12月17日、ながさき平和委員会は辺野古の新基地問題をテーマにした学習会を開きました。お話は、沖縄に14回訪問した川尻瑠美さん。スライドと動画を使って沖縄の現状と課題について語りました。
沖縄の凄惨な基地問題の経過を年表で説明し、沖縄本島の面積の18%、在日米軍の84%が沖縄に集中している現状を述べ、住宅地の真ん中にある「世界一危険な基地」として普天間基地を示しました。さらに、オスプレイ100機配備可能、敷地面積は普天間基地の5倍に相当するという辺野古基地計画の実態を話しました。その埋め立てに2,100万トンの土砂が必要で、五島からも土砂が運ばれると話しました。沖縄の島ぐるみの運動を紹介し、「『オール沖縄』のたたかいで、基地建設反対の民意がはっきりした」と強調しました。
キャンプシュワブゲート前座り込みの運動を紹介し、「いつまでこんなことを続けさせられるのか」という現地の思いを伝えました。ジュゴンアクションの報告を行ったことを話し、「ジュゴンアクションで寄せられたボードを持って行ったとき、長崎でやっている行動が本当に喜ばれている」という実感を語りました。
映画「標的の村」の舞台である高江についても紹介。24時間体制で座り込みを続けている現地の活動家の「覚悟」を感じたと話しました。
「イデオロギーよりアイデンティティー」という知事選の際のスローガンを紹介し、「私たち」のアイデンティティーは、「戦後70年続いた平和な日本」=「日本国憲法」だと述べました。
沖縄から学ぶこととして、他人事でなく「自分だったら」「自分の家族だったら」という想像力が必要だと語り、長崎でできることとして、(1)辺野古基金やカンパなどを広範囲に呼びかけ、財政的支援を行う(2)ジュゴンアクションや署名など、知ってもらう活動を継続的に行う(3)現地を訪問する(4)安保法制に反対の声を上げ続ける—の4点を強調。
意見交換では、「辺野古の基地を長崎港にあてはめたら、港が全部埋まってしまう。宣伝のときに必要な視覚的要素かも知れない」「埋め立ての土砂は、沖縄の海の生態系を壊す」「(安倍首相に付け入る隙を与えた)憲法を生かしきれてこなかった私たちの反省がある」「基地がなくなったらどんなにいいか、と想像力を働かせることが必要」などの意見が出されました。
(2015年12月18日)