わんこの魅力











「やれ三成、それはどうした?」

「ついて来た。今日から私の部屋で飼う。秀吉様の許可は頂いた」

「なんだ三成、犬を飼うのか!もう名前は決めたのか?」

「…小太郎だ」

「小太郎?確か北条の忍と同じ名だな」

「…三成、よもや毛色だけで決めたのではあるまいな?」

「……似ているだろう?」

「…まぁ、ワシはいいと思うぞ」

「ああ、ぬしが飼うのだから異存はないが…」

「小太郎も気に入っている。問題無い」

「……」

「……」

「ええと、あー、…小太郎は大人しいな!」

「…ああ、一つも鳴かぬな」

「そこも似ているだろう?」

「…あ、ああ、そうだな」

「……三成よ、…いや、何でもない。ぬしが良いなら良いのだ」

「?」

「三成、小太郎を撫でてもいいか?」

「ああ」

「おお、サラサラだな!まだ櫛を通してもいないのに、すごいな!」

「人にも慣れておるし、どこぞで飼われていたやも知れぬな」

「だが自ら三成について来たのだから、いいんじゃないか?」

「犬に捨てられる者がおるとはなぁ、いや愉快愉快」

「…刑部、触らないのか?」

「…良いのか?」

「ああ」

「…ほんに、毛並みの良い犬だな」

「ああ、可愛いなぁ。小太郎は良い犬だぞ三成」

「目を見れば分かる。それに、小太郎には言葉を理解する頭もあるようだ」

「そうなのか?小太郎は賢いなぁ!」

「ほう、きちんと躾られていたのだな」

「仕込めば芸も覚えるだろう」

「楽しみだな、だがあまり叱ってばかりではダメだぞ三成!」

「触れ合うことも大切よなぁ」

「分かっている。だが、まずは風呂だ。行くぞ、小太郎」



「…徳川よ、あれ程愉しそうな三成をみたことがあるか?」

「いいや。だが、良い変化だとワシは思うぞ」

「…拾って来たばかりだというのに、ずいぶんと可愛いと見える」

「ああ、小太郎も三成によくなついているようだしな」

「犬か…」

「なんだ、刑部も犬が欲しくなったか?」

「ふん。われは生き物は飼わぬ。ぬしこそ、あの犬を大層気に入っているではないか」

「ハハハ、ワシは小太郎だけで十分だ」

「われもよ。たまに見られればそれで良いわ」

「次はもっと小太郎と遊びたいな」

「いや、見たところ体も大きく分別も弁えておる。
無闇やたらにかまうよりも、撫でてやるくらいでよかろう」

「…刑部も、ずいぶん小太郎が気に入ったんだな」

「ヒヒッ、さてなぁ」






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