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熱帯魚の飼育方法

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ここでは、私が飼育してきた経験から、ワンポイントとなる事柄をご紹介していきます。多分に内容が散文的になってしまうとは思いますが、悪しからずご了承下さい。尚、基本的な飼育方法などは、熱帯魚の専門サイトや専門書を参照してください。

1.器材

よく熱帯魚飼育セットとしてワンセットになっているものが販売されていますが、大抵は60センチ水槽に上部式フィルターが標準でついたものです。 このセットは入門用としては十分なのかもしれませんが、大抵はすぐに水草もやりたくなったり、大型魚を飼いたくなったりします。 そうなるとこのセットでは飽き足らなくなり、外部式フィルターの導入など、だんだん、高価な設備が増えていくのがアクアリストの常です。
そうやってステップアップしていきましょう♪ などと入門書でも謳っておりますが、これはハッキリいってお金の無駄です。
初めから目的に合った器材を買い揃えましょう。 例えそのとき、高く感じても、後から買い足していくパターンより、実はずっと安上がりになります。 また、器材は決してケチらず、良いものを選んだ方が、結局は得になります。 これは私の経験から言える鉄則であり、ようするに自分がハマッタことを裏返しに言っているだけです。
熱帯魚の飼育は初めてだから、目的に合ったものといっても、その目的そのものがよく分からない・・・という方もいるでしょう。
でも、ちょっと想像してみましょう。 自分はどういうアクアシーンに憧れているのか・・・水草がユラユラ揺れている景色にしたいのか、大型魚をのんびりと見ていたいのか・・・そういうビジョンが少しでも描ければ、いずれはそれに向かって器材を買い足したり置き場所を確保したりと、アクアリストが辿る路はほぼ、一直線です。 どうしても、そのビジョンが描き難いという人は、飼育そのものをお奨め出来ません。 そういう人には、何がやりたいのか、頭で描いてからはじめる事を強くお奨めします。 相手は生き物ですから、「やっぱり、やめた。」は、絶対に通じません。 まず、何をしたいのかを想像し、そのためにベストな器材は何かを考え、そして思いきって揃えてしまいましょう。

2.餌

5分で食べ尽くす量を与えましょう、と入門書などには必ず書かれていますが、これでは多すぎです。 大体、自然界では、それ程、ふんだんに栄養価の高い餌を摂取しているはずがないのです。 餌のやりすぎは水を早く汚し、魚を徒に太らせることになり、百害あって一利もありません。 また、魚は与えれば与えただけ食べてしまいますので、食べるからといって、たくさん与える事は厳禁です。
餌はほんの少し、ぱらぱらと与える程度でよく、入れた途端、ワーッと寄ってきて、あっという間に無くなるくらいがベストです。
のんびり食べる魚種もおりますので、上記は全てに渡ってなべてそうだとは言えませんが、どんな場合でも、食べ残しが出るようでは確実に与えすぎですので、ちょっと少ないかな?と思うくらいにしておくようにしましょう。

3.コケ

コケが出ない水槽なんて、無いといいますが、実は一回だけ、そういう水槽を作ったことがありました。 初めてセットした水槽だったのですが、コケは全く出ず、水もピカピカ・・・でも、今から考えると、清すぎたのでしょう。魚もよく落ち、植栽した水草は全然、成長しませんでした。コケも出ない水槽は、やはりどこかおかしいのです。
ということで、コケは必ず出るものです。普通にやってようが、丁寧にやってようが、関係有りません。 なにせ奴らは空中からも侵入するのですから、発生して当たり前なのです。
だから、それと上手に付き合っていく事を考えるべきで、無理やり無くそうなんて考えても無駄というものです。 神経が持ちませんし、疲れ果ててしまうだけです。 開き直ってしまえ、といってるのでは有りません。 フィルター能力を改善したり、水草を多く植栽してみたり、必要な対策を施しても、尚、コケは出てくるものだ、といってるのであり、絶滅させようと躍起になることは無い、といっているのです。 どんなに綺麗に見える水草たっぷりのレイアウト水槽も、よ〜く見れば、あちこちにコケが生えてます。ただ、コケが猛威を奮わぬように騙し騙し環境を維持しているに過ぎません。 まあ、それができればプロなんでのですが。
では、どうやってコケと付き合っていくのか?
コケ対策は雑誌などでも特集され、いろいろと言われていますが、私のお奨めは・・・ズバリ巻貝なのです。では、後述をどうぞ!

4.巻貝

およそ水草水槽を語る際に、まずお邪魔虫として嫌がられ、けなされまくっている存在、それが巻貝です。 どんな飼育書にも「買ってきた水草は水道水でよく洗い、巻貝やその卵を取り去りましょう。」と書いてあります。また、柔らかい水草の新芽を食害し、あっという間に増殖して手がつけられなくなる厄介者、招かれざる侵入者にして、アクアシーンを台無しにするロクデナシとも言われております。
でも、実は彼らこそ、コケだらけになったどうしょうもない水槽をピカピカに磨き上げ、挙句に水質もぐんと良くしてくれる偉大なる生物だということをご存知でしたか?
確かに柔らかい水草は食べちゃいます。よってたかって丸裸にします。フィルターの中にまで進出するし、増えると巻貝だらけになって、一体、何を飼っているんだろう?っていう状態になります。
でも・・・使い方次第なのです、本当は!
以前、黒くてフサフサした髭状のコケに襲われ、アヌビアス・ナナが真っ黒になり、次々と枯れ始めた「コケリウム」がありました。このコケ、藍藻の次に厄介で、こいつに見舞われて、何をやっても回復せず、すっかり嫌になり、アクアリストをやめてしまった人もいるくらいなのだそうです。
こういうとき、対策としてはお定まりのコースがあります。
 @水質浄化を徹底するため、フィルター掃除・強化
 Aオトシンクルスやヤマトヌマエビなど生体兵器の投入
 Bライトを弱くするか、点けずにおく
 C成長の早い有茎の水草を大量に植えて栄養分を奪取
 D薄めたお酢をコケに塗りつけて直接、殺す
確かに、ヤマトヌマエビを60センチ水槽なら、一気に50匹くらい投入し、ライトを弱めておくと、2週間くらいで綺麗になります。でも、エビを取り出すと、また、すぐにコケだらけになってしまいます。 なぜなら、エビはこの髭状コケがあまり好きではなく、食べても葉などにはコケの小さな痕跡が残り、それが元で、すぐにまた、復活してしまうからです。
このコケが大量発生した水槽は、グッピーを自然繁殖させているものでしたから、そもそもコケより稚魚や動きのトロイ魚を好むエビを投入するなんて出来ませんでした。 で、もう、どうにでもなれ!と放置しておきました・・・諦めて、何をする気にもなれず、魚を殺さぬよう、必要最小限の世話だけを続けておりました。 それまで、気になっては取り去っていた巻貝も、この放置期間にすっかり増えて、益々、ブルーになっていたのですが、私が落ち込み続けて数週間がたつうちに、不思議な事が起こり始めていたのです! なんと、水槽が、だんだん、綺麗に明るくなっていくではありませんか。 真っ黒だったアヌビアス・ナナの葉が、次第にコケがなくなっていき、緑が見え始め、やがてはエビでは始末できなかった小さなコケの生え跡も見えなくなり、ある日、とうとう、とても濃いグリーンになったのです。 フィルターのパイプも二酸化炭素を供給するセラミックプレートやチューブも、底土もガラス面も、みんな、ピッカピカになっていたのです! そして、水そのものも輝きを増し、他のどんな水槽よりも綺麗に光っていました。グッピーも爆発的に産卵しており、以降、この水槽は、コケが殆ど見当たらない、最良のアクアリウムになってくれました。
分かりますね、誰がこういう水槽を作ってくれたのか?
巻貝は、ただで手に入る究極のコケ撃退兵器であり、固い葉の水草なら、食害する事は殆どなく、しかも、勝手に増殖するので増やす手間も要らず、石巻貝のようにひっくり返ると死んでしまって水を汚すという弱点もない、良いことずくめの生物なのです。 景観が良くないという方、一度、大きくなった巻貝をご覧下さい。石巻貝よりも本当はずうっと綺麗です。
これがあって以来、コケがでた水槽には、次々と巻貝を投入していきました。そして、増えすぎてしまったな、というときには、適当に間引いてザリガニの水槽へ。 素晴らしいタンパク源にもなってくれました。 いかがです、巻貝が畑のミミズのように思えてきたでしょ。
飼育書は、こういう効能を一切、書かずに悪者扱いしてますが、決して本なぞ、鵜呑みにしては行けません。自分で試した事だけが、真実というものなんです。(だから、ここに書いてある事だって、本当は自分でやってみた上で納得してほしいのですが。)

5.夏場の温度管理

お決まりのテーマです。 熱帯魚の雑誌でも、毎年、必ずと言って良いほど、夏になると特集を組むくらいです。 熱帯魚をやっている人なら、誰でも知っている事実・・・それは、冬場の管理よりも夏場の水温管理の方が、よぽど難しく大変だということです。(冬はヒーターがあるので、狙った水温にピタリと調整できますので。)
上がりすぎた水温を如何に下げるか・・・そのやり方を書き出したら、きりが無くなります。 そこで、ワンポイント!
@愛する魚のためなら、お金も思いっきって掛けようじゃないか
 というタイプの人は、部屋ごと24時間、連続冷房です。
 なあに、6月から、せいぜい4ヶ月くらいの辛抱です。
 水槽が1本だけというなら、水槽用クーラーも売っています。
 10万〜20万はしますが。
A愛する魚だが、幾らなんでもそんなにお金を掛けられるか!
 というタイプの人は、創意工夫で乗り切るしかありません。
 熱帯魚の雑誌を穴が空くほど読んで研究しましょう。
 ちなみに、私のお奨めは・・・
 ・ペットボトルを凍らせて浮かべる
 ・扇風機で水面を煽る
 ・エアレーションを夜間、強めにかける

 一応、これで2℃〜5℃は下がります。

6.オトシンクルス

エビと並んで掃除屋として有名な、ご存知、オトシンですが、よく落ちませんか? 気がつくと数が減っているなんてこと、ざらだと思いますが、これはなぜでしょう? そう、単純な話で、餌となる茶色いコケがなくなると、彼らは食べるものがなくなり、餓死しちゃうのです。
死んだオトシンを見つけたら、是非、観察してみてください。殆どのものがお腹がペコリとへッこんでますから。 実は彼ら、コケ類は、茶色のコケしか食べないので、あっという間に餌切れになってしまうのです。
オトシンを長生きさせるコツは、夜、消灯した後で、こっそり、餌を入れてやるしかありません。 その際、出来ればタブレット状のもので沈殿するタイプを少しだけ、入れてやるのがベストです。ワラワラと集まってきて、プレコのように舐め始める事でしょう。 尚、エビを入れている場合は、例え夜に入れても、奴らにかっさらわれること、間違い無しです。この場合は、仕方がないので、少し、多めに入れて、オトシンにも餌がまわるようにしてやらねばなりません。
コケは茶色のコケしか食べないし、いつの間にか落ちて腐って、却って水を汚すしで、これまた、本当は、本で言われる程、役に立つ掃除屋ではありません。 が、ちょこまかした愛らしい動きで、見ていて飽きない魚なので、これからは、掃除屋としてではなく、鑑賞魚として扱ってあげましょう。

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