長崎県が「国民保護」法の説明会
日米共同演習に自治体職員も参加へ

 4月18日、長崎県は県内自治体に対して「国民保護」法の説明会を行ないました。42自治体の防災担当者や6消防機関の職員が参加しました。

 政府は3月25日に「国民保護基本指針」を閣議決定し、都道府県に「当直等による24時間即応可能な体制の確保」を、市町村には「常備消防体制との連携を図りつつ当直等の強化」を義務づけました。

 すでに長崎県は05年度予算に1155万円を計上し、05年度中に「国民保護法に基づく国民保護計画の作成、避難施設、避難経路等の地図情報化」を行なうことになっています。各市町村はこの計画をたたき台に06年度までにそれぞれの「保護計画」の策定が義務づけられます。

 「国民保護」法は、想定しえない「有事」を、自然災害などの危険と同列視させることで、起こりうるかのように思わせ、アメリカの起こす戦争という「有事」への協力を自治体を通して住民に強制させるものです。「国民保護」は名ばかりでしかありません。

 陸上自衛隊は来年2月に熊本で行なわれる、コンピュータを使った「日米共同方面隊指揮所演習」に九州・沖縄8県の危機管理担当者らを参加させる方向で検討に入ったといいます(読売新聞4月3日付)。この演習は陸上自衛隊と米陸軍第1軍団(ワシントン州)、沖縄に駐留する米海兵隊との間の共同図上演習で、毎回6000人が参加しています。今回の演習は北部九州と長崎・対馬などが戦闘地域となる想定で、離島から住民を避難させたり、市街地で住民の移動を制限するような場面で、自治体担当者が演習に参加するといいます。

 共同演習は米軍の指揮下であり、自治体の参加は、米軍が自治体を直接指揮するということではないでしょうか。住民にとって最後の砦となるべき自治体を、戦争遂行のための機関に変えさせてはなりません。