両 神 山 りょうがみさん(1723m) No.65

登 山 日 2003.07.22
コ ー ス 日向大谷口(661m)〜会所(産泰尾根へ)〜八海山〜弘法の井戸〜清滝小屋(1287m)〜両神神社(1621m)〜両神山頂(1723m)〜両神神社〜産泰尾根・七滝沢分岐(七滝沢コースへ)〜会所〜日向大谷
所要時間 6時間
天   候
メンバー 単独


甲武信岳からの両神山

前日、秩父市内でトライアスロン仲間の練習会に参加して、その足で登山口がある両神村の日向大谷へ向かう。練習中に秩父側から見た両神山は、八丁尾根が屏風のように立ち塞がり、四角い山だった。


第1駐車場と茶犬

駐車場脇の登山口

梅雨のため天候が安定せず、村役場から谷間の道に入ると、バケツをひっくり返したような雨になった。民家が途切れ道が狭くなり、1匹の白い犬が濡れながら前方を行くのを見て、約2kmほどで日向大谷に到着。駐車場は、下の第3から第1まであり、民宿の両神山荘近くの公衆トイレ脇にも若干のスペースがある。

両神村営バスの折返し地点である、第1駐車場に車を止め眠った。夜、目が覚めて車外に出ると、空には満天の星が輝いていた。5時30分に起床し、湯を沸かし朝食の準備をしていると、茶色の犬が近づいてきたので、一緒に食事をとることにする。駐車場から登山口の階段を上がったのは6時30分、両神山荘の左側にある入山届けのポストのところから登山道が始まる。

前日に見かけた白い犬は両神山荘の飼い犬で、一緒に朝食をした茶色の犬と友達らしかった。2匹の犬に見送られて登山道に入ると、最初は起伏の少ない山腹の道を進んだ。会所にて産泰尾根と七滝沢コースに分岐し、「七滝沢コース(ベテラン向け)」の案内看板に惹かれたが、産泰尾根方向を目指して沢を渡った。

登山道には、石仏や石碑が点在していて、信仰の山であることを知らせる。登山道の傾斜が増して辛くなるころ、弘法の井戸に到着。水量の多い湧き水で喉を潤し、祀られる弘法大師の石像に手を合わせ先を急ぐ。程なく、清滝小屋に到着。小屋の主人は、白装束姿でサックスの練習中だったので、声を掛けずに通り過ぎた。


弘法の井戸手前の白藤の滝

両神山山頂

七滝沢の登山道

小屋の裏には、不動明王と両童子を祀り、近くには滝があった。修験者のためのものとわかると、主人の異様な姿も理解できる。そして、昨夕の雨で荒れた小屋上の登山道が、早朝にもかかわらす整備されているのが嬉かった。小屋の上で七滝沢コースと合流し、急斜面をジグザグに登り露岩の鎖を何本か越えると、産泰尾根上の両神神社である。

今度は、神社の狛犬に見送られて、尾根を西に向かう。尾根には奇妙なことに、南側に旧道(閉鎖)・北側に新道、2本の登山道が2〜3m離れて並行していた。家に帰ってから、大峠ルートを含めた白井差側からの登山道閉鎖も、原因は同じであると知ることになる。難しい問題だろうが、何百年も続いた信仰の道の復活を願ってやまない。

尾根の傾斜が強まって急登すると、ベンチが置かれた小ピークに出た。さらに、左側に大峠方面からの登山道跡を眺め、最後の岩場に掛かる鎖を登ると両神山(剣ヶ峰)の山頂だった。山頂で休憩と記念撮影をして、来た道を清滝小屋上の分岐まで引き返し、七滝沢コースを下山した。分岐の看板には、「白滝まで登山道が荒れているので慎重に!」とあったが、注意すれば問題なく下山することができた。

小屋の主人を見かけただけで、誰とも会うことのない登山だったが、下山すると両神山荘の白い犬が待っていてくれた。そして、茶色の犬は2km下の家の飼い犬と判明。毎日、会いに通っているようだった。次回があるなら、上落合橋から屏風のような八丁尾根を通り登ってみたいと思う。