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ザリガニの飼育方法 |
<<< ワンポイント・アドバイス >>> |
ザリガニを飼った事がある人は、結構、多いのではないかと思います。ですが、意外と間違った飼い方をしていることが多いようです。 原因は・・・日本で最初に発売されたアメリカザリガニの飼育書に記載された飼育方法が、大間違いだったのに、以降、何十年にも渡り、その記述が踏襲され続け、未だに訂正されていないからだそうです。 彼らは物凄い強健種なので、滅多な事では死にません。 その生命力に救われて、飼育成功!と思っている方が実は多いのです。 では、まずは、その辺りの誤解から解きほぐしていきます。
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1.飼育セット |
陸地と水辺を作らないといけないということで、水槽やプラケースに土を入れ、一部に水を張り、セット終了! これで自然環境が再現され、ザリガニも喜びます・・・大概の飼育書には、そう書いてあります。 これが、そもそもの大間違いです。 結論から言うと、魚の飼育方法と同じく、水槽は水いっぱいで良く、陸地は不要です。溶存酸素量が欠乏せぬよう、エアレーションを強めにかけるか、上部式フィルターでエアーを供給します。 えっ、陸地が無いと呼吸できないんじゃないの? と思われるでしょう。 実は、彼らは本来、エラ呼吸なのです。ただ、直接、酸素を取り入れて呼吸する事もできるというだけなのです。 大体、自然環境の中で、陸地をうろうろしていたら、あっという間に外敵に襲われて食べられてしまいます。 彼らは酸素が十分にあれば、一生、水の中で暮らして行けますし、全く、空気に触れる必要性が無いのです。 それに、交尾・産卵も、ある程度の水深がないと、上手くできませんし、浅い水深だと下手すると脱皮不全を起こし、さしもの強健種もあえ無く死亡してしまいます。 その他、注意点を列記します。 物凄く水を汚すので、フィルターは高性能なものを用意し、マメに掃除する必要があります。上部フィルターは、毎週、掃除しないとすぐに「ろ材」がドロドロになってしまいます。 脱出の名人なので、穴は全部、塞ぎましょう。 水温は低めがいいのですが、30℃を多少、超えても全く死にませんので、あまり気にしなくてもいいようです。 脱皮の際、頭の部分に細かい砂を補充し、体のバランサーにしているとのことで、底砂には細かい砂も混ぜるといいでしょう。 いっぺんに飼える数は水槽の大きさにもよりますが、せいぜい、1ペアか、♂1♀2にしておきましょう。 多すぎても、共食いするだけですし、簡単に増えてしまいますので。 隠れ家となるものを頭数分は必ずいれましょう。土管や流木を複雑に入れてやります。 |
2.交尾 |
ペアで飼育していると、情熱的な光景にでくわすことがあります。彼らの交尾は、はじめてみると、ちょっと驚きです。 共食いしてるのか、と思ってしまいます。 あまり解説するのも、何のですが・・・ ♀はお腹を上にしてひっくり返っており、その上に♂が覆い被さっていて、いわゆる正常位になってます。 およそ、この世の生き物は、後背位が主流なのですが、なぜか、彼らは正常位・・・そして、♂がはさみで♀のはさみをはさみこみ、思いっきり、腕を伸ばした「ばんざい」の格好をしています。 この格好のまま、水底でじっと交わったまま動きません。 実に変わった生態だと思いませんか? |
3.共食い |
脱皮直後は、すぐには体が固まらず、この間は、どんな大型個体であっても、仲間からは「動くごちそう」に見られてしまいます。 折角、増えた子供らも、殆どは、兄弟同士の食い合いで、みるみる数を減らしていきます。 所詮、狭い水槽内での飼育ですから、これはある程度、やむをえないこととは思いますが、少しでも共食いを減らすには、隠れ家をたくさん設けてやり、安心して脱皮できる環境を作る事、動物性の餌(煮干やオタマジャクシなど)を与える事が必要になります。 尚、隠れ家がないと安心して脱皮できないので、脱皮不全になり、死亡する原因になりますので、必ず隠れ家は用意してやる必要があります。 |
4.ブルー個体 |
飼育下では、太陽に当たる機会が無いせいなのか、産まれた子供の中に、体が青い個体が出てきます。 野生では、飴色をしたものが多いのですが、それとは明らかに異なる色合いになっています。 或いは食物に原因があるのかもしれませんが、同じ兄弟でも赤くなるものもおり、今のところ、原因が特定できておりません。 また、青いままで大人にならず、途中で赤くなっていくものが殆どであり、解決できていないミステリーになっています。 |
5.マメ知識 |
アメリカザリガニは、もともと、食用カエルの餌として輸入され、それが脱出して、全国に広がったのだそうです。 子育てする♀、水が枯れる冬場はペアで穴ごもりと、確かに増殖するだけの理由があると思います。 |
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