○初めに

 このページは、プロの小説家である長森浩平氏の非公式ファンページです。
 氏の作品等を紹介しておりますが、全て本人の与り知らぬことですので、長森浩平氏本人、及び関係出版社へのお問い合わせは、ご遠慮願います。
 当ページの内容に関する質問などは、下記にお願い致します。

 Mail

 また、氏の作品を元にしたサイドストーリー小説や漫画、CG等は随時上記アドレスにて受け付けております。
 頂戴した物に関しては、当ページ内にて公開させていただきますので、我こそはと思われる方は、是非。
 あわせて、氏に関する情報も随時募集しております。
 耳より情報などありましたら、ご一報下さい。

○プロファイル

 長森浩平(ながもり こうへい)

 3月31日生まれ。
 90年代後半からゲームの二次創作小説作家、即ちSS書きとして研鑽の日々を送り、角川書店が公募している第九回スニーカー大賞にて優秀賞を受賞。
 2004年11月1日、『タイピングハイ! さみしがりやのイロハ』でプロ作家デビュー。

 見た目は、“性格が良さげで、物腰が柔らかそうな人”であるが、それはあくまで外見の話。
 他人をおちょくることにかけては天分の才を発揮し、また悪戯に関しての尽力を惜しまない。
 あまり雄弁な方ではないが、時折口にする言葉は妙に重みがあり、説得力があったりする。

 対人コミュニケーションの割合的には、ボケ3に対して、ツッコミ7で構成されていると思われる。

 好きなストーリーは、色んな意味での性格破綻者が登場する、とても病んだ話。
 もう、ドロドロと濃密な、陰惨で救いのない話を好むようである。
 あと、不条理ギャグとかにも食指が動くタイプ。

 好みのキャラとしては、いわゆる主役キャラではなく、どちらかと言えば個性的な脇役キャラクター。
 いわゆる、“毒のあるキャラ”に魅力を感じる傾向がある。
 また、女性のヘアスタイルに対するこだわりがあるらしく、ポニーテール、ツインテール、ウェービーヘアなどが好きらしい。

 ちなみに長森浩平というペンネームだが、本人は「神林長平氏と森岡浩之氏と上遠野浩平氏から字を頂戴して…」とか宣っている。
 しかしながらSS書きという過去から鑑みるに、『ONE 輝く季節へ』に登場したヒロイン長森瑞佳と、主人公折原浩平から取ったと見た方が的確であろう。

○執筆作品群

Type Like Talking

 第九回スニーカー大賞に応募し、優秀賞を受賞した作品。
 当初、ペンネームは葉鳴圭(はなり けい)だった。

 どのような話であったかは不明だが、審査員の一人、藤本ひとみ氏に「ドライな感性と、きっちりした主人公作り」との評価を貰い、受賞に至ったようである。
 作品自体は短編だったため加筆修正し、後日『タイピングハイ! さみしがりやのイロハ』として、発表される。
 その際、一緒にペンネームも変更した模様。

タイピングハイ! さみしがりやのイロハ

 デビュー作。初版は平成16年11月1日。角川書店より発売。
 挿絵は橘りうた氏。

【あらすじ】

 生徒会長から少女の捜索を依頼されたロム。
 その少女とは、入学式の朝に出会った不思議な女の子「縞ぱんちゃん」だった。
 縞ぱんちゃんを探し出す生徒会長の目的とは?
 High&Lowテンション学園ストーリー!

(角川書店のサイトから引用)

【メインキャスト】

 ロムルス・カルキ

 主人公。若いが凄腕のハッカー。
 神と呼ばれるハッカーからもたらされた情報により、学園へ不正入学する。
 他人のことを識別するのが苦手で、勝手なアダ名をつけて呼ぶ。

 ステンシア・ローズフィート

 ロムルスの同級生。名家のお嬢様。
 学園の生徒会に入るためロムルスに近づくものの、毎回いいようにあしらわれ、おちょくられる。
 そのヘアスタイルから、彼に「ウェービーさん」と呼ばれる。

 ニア・メルクーリ

 ロムルスの同級生。AIABと呼ばれる組織に所属している少女調査員。
 人懐っこい猫的な和み系キャラではあるが、時折鋭い一言を口にする時がある。
 任務として学園に入学してくる。
 特技は和み光線。

 縞ぱんちゃん

 学園への入学日にロムルスが出会った謎の少女。
 言葉を話す代わりに、歌のような旋律を口ずさむ。
 履いていた下着がストライプ模様のパンツだったため、彼から「縞ぱんちゃん」と呼ばれる。

 シン・ハヤテ

 ロムルスの古い友人。実家は『ハガクレ雑貨店』という店を営んでいる。
 人型ロボットに男のロマンを感じている。
 害のない人の良さそうな人間だが、彼の家族は雑貨屋の他に裏の副業を持っており、シンも時々その仕事を手伝う。

 天地イロハ

 学園の生徒会長。常にヘッドマウントディスプレイを眼前に装備している少女。
 ロムルスを生徒会へ誘ったり、アリエルと言う名の少女を捜すように依頼を出したりする。
 彼には「おかっぱ会長」と呼ばれる。かなりの美人らしい。

【簡易レビュー】

 橘りうた氏の描く、ほんわかと柔らかなキャラクターで彩られた表紙を見ると、萌え萌えー」な小説と思われがちだが、中身は割とハードなSFストーリー。

 前半は、まるでゲームのような学園コメディで進んでいくが、中盤から後半にかけての展開は早く、読む人間をグイグイと引き込む力がある。
 湯船に片足を突っ込んで、「やや温めの湯加減だなー」と感じ、一気に肩まで浸かったら、実は底の方が物凄く冷たくて驚いた、という感じであろうか?
 してやられたと、いい感じに裏切られた気分。

 各キャラが見事に立っているのもお見事だが、AIに対する独自哲学のような物までしっかりしており、感嘆を禁じ得ない。
 ストーリーも破綻することなく進んでいくが、本作では解消されていない伏線が幾つかあるので、それらをどう処理し、物語を紡いでゆくのか楽しみ。

タイピングハイ! ローズフィートの忘れ物

 角川書店発売のザ・スニーカー2004年12月号に掲載された、『タイピングハイ! さみしがりやのイロハ』のサイドストーリー。
 挿絵は本編と同じく、橘りうた氏。

【あらすじ】

 ウェービーさんの豪邸にやってきたロムを待っていたのは「四番目の穴の謎」そして「人の魂が宿った機械」!?
 どこかズレぎみ、High&Lowテンションストーリー!

(ザ・スニーカー2004年12月号より引用)

【メインキャスト】

 ロムルス・カルキ

 本編と同じく、主人公。
 今回も謎のパンツを巡って、ローズフィート家の執事と格闘勝負したり、メイドと謎掛け勝負したりと活躍。

 ステンシア・ローズフィート

 ロムルスの同級生。今回は完全に脇役。
 出番が殆どなし。
 しかし、今作で彼女の秘密が一部、明かされる

 メヌエット

 ローズフィート家のメイド。
 取り立てて奇異な様子もなく普通のメイドっぽいが、その実、ロムルスをおちょくるほどの機転を持った女性。

 シェリー

 ステンシアの死別した妹と同じ名前を持つ、ローズフィート家の犬。
 犬種は不明だが、イラストから判断するにゴールデン・レトリバーか?

 ドルフ

 ローズフィート家の執事。
 別名、執事戦士(バトラーバトラー)ドルフ。
 ローズフィート家の人間、特にステンシアを陰ながら支えてきた、筋金入りの人間。

【簡易レビュー】

 SS書き出身の本領発揮か、今回は日常の一コマを抜き出したような話。
 時間軸的には、ロムルス達が勉強会を始めた頃。
 本編では“縞ぱん”が登場するが、今回は四つの穴が開いた、謎のパンツから物語が膨らんでいく。

 新キャラとして、金持ちの家に付き物のメイドと執事が登場するが、彼らも相当なクセ者。
 一筋縄では行かない。
 特に執事とロムルスのやり取りは、上手い具合に笑いを誘う。

 後半、ステンシアと彼女の妹にまつわる部分では、若干読み手にも頭を使うことが求められるが、それを差し引いても、サイドストーリーとして程良く肩の力を抜 いて楽しめる。

 ちなみに、本編ではロムルスの一人称で書かれているが、今回は三人称に変更されている。
 作者の心変わりか、はたまたサイドストーリーとしての演出かは不明。

タイピングハイ!(2) いじっぱりのウェービー

 タイピングハイ・シリーズ文庫本第二作。初版は平成17年4月1日。角川書店より発売。
 挿絵は今回も橘りうた氏。

【あらすじ】

 ウェービーさんの人格が上書きされた!? しかもその新人格は、周囲の人間を無条件に屈服させる最強の女王様だった!
 以前のウェービーを助け出すために、ロムは文明を拒絶した都市・アンダーグラウンドへと向かう!!

(角川書店のサイトから引用)

【メインキャスト】

 ロムルス・カルキ

 本編の主人公。
 相変わらず人とは少し物の捉え方が違うが、それは今のロムルス・カルキという人間が、作られた疑似人格のせいであることが今作で明かされる。

 ステンシア・ローズフィート

 ロムルスの同級生。彼に一方的な好意を寄せている。
 今回、レムスと呼ばれる別人格を上書きされ、第三者を無条件に屈服させ、隷属させてしまう特殊能力を持たされる。

 ニア・メルクーリ

 ロムルスの同級生。
 他人の心を和ませ、闘争心をゼロにさせる特殊能力を持った猫っぽい少女。
 彼女は、人体実験で猫の精神と融合されてしまった過去を持つことが判明。

 シン・ハヤテ

 ロムルスの同級生。
 骨董品屋を営む忍者。
 今回もストーリーの裏側で、良くも悪くも色々と暗躍する。

 メイフェロス

 ロムルスとステンシアが1巻で誕生させたAI。
 現在は彼らが住むコロニーの管理システムに融合し、なにかと二人に便宜を図る。
 AIABはその存在を快く思ってないようであるものの、現在は静観中。

 ダリル・ローズフィート

 ステンシアの父親。
 どうやら目的のためには手段を選ばない人間のようで、今回、娘の体を使った人体実験を行う。

 メヌエット

 ステンシア専属のメイド。
 訳あって、彼女の亡くなった妹の人格を有している。
 わりとキツいツッコミを入れる。

 ドルフ

 ローズフィート家の執事戦士(バトラーバトラー)。
 ステンシア後援会一号会員。
 今回、メヌエットと共謀し、ステンシアを助けようとする。

 美里美里

 本来の生徒会長である天地イロハに代わり、生徒会を運営している会長代行。
 Windows用の某ソフトウェアと似た名前だが、関連はないと思われる。
 実は叱られマニア。

 マーガレット博士

 ニア、そして彼女の兄妹であるクチンを作りだした女性。
 シンとも繋がりがある模様。
 胸に過去、ニアによって付けられた醜い傷痕がある。

 クチン・メルクーリ

 過去の人体実験時、ニアと同じように猫の精神を融合させられた少年。
 聡明な少年であったが、力の行使が原因で最終的には人間としての心を失い、ニアによって命を絶たれる。

 マルス教授

 過去に百八人の子供達を集めて、感情を抜き出す人体実験をしていた。
 今のロムルス・カルキを作りだした張本人。
 現在は、孫娘ミーシャの中に意識と知識だけが存在している。

【簡易レビュー】

 本作が持つ魅力の一つとして、日常のギャグシーンと、非日常のシリアスシーンとのギャップが上げられるが、今作はあとがきから察するに難産だった模様で、ギ ャグ部分の盛り上がり方がやや不足気味。
 しかしその分シリアス要素が強いので、結果としてはバランスが取れていると思われる。
 なお、個人的にギャグ部分で一番長森浩平らしいと感じたのは、メヌエット、ドルフ、美里美里の三名がステンシアと話すシーン。
 ここに、花まるを差し上げたいと思います。

 前作はメイフェロスというAIの誕生が書かれていたが、今回はロムルス、ニアの二人を深く掘り下げる形に、ステンシアの人格上書き事件を絡めている。
 なかでもニアに関してはロムルス、ステンシア以上に事細かと書かれており、正直なところ、彼女こそが今作の主役ではないかとすら感じた。
 彼女の過去、特にクチンとの出会いと別れなど、本来ならば湿っぽい話なのではあるが、あえて情緒たっぷりに書かず淡々と記されている分、よりニアという少女の悲しみが表現出来ている。

 1巻では謎のハッカーとの扱いだった『レムス』の正体、ロムルスの持つ独特な対人認識方法の理由、ニアが持つ和ませ能力の秘密など、伏線の消化もきちんと行われており、また物語の根幹に関わる新たな登場人物と、次回以降への含みを持たせた終わらせ方など、読み手の想像力を膨らませ、楽しませてくれる。

 なお、書き方は一巻のロムルス一人称から、三人称へ変更した模様。
○関連グッズ

名刺

 レア度 ★★★★★

 恐らく、関係者しか持ってないであろう名刺。

販促チラシ(表)

販促チラシ(裏)

 レア度 ★★★★☆

『タイピングハイ!』一巻発売前、書店で無料配布していたチラシ。
 現状、入手は困難かも…。

タイピングハイ!(1)

 レア度 ★☆☆☆☆

タイピングハイ!(1)おまけ表紙

 レア度 ★★★★☆

『タイピングハイ!』一巻と、初版購入時におまけで貰えた書き下ろしの表紙。
 1巻はともかく、おまけの方は入手が難しいでしょう。

ザ・スニーカー2004年12月号(表紙)

ザ・スニーカー2004年12月号(中身)

 レア度 ★★★☆☆
『タイピングハイ! ローズフィートの忘れ物』が掲載されたザ・スニーカー2004年12月号。
 バックナンバーを当たれば、入手は可能かと…(2005/5月現在)。

タイピングハイ!(2)

 レア度 ★☆☆☆☆

『タイピングハイ!』二巻。
 今回、おまけ表紙はなし。

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