恋は盲目
三成は綺麗だ
姿形も、その精神も、今まで出会った誰よりも美しい
「あの銀糸の髪がキラキラと輝くのを見ていると息が詰まるんだ」
「ならばそのまま生き絶えやれば良いものを」
「鍛練の後の汗ばんだ肌のかぐわしさには頭がクラクラする」
「われはぬしの話を聞いているだけで頭がクラクラしてきよるわ」
「涙も汗も唾液も、三成から排出される全てを舐めとりたいと思う」
「そんなことを思われる三成は大層憐れよなァ」
「耳や、へそ、菊門に舌を差し入れてグチャグチャにかき混ぜてしまいたい」
「…われの言葉もちぃと聞きやれ」
「眼球や口内を余すところなく舐めとりたいし、むしろ全身くまなく舐め回したい」
「ぬしは気持ちの悪い思考をよくもまぁ真剣な顔で垂れ流しよるな」
「色の薄い乳首をしているし、下の色も薄いんだろうかと考えてしまう」
「…ぬしはもう三成に近付きやるな、それがぬしと三成の為よ」
「なぁ刑部、ワシはどうすればいいだろう?」
「死にやれ」
「やはりこの想いを伝えるべきだろうか?」
「千々に砕け塵となれ」
「だが三成を困らせたくはないし、今の関係が崩れてしまうのは恐ろしいんだ…」
「ほんに話を聞かぬ男よな」
「ワシは一体どうすれば……」
「徳川よ、解決策をくれてやろ」
「本当か、ありがとう刑部!」
「ヒヒッ、礼には及ばぬ
とても簡単なことゆえ」
「そうなのか?」
「ああ
まずは深く穴を掘るのよ
中に入ったら出られぬくらいにな
場所は山奥の誰も近寄らぬ所が良いの」
「それで、その後は?」
「そう焦りやるな
その穴の中に入り、三成を待てば良い
それとなくわれが伝えてやろ」
「それで解決するのか?」
「ああ、三成の想いも分かろ
泣いて抱きつかれれば、抱き締め返し愛を伝えればよいだけよ」
「なるほど!
さすが刑部だな!」
「誉めても何もやれはせぬ
ほれ、善は急げよ、早に行きやれ」
「ああ、ありがとう刑部!
行ってくるよ!」
綺麗な三成
汚すのが怖くて逃げてばかりだったが、ワシはこの想いを伝えよう
きっと抱き締めてくれると信じているぞ!
「……そのまま死ぬまで待ちやれ、阿呆め」
「刑部、家康を知らないか?」
「ヒヒッ、さぁて
われは微塵も知らぬなァ」
「ああ、今夜は満月か
……それにしても、三成はまだかなぁ」
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