外伝・それから Part7 卒業

「さて、みんな集まったね」
 あみはざっと見渡した。
 ゆうき、れみ、さなえ、みぃ、まどか、くみ。こっちの世界の仲間が揃っている。
「この前、向こうの世界でソルルに聞いたんだけど」
 あみが話を始めた。

 ゆみたちの世界は、あみがイルミナージュクイーンとなったため、世界を支えるプリズムの煌めきがあみの不在により弱まりつつあった。
 そのため、あみたちは一時的に向こうの世界でライブができるようになっていた。

 しかし、ゆみたちは自分たちの力でプリズムの煌めきを戻しつつあった。まいやかなの参入、企画ライブ、ゲストライブもこなし、次のクイーンカップでは新たなクイーンとなるのも夢ではない実力に育ちつつあった。

「だから、わたしがあの世界のプリズムの煌めきを支える必要は無くなったの」
「ということは…」
「わたしたちがあの世界に行けるのはあとわずかということ。そこで、ゆみと相談したんだけど」
「どうするの?」
「最後に、全員で向こうへ行って12人でライブしようってことにしたんだ」
「みぃは向こうの世界にもいるから、こっちのみぃは留守番にゃ」
「そっか、みぃはプリパラ内で向こうのメンバー何人かとは会ったけど、フォロチケがないんだよね…」
「向こうのみぃやゆみ、まみによろしく言っておいてほしいにゃ」
「また、向こうのプリパラを通して会うことってもうできないのかな?」
 ふと、さなえが思いついたように言う。
「でも、プリパラは今工事中で、なんでも、魔法のカードを使うアトラクションが新しく出来るらしいですよ」
 れみがその希望も叶いそうにない事実を告げる。
「とりあえず、世界の穴がつながっているうちにみんなで行こう」
「そうだね」
「行ってらっしゃいにゃ。気を付けてにゃ」

 みぃに見送られて、6人はプリチャン世界に飛んだ。

 その頃、プリチャン世界の宇宙。プリチャン衛星にて。
 めるが全宇宙へのプリチャン配信の設定作業をしていると、突然魔法のように猫っぽい少女が現れて、何かをしているのに気付いた。
「誰?」

 どこかから、
「みゃむ、何してるの?」
 と声がすると、その少女は声のする方へ、また魔法のように消えた。

 めるがその現場に行くと、配信先の機器をつなぐケーブルの一本が、空間にある謎の穴の中に繋がっている。
「まさか、あみあみ達の異世界へ配信している?」

 再び、あみ達が旅立った世界。みぃの背後で上がっていたパソコンに配信サイトのブックマークが突然1つ増えていた。
「プリ☆チャンライブ」

 まだ、みぃもそれには気づいていなかった…

 さて、プリチャン世界でもゆみたちが集まっていた。
「まみ、あい、かな、まい、みぃ。揃ったね」
「さて、向こうもそろそろ来る頃かな」
 ゆみ達の所にあみ達が現れた。
「12人揃うのは初めてだね」
「そうだね」
「あ、そうそう」
 ゆみが思い出したように言う。
「とうかさんって人から、ライブ大会のお誘いにOKしたお礼状来てたけど…」
 ゆみはきちんと事情を話さないと失礼になるから、伝言しようと聞いたのだが…
「あ、神奈川の大会ね。先週ゆうき、れみ連れて参加してきたよ。うちのゲストで見かけたコもいたし、アップされたら見てね」
「ああ、ちゃんと行けたんだ…」
「わちゃわちゃ会でとうかさんと写真撮って来たよ。ほら、この人」
「じゃ、やるべき事は済ましたんだね」
「うん。その動画まだ見てないくらいかな」
 実は、プリチャン衛星の事件で、後から見る事になるのだが…
「あ、ボクはさなえに言い忘れたことがあったな…」
 みぃがさなえに向き直る。
「愛の告白ですか?」
 茶化すれみを無視して、
「向こうのみぃによろしくと伝えてほしい」
「向こうのみぃも同じ事言ってたよ」
「さすがは異世界でも同一人物だね」

「じゃ、最初で最後の12人でのライブ、始めようか」
 全員、打ち合わせでは何も言ってなかったのにあみの作った会員証コーデを着ていた。
「あはは、みんな考える事は同じだね」

 そして、チーム全員のライブが終わった。

「そういえば、パシャリングステーションで、新しく6人で卒業写真のシチュできたよね」
「6人ずつ適当にシャッフルして最後に卒業写真撮らない?」
「いいね。アタシ、ピンクのかわいい制服コーデ持ってるよ」
 あいがコーデを出す。
「えっと…」
 くみが一瞬躊躇するが、
「お姉ちゃんも久しぶりに制服着ようね!」
 あみが問答無用で制服を着せる。

「じゃ、最後に記念写真、行くよ!」
「せーの!」
「わたし達のチームは今日で卒業だけど、永遠のズッ友だよ!」

<おしまい>


今回のライブシーン
                   
 
今まで本当にありがとうございました。
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