GOLDENEYE (1995年/主演:ピアース・ブロスナン)
 ゴールデンアイ


 オメガ シーマスタープロフェッショナル(クォーツ) 2541.80




登場シーン解説

最初に特殊機能が披露されるのは元006ことアレック・トレヴェルヤン(ショーン・ビーン)に列車内に閉じ込められた場面。 ここでシーマスターはレーザートーチとして床の鉄板を焼き切るのに使われる。この機能がなければボンドは爆死していただろう。あんな小さくて電源も小さいバッテリーしかないのにレーザートーチになるとは、恐るべしイギリス情報部(笑)

すごい機能 よく見ると時間が・・・

レーザーはベゼルの12時位置のマークの部分から出ているのが確認できるが、そこで文字盤を注意して見ていると最初は8時50分を指していたのに 次のカットでは7時50分をさしている!

このレーザートーチというのは、3代目ボンド、ロジャー・ムーアの『死ぬのは奴らだ』で登場した電動カッター(ノコギリ)内蔵 のサブマリーナを意識しているとも考えられる。でもこのレーザーで何かを切るって機能は番外編ボンド映画の『ネバーセイ・ネバーアゲイン』でショーン・コネリーも使っているし、 いろんな映画にも出てくるのであまり新鮮味はない。

もう1つの登場場面はヤヌスの基地で爆弾を遠隔操作で起爆させようとする場面。爆弾をセットし終えるとベゼルの12時位置の夜光部分が赤く点滅する。 残念ながらアレックに捕まり、時計を取られた際に解除されてしまった。ヘリウムエスケープバルブの部分がボタンになっているようでそれを押されてしまったのだ。 知ってて押したのかどうか分からないが、結局、最終的にボールペン型の4級手榴弾が同様の役割をする。よってここでは時計が活躍するシーンはなくなってしまった。これでは時計に仕掛けをつけた意味がないぞ。 006も侮れないという意味なのか。

しかしここではなかなか面白いシーンがある。アレックがボンドの所持品の時計をチェックする際、自分の時計と比べながら「最新型か」と言う。 面白いのはその時にアレックがつけている時計がボンドと同じものをただ黒いレザーストラップに変えただけのものということだ。 オマエも最新型じゃないか!

どっちも同じじゃん!

だが、さらに細かくチェックすると映画の冒頭(本編の9年前という設定なので1986年ぐらいか?)から間違っていることが分かる。 このときボンドがしている時計もスロー再生で見てみると、どう考えてもレザーストラップに変えただけの現行のシーマスターのように見える、というかほぼ確実だろう。

決定的瞬間!

アレックの手元が写らないのでなんともいえないが、SS(ステンレススチール)ケースに黒いストラップなので、この時点ではボンドとまったく同じ物をつけていると考えるのが妥当だろう。 86年(推測)だというのに93年に発売された時計をしているとは・・・。後にアレックが着けていた時計が006時代につけていた時計と同じ物だとすれば、イギリスを裏切ったにしては不可解だ。 愛着があったのだろうか。

ハッキリ写らないとはいえ、こういういい加減なところはなんとかしてもらいたい。スポンサーであるオメガが旧モデルを提供するぐらい簡単なことだと思う・・・。しっかりチェックしてほしいものだ。

さてレーザートーチとして機能する物と起爆装置として機能する物が劇中で同一のものであるかという点だがこれについては詳細不明だ。 ヤヌスの基地に乗り込む前にBMW Z3を運転しているシーンでもボンドはシーマスターを着けているが、これはレーザートーチ版で、 CIAのジャック・ウェイド(ジョー・ドン・ベイカー)がQから預かった荷物の中に起爆装置版が入っていたなんてことも想像できる。



時計解説



後の2作品(『トゥモロー・ネバー・ダイ』 『ワールド・イズ・ノット・イナフ』)が機械式(自動巻)モデルであるため、 この作品でも機械式のものだと思われがちだが、これはクォーツである。 機械式とクォーツの見分け方は、文字盤の下の部分にある表記が4行なのが機械式、“CHRONOMETER”表記のない3行だけのものがクォーツである。 これは劇中でもハッキリと見てとれる。時計に詳しい人ならわかるはずだが秒針の動きでも確認できる。1秒(1目盛り)ずつ運針するものはクォーツで、 なめらかに動いているのが機械式。

同モデルの表記だが、海外では「Seamaster Professional」、「Seamaster Professional Diver」と呼ばれるのに対し、 日本では雑誌などで「シーマスター・プロダイバーズ」と表記されることも多い。 300m防水なので「シーマスター300」とでも呼びたいところだが、これは過去に同名のモデルがあったため使われることはほとんどない。

なお国内海外を問わずクォーツモデルはボンドモデルと呼ばれること少なく、一般的にはこの後の2作品で採用される機械式モデルの2531.80のほうをボンドモデルということが多い。

本作品からボンドも5代目となり、ボンドカーもBMWと時計はオメガとタイアップしていくことになった。ボンド映画は撮影費用も莫大なものになるため、タイアップをはかり資金を提供してくれる会社 でなければならないようだ。当然、オメガもボンドとのタイアップを強調した広告を展開した。

広告ではボンド(ピアース・ブロスナン)がシーマスターをしているのがわかる写真とともに劇中ではクォーツにも関わらず “CHRONOMETER”表記のある機械式モデルの写真が載っていた。どうせ売るなら機械式のほうが高いからってことだろうか(笑)  日本で雑誌やパンフレットに載った広告には、これまたボンドのしているものとは違う、ミディアムサイズで機械式の2551.80を全面に押し出していた。 日本人にはレギュラーサイズは大きすぎるからだろうか?



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