられない。若者が社会に合わせないと生きていけない時代。社会のしわ寄せが声をあげられない弱者に集中している。目新しいフレーズが踊っているが、改革せずに先送りする構図だ。本当の政治は国民の声を拾い実現することなのに政治家のための政治になっている。
【市民が動かす政治を】
安保法反対のたたかいを通して社会のレベルで民主主義が実現した。政治活動への敷居が下がり、SEALDsをはじめ、民主主義を支える市民が出現した。与党vs.国民の構図になりつつある。参議院の全一人区で野党共同が実現しそうだが課題は投票率を上げること。無関心層へのはたらきかけが重要。
まだ市民の中に「危機感」が広がっていないのも事実。日々の生活に追われ、政治不信もある。市民目線での選挙、候補者が市民の声を聞く場も重要になってくる。
(2016年5月21日)