正 常 運 転











半兵衛様から任された書類も終わり、
一人鍛錬をして着替えの為に部屋に戻った

何の間違いも無くそこは私の自室だ

それなのになぜ家康がいる?

なぜ、私の着流しを着て、
畳の上に転がっている?

一瞬部屋を間違ったかとも思ったが、
ここは確かに私の自室だった

「み、三成!待ってくれ!誤解だ!ごふっ!!」

問い詰めようと刀に伸ばした手を下ろし、
とりあえず蹴飛ばしてみた

大股を開き仰け反った家康の尻に
竹筒が刺さっていたのは見なかったことにしたい

「…一体何が誤解なのかきっちり説明しろ」

「あ、ああ」

きちりと姿勢を正した家康の股間は
私の着流しを押し上げ、
何を出しているのか想像もしたくないが
じっとりと湿りそこだけ色が変わっている

「…貴様、まさかとは思おうがこれが初めてだろうな?」

以前にも股部分が汚れた着流しが
タンスに入っていたことがあったことを思い出し
そう問い詰めてみれば視線を逸らし下を向く

「いや、あの、待ってくれ
とりあえず、ワシの話を聞いてくれ!」

このまま睨み合ってもらちが明かないので
一応大人しく口をつぐんでやる

今まで汚した着流しの分は
後で全力で残滅してやることで流してやろう

そう思える自分は心が広いと思った

「ワシは三成が好きだ
好きな相手の匂いを嗅ぎたいと思ったり
私物が欲しいと思ったり
それは当然のことだろう?
だから三成の香りに包まれて自慰に耽ったり、
筆をぺろぺろしたり三成の竹筒に尿を入れたり、
してしまうだろう!?」

「誰がするかっ!気持の悪い!」

「なんだって!?
三成、お前は何のために生きていると言うんだ!
ワシを愛せ三成!
そうすればこの気持もきっと分かる!
それこそがワシとお前の絆だあああああああ!」

「ひっ!」

抱きついてこようとした家康を
感じた恐怖のままに殴り倒し馬乗りになる
ぶるりと体を震わせたかと思うと
むわっと栗の花の香りがあたりに充満する

「あぁ、み、三成…
お前がそんな積極的なんて…」

恍惚とした表情を浮かべ、
嬉しそうにこちらを見る家康に怖気が走った

「うああああああああああっ!!」

目の前に晒された首を
何の考えも無く締め上げる

「やれ三成、次の書類を・・・」

襖を開いた形部の言葉が止まる
呆然としたまま振り返ればそっと目を逸らされた

私の下には甘い声を上げる家康
その股間は立ち上がり、
部屋には性の匂いが立ち込めている
最悪なのは家康の尻に刺さった竹筒が
この位置からだと形部に丸見えなことだろうか
それとも恍惚的な表情を浮かべる家康だろうか

「…終わったら声を掛けやれ
邪魔をしてすまなんだな」

静かに閉められた襖が世界の終わりに見えた

相も変わらず熱い視線を投げかける家康を見下ろし
首から手を離し殴りつけた

また体を震わせ二度目の性を吐き出した家康から離れ
足早に立ち去った形部を追うために走り出した

涙で視界が歪むのは気にならなかった




「形部、形部誤解だ!」

「われは、ぬしがどんな趣味だろうと
軽蔑したりはせぬゆえ安心しやれ」

「違うんだ!そうじゃないんだっ!」

「途中で行ってしまうなんて酷いじゃないか三成!」

「ほれ、徳川が呼んでおるぞ」

「…いいぃぃえええやあすうううううううっ!」






←三成部屋
←BL
←ばさら
←めいん
←top