鳳 凰 山ほうおうざん
(地蔵岳2764m・観音岳2840m・薬師岳2780m)

登 山 日 2003.06.21
コ ー ス 青木鉱泉〜ドンドコ沢(登山道)〜南精進ヶ滝〜鳳凰ノ滝〜白糸ノ滝〜五色ヶ滝〜鳳凰小屋〜賽ノ河原〜地蔵岳(オベリスク)〜観音岳〜薬師岳〜中道(下山道)〜御座石〜青木鉱泉(入浴)
所要時間 11時間
天   候

 鳳凰山という山はなく、北から地蔵岳・観音岳・薬師岳の3つの山を、鳳凰三山と呼ぶ。この鳳凰三山を、ランニングで1日縦走しようと計画。予定していたルートは、車で南アルプス林道を広河原まで行き、そこからMTBで夜叉神峠まで引き返す。夜叉神登山口から薬師・観音・地蔵岳を縦走して白鳳峠から広河原に下山、車で帰る途中に夜叉神峠でMTBを回収するものだった。(予定行程時間:14時間)
 21日は、台風一過でいい天気だろうと楽しみにしていると、友人から連絡が入った。「南アルプス林道は、崩壊のために工事中で通行止めとのこと・・・」中止も考えたが、梅雨時には貴重な晴天。ルートを替えて、鳳凰山1日縦走を決行した。


青木鉱泉
駐車料金700円
入浴料1000円

五色ヶ滝

地蔵岳のオベリスク

観音岳から
アカヌケ沢ノ頭
その先が甲斐駒ケ岳

 登山口のある青木鉱泉には、韮崎市の国道20号線から林道に入り約40分、午前1時に到着した。駐車場には数台の車があり、金曜の夜だけあって皆車中泊である。5時に起床して、6時20分に青木鉱泉から、ドンドコ沢登山道を登り始めた。登山開始から1時間30分、熊笹の中を進み南精進ヶ滝に到着。このルートには、他に鳳凰ノ滝・白糸ノ滝・五色ヶ滝があって、滝見物をしながら登れて疲れを忘れさせてくれる。
 森林限界が近づくころ、鳳凰小屋が突然現れた。「その格好(ランニング姿)で4時間かかったんじゃ遅いよ!」と、髭の管理人さんが陽気に迎えてくれた。滝見物が過ぎたかと反省しつつ、ボトルを水で満タンにする。コースで、最後の水場である。管理人さんにお礼を言って、早々に出発。小屋のすぐ上の沢で、オベリスクを山頂に乗せた地蔵岳が初めて姿を現した。
 地蔵岳直下のザレの急登を慎重に上り、看板の前で記念撮影。賽ノ河原からオベリスクを目指す。巨岩の岩場をオベリスクの直下まで行くと、赤いザイルが「登ってもいいよ」と言わんばかりに垂れ下がっていた。しかし、15mを超える岩である。今回は、甲斐駒、千丈の素晴らしい景色をここから眺めただけで、勘弁してやろう。初めてこのオベリスクに登ったのは、南アルプスの名付親でもあるW・ウェストンで明治37年のこと。そして、これが日本で最初のザイルを使ったクライミングだという。
 賽ノ河原のお地蔵さんたちに一礼して、次のピークのアカヌケ沢ノ頭から観音岳へ向かう。雑誌などでは、明るい尾根と紹介されるが、今日の天気に花崗岩の白砂が照らされて眩しいくらいだった。


観音岳山頂から北岳




中道から
薬師岳を振り返る

 観音岳到着は、午後1時。北岳・間ノ岳・農鳥岳の白峰三山の景色を眺めながら、山頂で昼食を食べていると、パトロールの人から高山植物カードと簡易灰皿を貰った。そこでプロから伝授とばかりに、山歩きのコツなどを聞いたが、「最初の心拍の高さを、いかに維持できるかが山歩きのスピードを決める」ということで、マラソンと共通している感じがした。
 観音岳から薬師岳へは、約20分。相変わらず、白砂が眩しく光を反射している。薬師岳山頂には、下の南御室小屋泊まりの人が多いのか、たくさんの登山者がいた。
 ここからは、中道を通り下山することになる。途中の巨岩のところで振り返ると、薬師岳が見送ってくれていたが、このあたりから樹林に入り見通しが効かなくなった。パトロールの人も急登だと言ったが、この中道を登りに選ばないでよかったと思う。途中に御座石と呼ばれる大きな奇岩が1つあるだけで、あとは黙々と登り続けなければならない。山頂に着いたときの喜びは大きいかもしれないが、耐えられない気がした。長かった下りも終わり、小武川沿いの林道に変わる。もう少しで青木鉱泉というところで左折してしまい、危うくもう一度薬師岳に引き返すところだった(ロスタイム40分)。
 青木鉱泉でゆっくりと温泉につかり、6時30分に帰路に着いた。