至 仏 山しぶつさん(2,228m) No.29

登 山 日 2005.05.09(mon)
コ ー ス 鳩待峠(1591m)5:15〜オヤマ沢田代(2033m)〜小至仏山(2162m)7:30〜至仏山(2228m)8:13/9:22〜山ノ鼻(1407m)10:50/11:35〜鳩待峠13:14 《水平距離10.8km》
所要時間 8時間
天   候

 関越自動車道沼田ICを下り、国道120号線を日光方面に向かって約10分、白沢「道の駅」に寄り車中で仮眠する。この道の駅は、日帰り湯も併設されていて周辺スキー場の利用者や武尊山や尾瀬への登山者で賑わっている。実は、武尊山へ武尊スキー場か川場スキー場から登ろうとネット検索していたところ、至仏山が植生保護のために5月11日から6月末まで入山禁止になることを知り、残雪の至仏山は今年最後のチャンスと急遽行き先を変更したのである。

 120号線から401号線の戸倉を経由して、尾瀬ヶ原への玄関口で有名な、鳩待峠に着いたのは午前5時。日本一?高いことで有名な登山者用駐車場に車を止めて、至仏山へ向けて霧の中を歩き出した。最初はダケカンバの林の中を進むが、例年になく雪が多いようで、早々にアイゼンを装着。登山道は、比較的緩い斜面であるが踏み跡を見失わないように、樹木に付けられた赤いリボンを目印に登った。


標高1900m付近

小至仏山への尾根

小至仏山を振り返る

 針葉樹が多くなってきたと思ったら、いつの間にか森林限界に到達。雪上の登山道は、尾根北側の斜面をトラバースするように付けられていて、滑落しないようにと慎重に進む。休日には、山スキーやテレマークスキー・ボードを兼ねた登山者が多いという。斜度にして35〜40度か、上級者向きの天然ゲレンデである。小至仏山のピークを巻いて振り向くと、太陽が薄っすらと顔をのぞかせていた。


至仏山へもう一息

至仏山頂

尾瀬ヶ原と燧ケ岳

 小至仏山を通過したのは7時30分、右下の雲の切れ間から鳩待峠を望み、峠も朝を迎えているのだと思う。上空は青空になり、天気予報の通りに晴れそうである。登山開始から3時間で登頂、山頂部分の雪は解けていて、「至仏山」と刻まれた花崗岩の碑が鎮座していた。景色を撮影しようとしても、雲が切れてくれない。山頂で休憩していると、山スキーを担いだ登山者がきたので、1時間近く話し込んでしまう。彼には迷惑だったかもしれないが、テント一泊で景鶴山まで行くという。

 9時30分過ぎ眼下の雲が切れて、尾瀬ヶ原とその先に聳える燧ケ岳を写真撮影できた。尾瀬ヶ原の山ノ鼻へ向け下山するが、高天ヶ原周辺の雪が消えていただけで、広々とした雪の斜面が続いた。登山道は、無雪期には急斜面で滑りやすい蛇紋岩のため注意が必要とするが、雪の天然ゲレンデで下りの足への衝撃もなく快適だった。山の鼻には、ビジターセンターや山荘などがあり、各施設は5月中旬の開業を目指し準備に追われていた。


山ノ鼻から至仏山

ポストの取り付け

ミズバショウ

 国民宿舎前のベンチでコーヒーを煎れていると、郵便局の職員がポストを取り付けに来ていた。木道は、いま雪の下にあって尾瀬ヶ原の雪原を自由に歩きまわれるのに、夏には観光客が蟻のように連なる姿を想像してしまった。今年も、多くの人が押し寄せるのだろう。休憩後、川上川沿いを鳩待峠に向っていると、一部分雪が解けた場所がありミズバショウが顔を出していて、無事に帰れと見送ってくれているようだった。