DIE ANOTHER DAY (2002年/主演:ピアース・ブロスナン)
 ダイ・アナザー・デイ


 オメガ シーマスタープロフェッショナル 2531.80




登場シーン解説

すっかり定番になったシーマスターだが今回はオープニングから登場。 ボンドはムーン大佐暗殺のためサーフィンで北朝鮮で侵入する。こういうときにダイバーズウォッチはなにかと安心である。 ヴァン・ビョークという武器商人になりすましたボンドはヘリで取引現場に向かう。ヘリの中でダイヤの入った ケースにC4プラスチック爆弾を仕掛けるシーンでシーマスターが登場する。

最初からこんなにはみ出してる 爆弾に挿したところ

今回も過去の作品と同じような感じで、時計の10時位置にあるヘリウムエスケープバルブの部分を引き抜いて、 プラスチック爆弾に挿すことで起爆装置(起爆剤)として機能する。

ベゼルを左に回すと爆発

『トゥモロー・ネバー・ダイ』の時は平面状のものだったが、今回は当初から爆弾に挿すことが 想定されていたのか棒状のものになっており、本来オメガマークがある部分に動作状態を示す赤いインジケータが付いている。

ピンチになったボンドはベゼルを回しダイヤ入りのケースを爆破させる。 C4爆弾を2つもセットしたわりには爆発の規模が小さいような気もするが、それ以前にダイヤの入ったトレイの下にC4と大きく書かれた 爆弾がそのまんま置かれているのに誰も気づかないのはなんとも奇妙。さらにダイヤ鑑定士(?)は周りで 爆発や銃撃が起こってるのに平然と鑑定している。それにしてももう少し小型でそれらしい爆弾セットにしておいてほしかった(笑)

さて中盤で“職場に復帰”したボンドは、Q(=前作でのR、ジョン・クリース)の研究室でQから さらりと時計を渡されている。「20個目だったかな」「壊さずに返してくれ」という先代Qからの伝統ある セリフを言われるのが興味深い。Qから直々に時計を手渡されるシーンはブロスナンになってからは初めてであり、 20個というからには、日頃から壊したり無くしたり敵に取られたりしているのであろう。 冒頭の起爆装置のシーマスターは、言うまでもなく北朝鮮で捕らえられた際に取り上げられているはずなので、 およそ14ヶ月ぶりぐらいに時計をつけることになる。当然のことながら香港で脱走してから直行したキューバでは 時計はつけていない。

前作に引き続き今回も2度目の見せ場がある。といってもすでに『ゴールデンアイ』でおなじみの機能、 レーザートーチだ。アイスランドの氷の宮殿ではボンドは出たり入ったりと結構忙しいのだが、 ここでは分厚い氷に穴を開け水中から内部に侵入するというシーンで活躍する。

ゴールデンアイ以来のシーン よく真円になるよなぁ

今回はヘリウムエスケープバルブをひねる(押す?)となんとリューズの先からレーザーが出る。 だがこのシーン、直前のベットルームのシーンでは左腕にしているはずなのだが。時計をはずすところを見ていると なぜか右腕につけている。当サイトにメールで頂いた情報を元に確認すると、 ボンドの髪の分け目や後方の車の配置などからみてどうもフィルムを裏焼きしたものらしい。 シーンのつなぎを考えて右から現れるように編集したのかもしれないので、わざとこうしたのだろうか。

その後グスタフ・グレーブス(トビー・スティーヴンス)に捕まったボンドは、二重スパイでもあった ミランダ・フロスト(ロザムンド・パイク)に時計を取り上げられてしまう。 オモチャをよこせ(Hand over the toys!)と言われて渡すところは、『ゴールデンアイ』の時にアレックとのやりとりを 彷彿させる。やはりMI6に出入りしていた人間はよーく分かっているようだ(笑) ただ指輪(超高周波リング)だけは見逃していたようで、ボンドはそれでガラスを割って窮地を脱出する。

その他、小ネタとしてはボンドがアイスドラッグスターで逃げるシーンで、グレーブスの部下、ヴラッドがタイムを計るのに 使っていたストップウォッチはオメガのものだ。あれだけ怪しげなハイテク装置を作っていながらデジタルでなく アナログ針のものを使っているのが面白い。

終盤には多くの人が「ボンドらしくない」として気になったシーンがある。 ボンドとジンクス(ハル・ベリー)が北朝鮮の基地に侵入する際、金網をシーマスターのレーザーで焼き切ってしまうかと 思いきや、ご丁寧にもペンチでパチパチ切っているのだ(笑)レーザーの光で察知されてしまうのを避けるためだったのだろうか。 ちなみにレーザートーチ機能付きの時計はフロストに没収されてはいるが、ここでもボンドはシーマスターを着用している。 ということは本作においては3つ目のシーマスターということであり、 3つもの時計を消費(!)するのはボンド映画史上初となる。ただ残念ながらその3つ目のシーマスターには活躍の機会が与えられなかった。



時計解説

これは40周年記念モデルで劇中ではレギュラーモデル。写真はTNDの頃の物のようだ。

本作も定番の2531.80が採用された。前作『ワールド・イズ・ノット・イナフ』では ボートチェイスのシーンを使い、テムズ河をシーマスターの文字盤に見立てたオメガのコマーシャルがあったが、 今回もアクションの目玉となるアストン・マーティンとジャガーの氷上対決のシーンを使ったコマーシャルフィルムが 作られており本編上映前に流れていた劇場もあった。

すっかり定番となったため特筆すべき点はないが、強いてあげるとすればパンフレットの解説文。

「本体の左上にあるバルブからヘリウムガスを注入することで機密性を高める」

って!!!どうやって注入するんだ!?(苦笑)

専門家ではないので簡単に説明すると、潜水艇などを使いヘリウム混合酸素による潜水を行う場合に、時計内部に入ったヘリウムが 気圧の変化でガラスを吹き飛ばしたりしないようにするためのもの。通常のダイビングやシュノーケリングなどでは まず使われることはないため、これに対応した機能を持つ時計はごく一部である。
このシーマスターに装備されているものはヘリウムエスケープバルブと言われるようにヘリウムを逃がすためのバルブ である。 ボンドのシーマスターがいつもバルブの部分をはずす仕様になっているのも、ほとんど必要がない部分という判断からであろう。

40周年ということで過去のシリーズを振り返ると、ほとんどの作品において、ボンドが水に濡れるシーンがある。 水の中に落ちたり、水中を泳いで移動したりとほとんどはアクションシーンであるが、 こうしてみるとダイバーズウォッチが選ばれるのは必然といえるだろう。



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