仲良し☆織田軍











「おや帰蝶、顔色が優れないようですね。どうしました?」

「何だか朝から頭痛がするのよ…」

「え!?濃姫様大丈夫ですか?お薬貰って来ましょうか?」

「ありがとう、蘭丸君。でも大丈夫よ」

「そうです、あなたは引っ込んでいなさい。帰蝶、横になりますか?手取り足取り運んで差し上げますよ」

「光秀、お前濃姫様に近付くなよ!変態!」

「生意気な餓鬼に言われたくありませんねぇ。あなたのように五月蝿い餓鬼が側にいては、帰蝶の頭痛が酷くなるのでは?餓鬼は餓鬼らしく外で遊んでおいでなさい」

「蘭丸は餓鬼じゃない!」

「餓鬼はみんなそう言いますからねぇ」

「〜〜お前こそ離れろよっ!濃姫様がゆっくり休めないだろっ!」

「あなたが騒ぐからでしょう。分かったら早く消えなさい」

「消えるのはお前の方だろ!」

「光秀、大人げないことは止めなさい。みっともないわよ」

「やーい怒られてやんの!」

「蘭丸君も、相手にしちゃ駄目よ」

「もっとはっきり騒ぐな餓鬼、と言ってやればいいのですよ帰蝶」

「光秀!蘭丸は餓鬼じゃないって言ってるだろ!」

「そうやってすぐ怒鳴るのが餓鬼の証拠ですよ、ククク」

「お前〜、今すぐ謝らないと許さないぞ!」

「たかが餓鬼に許す権利などあったのですか。それはそれは、凄いですねぇ」

「もう怒った!覚悟しろよ!蘭丸がお仕置きしてやる!」

「仕置きを受けるのはあなたの方ですよ。私が直々にその生意気な口を塞いで差し上げます」

「二人とも止めなさい!」

「危ないから濃姫様は下がってて下さい!」

「そうですよ帰蝶。今からこの餓鬼の解体が始まるのですから、害の及ばない場所から眺めておいでなさい。楽しませて差し上げます」

「ボコボコにされるのはお前の方だ!ばーか!」

「餓鬼の相手は本当に苛立ちますねぇ」

「止めなさいって言ってるでしょう!」

「何を騒いでおるか」

「上総介様!」

「信長様!」

「おやご機嫌よう、信長公」

「聞いて下さい信長様!濃姫様が頭が痛いって言ってるのに、光秀が休むのを邪魔するんです!」

「邪魔してるのはあなたの方でしょう。こんな騒がしい餓鬼がいては帰蝶も休むに休めないだろうと、部屋までお連れしようと思いましてね」

「…女、部屋で横になっておれ。医師を呼ぶ」

「あ、上総介様。恐れながら、私の頭痛は大したことはございません。医師を呼ばずとも大丈夫でございます」

「左様か。ならば早々に部屋に戻れぃ」

「では私が帰蝶を部屋までお連れしましょう」

「黙れ変態!蘭丸がお連れするんだ!」

「一人で行けるわ…」

「丸、光秀。庭で正座でもしておれぇ。それが相応しい罰よ」

「…はぁい」

「…不服ですが、分かりました」

「女、行くぞ。ついて参れ」

「は、はい!」



「…信長様って濃姫様のこと凄い大事にしてるよなぁ」

「当たり前です。帰蝶をぞんざいに扱えば信長公とて容赦はしませんよ」

「返り討ちに合うだけだろ、身の程知らず」

「黙りなさい糞餓鬼」

「変態」

「低身長」

「白髪」

「私の髪は北国の娘とお揃いですよ。羨ましいのですか?」

「あいつのは白髪じゃない!綺麗な銀髪だ!」

「変わりませんよ。それに引き替えあなたは面白い前髪をして、笑いでも取りたいのですか?」

「面白くない!これは信長様のまねしてるんだ!格好良いだろ!」

「おや、全身全霊を持って信長公を馬鹿にしているとは恐れ入ります」

「蘭丸が信長様を馬鹿にするわけないだろ!お前頭おっかしいんじゃねぇの?」

「可笑しいのはあなたの頭の方ですよ」

「お前にだけは言われたくない!」

「ぶるああぁぁぁ!何をしておるかぁ!」

「…ご、ごめんなさい」

「…すみませんね。帰蝶の具合はどうです?」

「濃姫様、大丈夫ですか?」

「…女は今横になったところよ。気にかけるならば大人しくしませい」

「…はい」

「…ええ」

「喧嘩せぬよう言付かったわ」

「濃姫様ぁ」

「帰蝶…」

「せいぜい反省しておれぃ」



「女、具合の程はどうだ」

「もう随分楽になりました。あの二人、大丈夫でしたか?」

「是非もなしよ」

「ふふ、上総介様とこうして居られるのならたまには頭痛も悪くはないと思います」

「…ふん。うつけがぁ」

「ふふふ」






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