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種類別攻略法 |
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Heterorrhina macleayi ssp. macleayi (フィリピン)
エメラルド・グリーンの体色に黒い斑点を散らした、非常に美麗な一品です。 この他、橙緑を基調にしたバリエーションもあり、東南アジアが誇る、まさに至宝ともいうべき華麗なカナブンです。 が、いかんせん、ブリードが難しく、2000年入荷時には採卵成功のニュースをついぞ、聞くことができませんでした。 このため、本種は「美しいがブリード困難種」のレッテルを貼られてしまったのですが・・・ |
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1.交尾 |
交尾に関しては、十分に成熟した健康なペアを入手できれば、♂♀一緒に産卵セットにぶち込み、自然に交尾させることが可能です。 本種については、後述の産卵セットが、何よりも重要なポイントで、成功の鍵はむしろセット方法に有ると思われます。 |
2.産卵セット |
ここが最大のポイントです。 下半分は黒土に黒腐れしたカブトマットを少量、混ぜて固めます。水分は握って固まる程度・・・よりも、気持ち、飛ばしました。 上半分は未発酵マットを乾燥状態のまま軽く詰めます。 >> こんな感じになります。 >>
ちょっと、与太話を交えさせて頂きますと・・・(^-^;; この結論に至るまでには、自分なりに思いつく限りのセットを試してみました。 黒土を使う、マットの水分を変える、材を入れる、カブトマットを使う、一次発酵マットを使う・・・が、どうやっても採れませんでした。 よく考えてみると、私が思いつきそうな事は、当然、既に誰かが試しているはずなんですね・・・ だとしたら、誰もがやりそうにない方法を試してみるか? そこに思いが想到したとき、自ら東南アジアによく採集に行かれている、ある方から聞いた話しを思い出しました。曰く「ブンブンの幼虫は、現地ではクワガタを探そうと材を割るとたくさん出てくる」・・・ 材がポイントになる気がするのですが、材そのものを入れても無意味だったし、クワガタ幼虫が好みそうなマットも駄目でした。 そこで思いついたのが、上記のセット方法でした。。。 ちなみに、どのメーカーの製品を使ったのか、詳しいレシピはここでは紹介しませんが、どうしても知りたい方はメール頂けると幸甚です。 |
3.回収結果 |
上記セットでの幼虫回収結果です。卵でなく幼虫で回収できた数です。
第1回目 6/19 橙緑タイプ成虫を入手 8/? 上記セット作成 9/7 初令10頭
第2回 9/30 橙緑タイプ成虫、緑タイプ成虫をセット 11/25 前者から初令4頭、後者から初令1頭(セット継続中)
このように1回目はかろうじて2桁の初令を回収できましたが、果たして、これが、採れた!と手放しで喜んでいい数値なのかどうか・・・ 正直、非常に恥ずかしい結論ですが、少なくとも、このセットがまぐれではないということは、第2回目で行った追加テスト2セットを通して、証明は出来たと思います。 しかしながら、回収できた幼虫の数を鑑みると、これがベストな解ではないという気がしてなりません。 諸兄は、これを叩き台にして、もっとタコトレできるセットを検討して頂ければと願います。。。また、もっとたくさん採れている方、もしもいらっしゃいましたら、是非、連絡ください。 ノウハウの交換をお願い申し上げます。 |
4.幼虫飼育 |
第1回目で回収した初令幼虫は、11/19に繭になりました。 ここまでのところ、別段、困難なことは何もなく、使用したマットも黒腐れしたカブトマットの水分を幾分、飛ばして使うという、ありきたりな方式でした。或いは繭で長いのかもしれませんが、今のところの感触では、本種は採れてしまえば後は簡単という感じです。 尚、本種は繭を作ったばかりのときに、ショックを与えると幼虫が繭から逃げ出すことが頻発するので、蛹化するまで放置した方が無難のようです。 |
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別の方法 その1 |
大阪の宮崎さんから連絡を頂きました、別のブリード方法をご紹介します。宮崎さんは、下記の方法で1ペアから12頭の幼虫をゲットされたそうで、現在、数頭が羽化しているとのことです! 私とは全く違う方法であり、非常に興味深いです。 (宮崎さん、有難うございます。)
産卵床の作り方は、以下の通りです。 @腐葉土 生協の腐葉土で,ほとんど土化して真っ黒な状態。 これを目の細かい篩いにかけ、残った分は乾燥させてミキサーで粉砕。 Aマット マット飼育したクワガタの食いカスや成虫飼育に使った 未発酵マットなどを3mmぐらいの目の篩にかけました。 カブトの食いカスや糞は使用していません。 @とAを混合し、昨年、カブトの産卵に使用。
使用する前には毎回電子レンジで熱消毒していましたので、マックレーに使用するときはほとんど匂いがないような状態でした。 マックレーをセットするときもやはり熱消毒をしました。 このマットで別のカナブンを飼育したら全然大きくなりませんでしたので、ほとんど栄養は残っていない状態だったと思います。 湿度は、きつく握れば水が指の間から出てくるぐらいベトベトにしました。温度は25℃以上です(常温管理)。 最初の1ヶ月で12頭の幼虫を回収できました。 |
別の方法 その2 |
神戸のねこまるさんからお便りを貰いました。 私の方法とも宮崎さんの方法とも異なったやり方でチャンレンジされ結果を出されていますのでご紹介致します。(ねこまるさん、連絡を有難うございます。)
使った種親:橙系ワイルドペア ケース:小プラケ並の大きさ マット:カブト系ブリードマット=良く発酵した黒い微粒子マット 使用量:ケースの90%、ガチガチに固めました。 水分:気持ち多め、握ってダンゴになり、水分が出ない程度。 温度:25度〜27度(当時は常温) 期間:約1ヶ月(水分上げてからは2週間) 採れた幼虫:15匹
最初は同じマットで水分が少なめでサラサラしてた状態で全く産みませんでした。後に水分を少し足してやり2週間程したら幼虫の姿が確認できました。 |
別の方法 その3 new! |
東京の高場さんからご連絡を頂きましたのでご紹介します。6月に購入したワイルド2ペアから76頭もの幼虫をゲットされたそうです。 もう、皆さん、凄すぎ!(高場さん、有難うございます)
成体:ミンダナオ島カリナン産WILD2pr ケース:コバシャ小ケース 産卵床:カブト用マット+腐葉土で割り合いは1対1 飼育温度:エアコンで25℃調整
市販されているカブトマットをふるいにかけて微細マットを作り、腐葉土も(商品名ぬくぬく腐葉マット)ふるいがけして同じように微細にします。それを1対1で混ぜ合わせ水分調整を行ないます。握った時に手に水分を感じる程度の水分に調整し、ケースの半分程度までやや固詰め、その上に腐葉土を混ぜていない微細の水分未調整のカブトマットふわふわに入れたセットです。約1ヶ月後にセットを確認したら76匹の初令幼虫が採れました。この時使用した親は健在で未だに交尾までしています。
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