巻 機 山まきはたやま(1967m)No.27

登 山 日 2006.05.15
コ ー ス 国道291号線 清水(595m)06:50〜桜坂駐車場(730m)07:35〜井戸ノ壁(1000m)〜3合5勺08:13〜6合目展望台(1350m)09:57〜8合目11:02〜ニセ巻機山(1861m)11:20〜巻機山(1967m)12:08 《往復》 下山16:00
所要時間 9時間10分 行程:15.3km
天   候 晴れ
メンバー 単独

 日本有数の豪雪地帯である新潟県上越国境の山、巻機山に登ってきました。関越道石打丸山ICから国道291号線に入り、南魚沼市清水へは午前3時に到着したが、集落から登山口がある桜坂駐車場への道は、まだ除雪がなされずに通行止であった。しかたがないので、国道脇に駐車スペースを見つけて、朝まで仮眠することにした。
 巻機山は、雪解けとともに登山道の周辺がお花畑になるというが、今年は例年になく雪が多く春が始まったばかり。神秘的な“機織り伝説”の山といわれるが、織姫に逢うことは出来るのだろうか?


巻機山登山道入口(国道291号線脇)

集落から上の道路は通行止

道路の除雪はここまで

 バーナーでお湯を沸かして朝食をとる。登山口を目指して集落を抜けていくと、フキノトウを摘む奥さんと目が合い挨拶を交わす。今日の朝げは、フキノトウの味噌汁だろうか?。除雪車の脇をすり抜けて林道を行くと、雪解け水の音が沢から響いてくる。除雪された道が雪道に変わり、小さな沢を渡渉すると桜坂駐車場があって、その先で割引沢と井戸尾根との分岐になった。


桜坂先の分岐から割引沢方面へ
(黒い三角の山が天狗岩:1578m)

3合5勺付近で井戸尾根に取り付く

4合目にてアイゼン装着

 直進して割引沢方面への道を偵察してみる。沢の上には、荒々しい山肌の先に天狗岩・割引山が姿を見せたが、その右側にあるはずの巻機山は見えない。もう少し行ってみたかったが、沢の流れが速いのと渡渉には雪が深いので断念して、井戸尾根へと道を引き返した。しかし、残雪のため尾根への登り口が不明瞭で、先の米子沢側から3合5勺付近で取り付くことができた。尾根にも雪が多く、本来なら4合目から5合目への急坂(井戸尾根ノ壁)はジグザグに登るようだが、雪で覆われるために直登である。今回は6本歯のアイゼンを持参したが、安全のためには前爪のあるものを用意したかった。


5合目付近で振り返る

木立の間を登って行く

天狗岩と手前のヌクビ沢

 5合目の焼松付近で振り返ると、越後の山々の新緑と残雪が美しい。ここからは、木々の足元の雪がポッカリとなくなった斜面になり、おもしろい地形だが単調で辛いものがある。6合目の展望台で小休止していると、ヌクビ沢方面から地震かと間違うような地響きとともに雪崩の音が聞こえて来た。その上の檜穴ノ段付近ででも、天狗岩からヌクビ沢へと落ちる雪崩を目撃して、この時期の沢沿いの登山の怖さを実感した。駐車場の分岐を直進して、あのまま割引沢へと進んでいたなら、たぶんレポートは書いていなかっただろう・・・。


檜穴ノ段からニセ巻機山(前巻機山)

8合目からニセ山を見上げる

ニセ巻機山(9合目)から巻機山

 檜穴ノ段から正面に見えるニセ巻機山へと、右側から回り込む。八合目からニセ山頂まではそれほど雪はないのだが、斜面を見下ろすと途中にクレパスが大きな口をあけていた。ニセ巻機からは、避難小屋の右側を下って、目の前の雪原を上り返すと巻機山の山頂である。もちろん、夏道は雪の下にあるので、雪原を一直線に進む。山頂に標識はなく、リュックとピッケルを置いて記念撮影。かすかに顔を出した池塘を過ぎて、牛ヶ岳へも往復した。(ちなみに、無雪期に巻機山の標識がある場所は、山頂ではないらしい!?)


ニセ巻機山から割引山

巻機山(1967m)山頂

巻機山からニセ巻機山

 山頂の分かりずらい山だが、本当の“ニセ巻機山”の山頂まで戻り、ラーメンとコーヒーで食事をとった。気温が上がってお腹も満腹、風もなくウトウトと気持ちがよい。しばしの休憩のあとで、下山を開始した。いつも思うのだが、残雪の山は登りに比べて下りは快適すぎる。雪の斜面では、リュックからビニールの風呂敷を出して、尻にすいて滑り降りた。展望台付近で、スキーを担いだ小屋泊りという登山者と雑談していると、今日3回目の雪崩の音を聞いた。いつかは天狗尾根・ヌクビ沢にもチャレンジしてみたいが、登山情報を良く確かめてから登らないと、命がいくつあっても足りないと思った。(山肌に、雪が残る時には、登らない方が無難である)


たまには味噌ラーメンもうまい!

雪解けの水田に顔を出したフキノトウ

桜坂駐車場の除雪作業

 桜坂駐車場手前の水田に、フキノトウが顔を出していていたので記念撮影。ついでに幾つか晩の肴に持ち帰ったが、雪の中から芽吹いたばかりで、変なえぐさもなく美味しいフキノトウでした。駐車場では、これからの登山シーズンに備えて、除雪作業中。麓の水田では、コシヒカリの田植え準備が進んでいた。