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今月の一言 |
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本年も残すところあとわずか。
まだまだ終わっちゃいないけど、ここらでちょこっと振り返ってみる。
まずは比較のために、時の翼を大きく広げて、昨年の様子を思い起こしてみると・・・・・・
昨年は、一言で言えば「静」の年だった。
あまり大きな出来事もなく、淡々と時が過ぎていった。
人と交わることも殆どなくて、家族以外の人間と口をきいたのは、ほんの数回だったような気がする。
当然、外に飲みに行く機会もごく稀で、恐らく全部で2回くらいではなかっただろうか。
家の中に独りでいる時間がたくさんあった分だけ、内省が深まり、自分を見つめ直すにはとてもよい一年だったように思う。
ただ、あまりに人と接する時間がなかったため、自分ではそれとは気づかぬうちに、いつの間にか独善的な思考に陥るようになっていたかもしれない。
しかるに今年はというと、そんな静かな昨年とは打って変わって、大変賑わしい一年となった。
まさしく「動」の年である。
やはり、PTAの副会長を引き受けた影響が大きい。
それまでの巣にこもっていたようなライフスタイルが一変し、外へ外へと飛び出す日々になった。
十二支の初め、子年らしく、今年は私にとって新たな人生の幕開けだったのかもしれない。
正直言って、無償の奉仕などというものは、私にとってまるで縁のない世界だった。そんなものは、そういうことが好きな人や、生活に余裕がある、暇な人がやればいいのだと思っていた。
ありていに言うと、私はボランティアなどというものに、さっぱり興味がもてなかったのである。
だからこそ、そんな私にPTA副会長の話が回ってきたのだと、今だからこそ思えるのであるが、それはさておき。
今年、私に訪れたもっとも大きい変化は、PTA活動を通して、たくさんの人々と出会ったことだと思う。
今まで全くかけ離れた人生を送ってきた人たちと知り合い、一緒に仕事をしたり、ときにはお酒を酌み交わしたり。
そんな一年になろうとは、昨年の自分からは想像もできなかったことである。
おかげで、というと言い訳になってしまうが、本来、自分がやりたいと願っている仕事は、このところ、まるっきりストップしている。
だけど、多分、それには理由がある。
うまく言えないのだけど、ここ数年、私は、自分に足りない部分を補うように、人生って奴がちゃんと計算して、ベストタイミングで体験させてくれていると感じている。だから、これも一見、遠い回り道に見えるけど、本当はこれこそが近道なんだっていう、ちょっと矛盾したようなルートを歩いているんじゃないかなって思うのである。
ただ、いかに自分にとって、今の時間が貴重に思えても、なかなか世間の人からは理解してもらえないことがある。そして、それが時折、ダメージとなって襲い掛かってくる。
笑い飛ばせるほど、強く自分を主張できないのは、大変情けないのではあるが、今の自分の生活態度を他人に非難されると、つい考え込んで、深く落ち込んでしまうのである。
いや、白状すると、落ち込むだけじゃなく、「何も分かっていないくせに、人の生き方に口出しするんじゃねぇ!」と、数日は腹の虫が大騒ぎして鳴り止まないのである。四十の坂を越えたというのに、私はどうにも未だ未熟である。
だから、多分、次の自分の人生の試練は、まさにこのような部分を矯正する出来事がやってくるんじゃないかな、と覚悟している。
「人生は重き荷を背負うて、遠き道を行くが如し」
家康の言葉が身に沁みる来年になりそうな、そんな気がしてならない。
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