○ながさき平和委員会 情報開示請求文書第2号
 開示までの経過


横瀬貯油所内におけるLCAC施設の
整備等に関する協定書

 FAC5039横瀬貯油所内に、LCAC施設を整備するに当たり、その設置及び運用に関し、西海町長(以下「甲」という。)と福岡防衛施設局長(以下「乙」とい う。)は、次のとおり協定を締結する。

 (基本事項)
第1条 甲は、防衛施設庁が西海町内横瀬貯油所にLCAC施設を整備することについて、これが国の防衛に関する重要な事業であるとの認識のもとに、同施設の設置、運用が及ぼす周辺地域への影響に対する配慮及び航行等の安全が確保され、更に地域振興の促進に寄与するとの判断から、乙の協力要請を受諾する。
 乙は、LCAC施設の設置及びLCACの運用に当たっては、前項の甲の意向を最大限尊重するものとする。

 (安全確保等)
第2条 乙は、LCAC施設の設置及びLCACの運用に際しては、航行等の安全を確保するとともに、エンジン試運転場の設置並びに上限速度(約20ノット)及び航路を設定すること等により、騒音や潮害等による環境への影響を最小限にするよう責任を持って米軍と調整するものとする。
 乙は、甲からの要求に基づき夜間、早朝の航行については行わないよう米軍と調整するものとする。
 乙は、西海町から前項に関する資料、情報等の提供を求められた場合には、速やかに対応するとともに、必要に応じ実測等の調査を行うものとする。
 乙は、運用開始後、治安に関することを含め住民の生活にかかる問題が生じる恐れがある場合又は、生じた場合には、米軍に対しその問題を解決するための協議等を申 し入れるとともに、LCACの運用に伴い、潮害等の具体的な被害が発生した場合には適切な補償等を行うものとする。
 事故防止のため、沿岸民間航路船舶を運営すると、乙は調整のための協議を行う。
 乙は、LCACの連用時に万一漁船等との事故が発生した場合には、事故の内容に則し、円滑な処理を行うよう責任をもって対応するものとする。

 (周辺の生活環境の整備等)
第3条 乙は、「防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律」(以下「環境整備法」という。)に基づくしCAC施設周辺の生活環境の整備について、甲から具体的な計画が出された場合には、弾力的かつ誠意をもってその実現に努め、もって町の発展及び町民の福祉の向上に寄与するものとする。
 乙は、LCAC施設が設置・運用された後において、エンジンテスト及び海上航行等が行われることによりr環境整備法」第9条第1項に規定する要件が満たされた場合には、速やかに西海町を特定防衛施設関連市町村に指定するものとする。
 乙は、LCAC施設の水源を確保するに当たって、遊水池の設置及び町水道の改善等により地元に影響を及ぼさないよう適切に措置するものとする。

 (運用隻数)
第4条 施設設置後のLCACの運用隻数は12艦とし、変更する場合、乙は甲と協議するものとする。

 (漁業補償)
第5条 乙は、LCAC施設の設置及びLCACの運用に当たり、佐世保海軍施設水域において漁業を営んでいる者が、漁業経営上こうむった損失については、適正に補償するものとする。

 (工事の実施)
第6条 乙は、LCAC施設の工事を実施するに当たり、安全確保及び環境保全に十分留意し、工法等を決定するとともに、万一当該工事実施中に被害等が発生した場合には適正に補償するものとする。
  また、工事の実施に伴い、必要となる道路等の整備については、適切に措置するものとする。

 (地域振興)
第7条 乙は、乙の発注する建設工事については、工事の規模内容等を勘案の上、地元業者を可能な限り活用するよう努めるものとする。
 乙は、横瀬貯油所において、米軍が日本人従業員を採用する場合には、地元から採用してほしい旨の町の要請を米側に伝えるものとする。

 (施設の縮小)
第8条 乙は、LCAC施設の整備に伴い必要となる埋立て及び陸地の造成につい て、周辺環境への影響を可能な限り軽減するために、当初計画から「埋立面積」及び「陸上の造成面積」それぞれ1ha以上、合計2ha以上を削減するものとする。

 (その他)
第9条 この協定に定めのない事項、この協定に関して生じた疑義又は、甲若しくは乙による協定変更の申し入れについては、甲乙協議するものとする。
 この協定の成立を証するため、本書2通を作成し、甲乙が署名押印の上、各自1通を保有するものとする。
 第2条(第1項のエンジン試運転場の設置及び第5項を除く。)及び第3条第1項については、協定締結後、直ちに適用するものとする。

平成12年1月26日

  甲:西海町長      山下純一郎

  乙:福岡防衛施設局長  小竹 秀雄