常 念 岳 じょうねんだけ (2857m) No.56

登 山 日 2004.10.18
コ ー ス 三股駐車場(1280m)6:15〜三股(1350m)〜前常念岳(2662m)9:39〜常念岳(2857m)10:20〜蝶槍(2664m)13:57〜蝶ヶ岳(2677m)14:14/14:25〜まめうちだいら〜三股〜駐車場16:30
所要時間 10時15分
天   候
メンバー こっしー・ほけ百・私 (3名)

 '04秋の登山は、休日の月曜日になると秋雨前線の影響で天候が崩れて、那須や五竜・鹿島槍などへの計画を立てたがいずれも断念。山への欲求不満が募る中、この常念岳・蝶ヶ岳への登山は、晴天にあわせての久々の山行きとなった。前日、銚子トライアスロンの審判ボランティアの傍ら、天気予報をチェックして急きょ山行きを決定、メンバーに通知した。中央高速道諏訪パーキングで待ち合わせて、長野道豊科ICから登山口のある三股へと向かう。

朝焼けの常念岳(三股駐車場から) 前常念岳から常念岳 山頂で(後方は穂高)

 三股駐車場で2時間の仮眠から覚めると、朝焼けの常念岳が目の前にあった。冷えた空気の中、おにぎりとコーヒーで朝食を済ませて、6時15分に林道ゲートをくぐり山頂を目指した。林道を歩くこと約10分で三股に到着、ここが林道の最終点である。登山道は、鉄製の橋を渡って直進すると蝶ヶ岳、右折すれば常念岳へと至る。私たちは、常念岳から蝶ヶ岳へと登って逆三角形に左廻りで駐車場へ戻るコースを選択するが、まだ誰もこれから始まる”死闘”を想像さえしなかった。

 登山道は、最初は樹林帯中を行くが、直ぐに急登となった。隊列は、先頭が日本百名山を完登して現在2百名山に挑戦中の”ほけ百さん”、2番手にアドベンチャーレースで鍛えたジムのインストラクター”こっしー”、最後に私が従った。登りながらの話題は、ランニング・アドベンチャー・山岳レースなど運動系のものばかりで、これが先頭を行く”ほけ百さん”の闘志に火を点けてしまったようだ。登山スピードはグングンと上がり、負けず嫌いな2人も当然追従する。

 汗が噴出して心拍数が上がるが、息づかいは他のメンバーに悟られぬように押し殺し、黙々と歩みを進める。しかも、どこかの日本〇大急登といわれる斜面より、かなり急に思われる登山道である。3人のバトルは、抜きつ抜かれず永遠に続くかと思われたが、ほけ百さんの「もう直ぐ、尾根だよ」の言葉で終息した。言葉とおりに2〜3分も歩くと、前常念手前で尾根道になった。見通しの利かないブナの樹林帯で、なぜ尾根が近いことが分かるのかと尋ねると、「150山も登ると、感で分かる」とのこと。私とこっしーの、「さすが、山ヤ」の言葉で、気を良くしたようだ。

 前常念岳から山頂を見上げると、尾根の右肩越に前穂・奥穂の峰々が見えて、3時間に渡るバトルの疲れが吹き飛ぶようだ。ここから山頂までの約1時間は、森林限界を超えて、快適な尾根歩きだった。登山開始から4時間5分で常念岳山頂に到着して、大きな岩が重なった山頂部には方位盤と祠が鎮座していた。正面に槍・穂高連峰をはじめとした北アルプスの山々を望み、振り返れば八ヶ岳と南アルプスの間に富士山が見えた。3人は、絶景に言葉を忘れ、しばらく見惚れてしまった。


常念岳から見る 槍ヶ岳・穂高の山々

 山頂で20分の休憩の後、ゴツゴツした岩の急斜面を、蝶ヶ岳に向けて下る。浮石の目立つ登山道を注意して行き、3つの小ピークを越え2512mピークを下りきると鞍部で、樹高7〜8mの樹林帯が日差しを遮って気持ちがよかった。再び樹高が低くなって、蝶槍・蝶ヶ岳への登りがはじまる前に小休止。稜線右手には常に槍穂の山々が見えて、天の道を散策している気分にさせてくれる、今日の天気に感謝である。

 上り返してから約1時間で、瞑想の丘に到着。そして、その先の蝶ヶ岳フュッテから蝶ヶ岳山頂へは、約15分の行程である。平坦な丘の中心に建つ、蝶ヶ岳の看板前で記念撮影。穂高の峰々が一段と近くなり、眼下には上高地へと続く梓川が見えて、本格的なカメラを手にするカメラマンの姿も多く見られた。

 蝶ヶ岳を14時25分に後にして、まめうちだいら経由で、三股駐車場に戻ったのは16時30分。昭文社の山地図にある蝶ヶ岳からの下り参考タイムは3時間10分なので、最後まで体育会系的な山行きであった 汗;;;。

瞑想の丘から蝶ヶ岳ヒュッテと蝶ヶ岳 蝶ヶ岳山頂から北アルプス槍ヶ岳 蝶ヶ岳から常念岳