■吉相墓 吉相墓とは、福・禄・寿三つの要素がバランスよく設計され、しかも家系の流れに即した祀り方が成され、その祀り方に即した建立方法が採られているものをいう。バランスの悪い墓、亡くなった順に祀られている墓、建立方法がでたらめな墓などは吉相墓とは呼べない
正しい墓石の並べ方
 
墓石の並べ方 ■それぞれの墓石の配される位置が重要である

吉相墓を建てるに当たって最も重要な事は

   
1.墓を家の基礎=根と考えること
   2.家も墓も順逆を正しくすることを道理とし、
    順逆を誤らないようにすること


の二点があげられる。
全てはこの考え方から出発するのである。
重ねて言うが、墓を建立するにあたってはこの考え方が最も重要であり基本となるものである。

配置図2-1
 
●墓地に於いては正面から見て右の奥@(配置図2-1)の位置が最上座となる
 
これは乾の方位が神・先祖の座とされる道教の思想と共通する。つまり墓地を東向きとした場合、この位置が乾の方位となる。墓相学の原点である堪輿の学では、家を建築する時は次のように指導した。『乾(イヌイ=北西)の蔵、子(ネ=北)に釜屋、艮(ウシトラ=北東)の空き地、東西(東または西)の納屋』

北西の方位は天地自然の中の天を表す。完全無欠・支配力を意味し、先祖・君主の座とされる。蔵というのは、一昔の地主などは小作米を収納したり、大切な家財道具や財産を収納していた。新しい嫁が来ても暫らくは近寄せることさえ禁止していたほどである。一家を支える最も大切なものが収まる場所である。

北の方位は一白水星、坎水の星つまり水を表す。水は人間は勿論、大自然にとって最も大切なものである。坎水とは水無ければ土欠けるの意、まさに字の如くであるが、この方位は子孫の誕生・家族の繁栄を示す。北に釜屋を設けるのは、食生活を安定し、子孫=子種を設けるということである。ちなみにご主人の精力が弱くなった場合は、この『水』を利用するのも堪輿の術の一つである。

北東の方位は言うまでも無く表鬼門の方位である。全てのことが一段落し、静止・抑制の気が作用する方位である。墓所の内では地蔵尊を建立する位置、逆死を抑制する位置である。墓所にあっては地蔵尊を建立するが、屋敷内ではこの位置は空き地とするほうがよい。

東の方位は夜が明け太陽の光を一身に浴びる方位である。物事の始まりを意味し、家系の繁栄を促す方位である。

西の方位は物事が実る、成熟することを意味する方位である。新しい活力のある種を撒き、一年の実りを収穫して収める納屋を建てるには最高の方位である。

自宅から見た墓地の方位も、神棚を祀る方位も乾の方位が吉となるのは同じ思想によるものである。

我々の祖先は神・先祖の座を最上座とし、隠世にあっては先祖を敬い、現世にあっては親を敬ってきた。我々はそれを継承し子孫に伝えていかねばならない義務がある。
 ◆ 合祀供養塔
さて、最上座@の位置は最上位の先祖が祀られる位置であることは既に述べた。ここには合祀供養塔を建立する。

合祀供養塔は殆どの場合「五輪塔」が用いられる。五輪塔へは、基本的に亡くなって50年以上の先祖を戒名を刻んで祀る。
五輪塔の他にも宝篋印塔・多宝塔などが使われる場合もある。
 ◆ 代々墓
亡くなって50年以内の仏様は、夫婦を一つの墓で祀る「単祀墓」=「夫婦墓」を建立する。

これを「代々墓」と呼ぶが、例えば祖父母の代々墓をAの位置に建立し、父母の代々墓はBの位置に建立する。

旧い墓地では入り口に近い方から順に建立している場合や、逆に奥から順に建立している場合、時には好きな人の傍、父や母の隣に建立するなど、規則制がなく乱雑に建立されているのを見かけることがある。これは先祖を無視した形となるので気をつけねばならない。先祖を無視することは、翻って自分自身が無視されることに繋がる。
墓相学では先祖を第一に考える建立法を指導している。
 ◆ 未来地
 
父母の墓(Bの位置)が建立されると、次の代はCの位置に代々墓が建立される順番となるが、その頃にはAの祖父母の年忌が50年を超える頃となる。

歿後50年以上の仏様は供養塔に合祀されるので、このような場合は祖父母は五輪塔に戒名を刻んで祀る。

そうするとAの座が空くので、父母の代々墓(B)をAへ移動し、新に次の代の代々墓をBの位置へ建立する。

したがって常にC以降、場合によってはD以降が使われていない空間となる。この空間を「未来地」と呼び、この未来地こそ家系の相続を継続させる大きな力の源となる。
 ◆ 水子の墓
 
親よりも早く亡くなる「逆縁」となった独身者や水子・幼子の墓は、五輪供養塔の前F・Gの位置に建立される。我々はこれを「逆死留め」と呼んでいる。二度と悲しい出来事が起こらないように願って配置された、誠に理に叶った建立法である。

この建立法は、子々孫々まで半永久的に継続する画期的な方法である。代々の墓を次々と建立する墓相式の墓は、いくら墓地があっても足りない等という意見をよく聞くが、それは墓相をよく知らない方の意見であるという事が、これでおわかり頂けたと思う。
 
 ◆ 墓石の並べ方の変遷
 
中国や中華民国の墓相学では、主の座は中央とされ、その両脇に代々の主の墓を建立してきた。

我が国に於いては古代の埋葬法の中にそれを見る事が出来る。また、武士や大名の墓の多くは中央に建立されている。

江戸時代の墓相学による指導では、向かって右から左へと順次建立されるようになるが、明治時代の墓相家多田通幽師の指導では、中央に宝篋印塔または五輪塔が建立されている。

通幽師の弟子の松崎整道師の指導では、五輪塔もしくは宝篋印塔による先祖供養塔が現在の墓相指導と同じく向かって右奥の最上座に配され、夫婦の墓がそれに続く形となっている。

お隣の韓国では、土饅頭形式の家族墓・個人墓が造営されており、中国の田舎では現在も山肌に穴を掘って埋めただけの土葬形式が尚続いている。しかし都市部では土葬は全面禁止とされ、今日では立派な霊園が続々と開かれているようである。

このように墓の建立・造営は国により異なり、我が国でも時代と共に変遷を繰り返してきた。そして墓相学も同様に進歩、改良されてきたのである。今日の墓相学を築いたのは、先輩諸師の肉体的・精神的・金銭的な努力の積み重ねの結果であり、それは膨大な資料となって、より正しい、より吉相の墓造りの指導へと活かされている。
 
入り口について
 
吉相の入り口 吉相でない入り口 ■入り口は物や人・財産が出入りする

墓石の形や石の種類、並ぶ順番が決まっただけでは吉相墓とは言えない。それぞれの墓石を護る役目、枠石が必要となる。枠石は延石・巻石などとも呼ばれるが、吉相墓の場合、枠石を一重・二重と用いる事から、「内枠」・「外枠」と呼んでいる。
図2-5-1 図2-5-2
 
内枠で大切なものは入り口である。入り口は物や人・財産が出入りする場所であり、最も重要な部分となる。反対に、入り口のない墓はどこから入ってよいのか迷ってしまう。つまり物や人・財産の入り難い家庭となりやすいので注意しなければならない。この入り口の寸法も、各家庭の状況、職種等によってそれぞれ異なる。

墓地を形成する内枠は、
角が直角の長方形でなければならない。上の図のように、吉相でない入り口の場合は正しい四角形の形がとれない。敢えていうなら変形の八角形となってしまう。そのため、左図のように入り口は必ず「くり段」にしなければならない。

内枠は特別長い場合を除き、継ぎ目の無い一本の石を使用すること。それぞれの枠石はセメントを一切使用せず、角にL型金具や基礎部分にセメント類を使用しないことも大切である。また、通常延石は水平を保つように据えつけるが、吉相墓の内枠、外枠を据えつける場合には、血の流れ、水の流れが重要であることから、家系に即した傾斜のある据付けとなる。水の流れは墓地の方位や墳墓の位置、その他によって異なる。

このような条件と、正しい先祖祭祀が行われている墓を
「吉相墓」という。墓の建立は家を建てるのと同様に、男子一生の仕事と考えて良いかと思われる。一生のうちに何度も建て替えるという事も殆どの方は無いと思われるので、墓の建立に際しては充分時間をかけて、何が良いのかを判断して実行に移してほしい。
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