「あのさ新沢」
「……」
「新沢ってば」
「………」
「ねえ、新沢」
「…マゼランは遠かった…」
「何を寝ぼけているのよあんたはっ!」
「げはあっ!」
「目が覚めた?」
「失礼なことを言うな。最初から寝てないぞ俺は」
「あたしが話しかけていたのを思いっきり無視してたじゃないのよ!」
「あれは無視じゃない」
「じゃあ何よ」
「放置という」
「同じことじゃないのよっっ!」
「げふうっ!?」
「…はぁ、何か馬鹿らしくなってきたわ…」
「全力でハイキックしてから言うことかそれは」
「それはあんたの自業自得よ」
「暑さで苛々しているように見えたから、少しジョークで寒くしてやろうと思っただ
けなのに」
「放置のどこがジョークなのよっ!」
「奉仕の方がよかったか?」
「…もういい、疲れた…」
「晴姫」
「何よ」
「練習前から疲れてどうする」
「あんたが疲れさせたんじゃないのよ!」
「……?」
「信じられないようなものを見るような目で見るな!」
「よし、冗談はここまでにしよう。さあ晴姫。練習開始だ」
「…いい。今日練習パス」
「なにぃっ!?ふざけるな!俺は今までお前をリラックスさせようと思ってこんなに
苦労したというのに!」
「リラックスどころか疲れちゃったわよ。完全に逆効果ね」
「しまった。やり過ぎたか。くそ、こんなことならもっと「つるぺた」を乱発すれば
良かった」
「誰がつるぺただ!」
「うわ復活しやがった!逃げる!」
「待て新沢!絶対殺す!」
「悔しかったら俺に追いついてみろ!」
「絶対追いつく!絶対殺す!」
「…あはは。今日はオミ先輩泳いで逃げてる」
「あれはあれでー、いいトレーニングー」
おしまい