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今月の一言 |
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我が家に猫がやってきて、もうすぐ2ヶ月になる。
初めて見たときには、手のひらにすっぽり入ってしまうくらいに小さくて、栄養不足だったのか、骨が浮いたようにゴツゴツしていた。足取りも弱々しく、なんだか痛々しいほどだった。餌をやると、ミャーミャーうるさく鳴いて、なぜか怒ったように食べていた。
それから今に至るまで、本当にあれよあれよという間の急成長で、恐らく体重も身体も、来た当初の3倍以上にはなっている。もちろん、まだ子猫なのだが、この頃の暴れぶりは、小型のトラでも飼っているような気分にさせられる。家族の誰もが、どこかに引っかき傷やら噛み傷を一つならずこさえている。
自由気ままに、どこにでも昇り、どこにでも入っていく。
まさか、こんなところにまで!という隙間に無理やり身体を押し込んでは、埃まみれになって出てくる。
通行の邪魔になるものは、平気で落としていく。大事にしている観葉植物の葉をむしる。壁で爪とぎをして、傷だらけにする。キーボードの上で寝るのが好きで、文章を作っていると、7が連続して打たれていたりする。その上、shiftを5回連続叩いた後にwindowsキーを2回押すなどして、滅多に起こらないはずのPCの設定変更を引き起こし、こちらの頭をパニックにさせてくれる。
そんな彼も、さすがに最初の頃は、吠え猛る犬たちには脅えていた。だが、それもやはり時間の問題だった。少しずつ近づいていくようになり、とうとう先日は犬たちが住んでいるゲージの中にまで侵入。今では犬の方が遠慮がちで、あまり吠えることさえしなくなってしまった。それをいいことに、この前などは、犬のトイレの中を占拠し、犬はといえば、猫から一番遠い隅で縮こまっていた。
用事で家を留守にしたとき、帰ってくると、ゴミ箱が倒され、中に入っていたゴミが床中に散乱していたこともあった。犬たちのゲージの中にもお裾分けが入っていて、やっぱり散乱。どうも私がいない間に、ゴミ・パーティーを開いて、みんなで楽しんでいたらしい。
遊んで欲しいときは、しつこいくらいに絡んでくる。
あまりにかわいいので、つい心を許してしまうが、気分が乗らないときには、全く近づいてこない。どころか、こっちの顔を見ただけで、全力で逃げ出す。もちろん、名前を呼んだって顔も見せなければ、応えもしない。
正直言うと、ちょっぴり羨ましい。
こんな風に生きられたら、どんなにか楽なことかと。
でも、それはきっと「隣の芝生は青い」ってものなのだろう。
猫には猫で、人には分からない苦労があるんだろうと思う。
彼の名は、レイ。
我が家で最強の生き物である。
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