第44章 オールスターコーデ・プリ☆チャン
「わくわくするわ!」
「すごーい!」
歓声を浴びながらあみはランウェイを歩く。プリマジスタジオに出演する回数も残り少なくなったので、ステージ用に用意した「ゆうじょうのレインボージュエルコーデ」ではなく私服ミックスを着ている。どうせなら二つのコーデを着たい。この前の能登の地震の時に私服ミックスをした時、いくつか候補があった一つをここで再利用したのだった。
ステージを終えて楽屋に戻ると、れみが、
「先刻のランウェイのミックス、私も試していいですか?」
「もちろんいいよ」
「確かに、れみに似合うかも」
とみも太鼓判を押す。
「他にもいくつか考えたんだけどね」
「どれどれ。あ、これはあみに似合いそう!」
「こちらのものは、どちらかと言えばとみに似合そうです」
「えっ、どれ?かわいい!」
「確かに、かわいい系だと小柄なとみが一番威力を発揮できるかもね」
「いっそ、これで私服ライブしませんか?」
あみのランウェイ対策はこうしてチーム衣装と役割を変えたのだった。
私服ライブを終えてモニターを見ると、まつり達が新曲を披露している。
「あれ?この曲…」
「なんか、今までありがとうって、千秋楽のステージっぽくないですか?」
「わたし達もありがとうライブの締めはこれにすることになりそうだね…」
普段なら新曲だとわくわくして試すのだが、あみ達は解散が近いこともあり、なんとなくこの曲を試す気になれなかった。
あみは次の日、一人で昼食を食べに出た。ふとマクドナルドを見ると
「ゴジラバーガー?」
まぁ、ゴジラの肉ではないことは判るのだが。
「ふむふむ。ゴジラっぽいバンズということか…セットで800円超えるなら、一つだけにしておくかな」
あみはメニューの一番上の肉厚ビーフとポテトを選んだ。辛いものが苦手なあみはチキンのマスタード&オニオンはラドンの肉でもない限り選択肢に入らない。てりたまは普通のものを食べたことがあるので、事実上一択だったのだが。
「おお、このバーガー、ゴジラだけあって、ボリュームある!1個でも大丈夫だわ」
あみはそれを食べながらふと思い出した。
「イリュージョンで寝てるだけのやつ、目覚めるバージョンがあるのに、記録に残した録画に全然無かった気がする」
あみは昼食を終えるとさっそくワンダーランドコーデで目覚めイリュージョンに挑戦した。
無事イリュージョンを発生させて楽屋に戻ると、みか♪さんがいた。彼女はフレカを整理しているようだ。
「こんにちは。フレカの整理ですか?」
「まだ出てない柄はないかなと」
「そういえば、わたしはこの前はにたんと一緒のフレカが出て、一番のお気に入りかな」
「この前、フレカをボードに入れてたら、いっぱい持って行っちゃう人がいて…」
「そうなんだ」
「色々な人に届けたいんだけど」
「そういえば…」
あみはおいらんさんのことを思い出した。
「ボードにフレカ入れたら、デュオフレカ作って返してくれる人がいてね。そういう人なら何枚か渡してもいいかなって思ったりするけど」
「確かに、それはちょっと嬉しいかも!」
「じゃ、デュオフレカ作りませんか?」
「いいですね。最近、キャラメイクで髪色をツートンにしたりもするけど、どっちがいいかな?」
「ツートン初めてだからツートンでお願いします」
「じゃ、タントちゃん呼んできますね。コーデはハッピーデニムパープルでお揃いか色違い出来そうですか?」
「おそろいOKですよ」
また翌日。とらいあんぐる☆ARTは3人で集まった。
「あみ、マクドであみの好きそうなゴジラバーガーやってるよ!」
「うん。ポテトのやつ昨日食べたよ」
「あら、とみと今日はマクドかなって話してたんですけど、予定変えますか?」
「ううん、今日はてりたまにするからマクドで問題ないよ」
3人はテイクアウトでゴジラバーガーを買い、楽屋で食べることにした。
3人はそれぞれのゴジラバーガーを食べながら、今からのライブの話をした。
「いよいよキラキラプリ☆チャンワールドでなりきりライブだね」
「キラッとコーデ3種類、やっと揃いましたからね」
「なんとなく、れみはシークレットアリス、とみがスイートハニー、わたしがガールズエールかなって気がする」
「それでいいと思いますよ。センターはとみですね」
「メルティックスターのグループコーデもあるから、3人で着るのもアリかな」
「そういえば、いつの間にかジャンピングラビッツの白も揃ったね」
とみがそう言うと、
「黒、ありますよ」
ぜんいつさんが声をかけてきた。
「たまたま皆さんを見かけて挨拶をと思ったら、ちょうど話が出ていたもので」
「とみ、せっかくだからデュオをお願いしたら?」
「いいですか?」
「もちろん」
こうして、ぜんいつさんの協力でリングマリィを含めたなりきりライブ3連続をすることになったのだった。
解散後、れみもとみも用事があるらしく早々に帰ったため、あみはフラフラと噴水広場を歩いているとくれあさんに会った。
「あっ、こんにちは」
「どうしたんです?こんな所で?」
「うーん、今週の目標のプリ☆チャンライブをやっちゃったから、次何しようかなとか考えたり」
「もう一つの新曲は当然やっちゃってますよね」
「実は…なんか最終回っぽくて、まだやってないんですよね」
「まだ温存してるのも、ある意味すごいかも」
「練習兼ねて一度やってみようかな。シークレットアリスキラッとコーデだけまだ着てないし」
「協力しますよ。メンバーが集まればですが」
二人は楽屋に来た。見たことあるってレベルのプリマジスタは数人いる。
「えっと、あそこにいるのは一度一緒にライブした人かな?」
確か、あかりさん。あみが声をかけると、参加をOKしてくれた。と、一人のプリマジスタが、
「人集めですか?私でよければ」
と、参加してくれた。あと二人。あみはスタジオのひな段で見かけて、フレンド紹介で急に代打で出たことのあるプリマジスタ二人にエキストラで参加してもらうことにした。
逆に、あまり面識のないメンバーでやる方が、最後だとこみあげるものが少ないかもしれない。
急遽招集メンバーでライブをした後、協力してくれたプリマジスタにあみは礼を言った。進んで参加してくれたプリマジスタが、
「あみさんが私の友達とライブしてたの見たからね」
「えっ?誰だろ?」
「おいらんだよ」
「あっ、おいらんさんの知り合いだったんだ…」
「私はゆきおんな。楽しかったよ」
彼女はそう言うと帰って行ったのだが、すーっと消えるようにいなくなったのだった。
「本当に雪女みたいな人だったな…」
あみは思わずそうつぶやいた。
今回のフォト
今回のソロ・デュオ・チームユニット
あみ
あみ
あみ&れみ&とみ
れもん&あまね&あうる/みるき&まつり&ひな
あみ
あみ&みか♪さん
ぜんいつさん&とみ
あみ&とみ&れみ
れみ&あみ&とみ
クレアさん&あみ&あかりさん/ゆきおんなさん&エキストラさん2名
参考:今回のフレカ
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