あほくせー











傷だらけで、デケー声で文句言って、
また殴られて、もっともっと傷だらけ

馬鹿だと思うし、よく飽きないとも思う

でも、ボスが居なかった時
俺たちを守ってくれたのが誰かよく分かってる

だから、少しくらい報われれば良いっても思う

王子がガキじゃなかったら、
氷付けのボスの前じゃなくて、
俺の前で泣いてくれたのかとか思うけど、
そんなのはもう後の祭り

「ししっ、まーたボスに殴られてんの?
カス鮫先輩マジダッセーの」

「う゛るせぇぞぉぉ」

茶化してからかって馬鹿にして、
怒鳴られて怒られて喧嘩して、
それのなんて幸せなことだろう

「先輩バカだからしょーがねーか」

「んだと餓鬼ィィ!」

「しししっ!」

むきになって追っかけて来るとことか、
ホントにバカだろって思う

そーやってボス意外にかまってるから、
怒られるってなんで分かんないかな

そこが先輩らしいとこなんだろうけど

「なー、ボスと仲直りさしてやるよ?」

「…黙れェェ」

悔しそうにそっぽ向いても、
どうしたらいいか気になってんの丸分かり

先輩分かりやすすぎ
マジウケる

だらんと下げられた手を取って
長くて綺麗な指に自分の指を絡めて
真っ直ぐに目を見つめて

「Ti amo」

頬を染める先輩の頬に
触れるだけのキスをした

「これでぜってーボスの機嫌なおっから!
王子マジ天才!」

「…う゛おぉぉぉい」

真っ赤になって困った顔する先輩が
ボスと早く仲直りすればいいと思う

死んでも言うつもりなんてないけど
先輩のこと大好きなんだよ
ボスと同じくらいに大事だと思ってるんだよ
二人が一緒に居るのが
すごくすごく好きなんだ

「やり方教えてやったんだから、
さっさと仲直りしろよなカス鮫先輩!」

ホントにやんのかぁ゛!?とか
う゛お゛お゛おい!とか
怒鳴り散らしてる先輩からさっさと離れて
部屋を出る

きっと今頃ボスが先輩探してる頃だから
鉢合わないように逃げるが勝ち

「うししししっ」

あーあ、王子ちょー優しい

きっと明日はボスも先輩も
ボスの部屋から出てこねーんだろうな






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