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今月の一言 |
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娘が誕生日のプレゼントに、どうしても欲しいとねだって、とある方から譲って頂いたモルモット。名前はマロン。毛足の長い種のオスと普通タイプのメスを父母にもつ、ハイブリットの男の子である。
うちに来た当初は手のひらに乗るほど小さく、つぶらな瞳がかわいい、まさに子ねずみちゃんだった。
それが一年も経たぬ間に、あれよあれよと成長し、今ではどっこい、迫力ある大ねずみになってしまった。
その上、自分が一番偉いとでも思っているのか、よく噛むのである。
そのマロン君だが、爪が伸びすぎているというので、先日、初めて動物病院に連れて行った。
犬の爪切りは以前からうちでやっているので、モルモットも同じようにできるだろうと思ったのだが、念のため、どれくらい切ったらよいのか、一度はお手本を見ておこうという話になり、娘と出かけたのである。
マロンを一目見るなり、お医者さんは宣わった。
「――太りすぎです」
うちではこの一匹しかモルモットを飼っていないので、今まで比較のしようがなかったのだが・・・・・・そうだったのか、どうも最近、ヤケにでっかくなったと思っていたら、いつの間にやらメタボになっていたのか!
お医者さんから毎日の食事量の一割を減らすよう忠告を受けたのだが、はて、そういえば彼がどれだけ食べているのか、それがわからない。餌はいつでも食べ放題のバイキング状態で与えていたからだ。
その上、近頃では、嫌な餌は食べるのを拒否し、人参だのレタスといった、口当たりのよいものばかり食べるようになっていた。この子は贅沢だねぇ、なんて笑っていたのだが、どうやら大間違いだったらしい。
モルモットは一生の間、歯が伸び続けるのだそうである。このため、繊維のたくさん入った、小松菜や大根の葉といった、人間では噛み切るのにちょいと苦労するようなものを常時食べる必要があるのだという。もっとも最適なのは牧草ということだった。
しかるに今の彼はというと、小松菜はあまり好きではなく、牧草も食べるには食べるのだが、うんとやわらかい葉の部分ばかりを選んでいて、ちょっと硬い茎などは、ぷいっと脇によけてしまうグルメぶりなのである。
娘の説明を聞くと、お医者さんは、うんうん頷いて言った。
「甘いお菓子ばかり食べていて、ご飯を食べたくない状態ですね。そういうものをあげなければ、嫌でもちゃんとしたものを食べるようになりますよ」
ううむ、人間に例えて言われると実によくわかる。
なにやら身につまされてしまうほどに。
という次第で、マロンのダイエット計画が始動した。
彼も辛いだろうが、実を言うとこちらも辛いのである。
毎朝、飼育しているカエルたちの世話をするときに、隣のゲージに住んでいるマロンは、私の姿を見つけると、さっとこちらに寄ってきては、なんか頂戴!と檻の針金をガジガジ齧るのである。
無視していると、余計に音を立てて齧りだし、止め処がない。
あまりのプレッシャーに、いつも私は、ついつい、冷蔵庫を開けてしまう。貢物をゲットすると、マロンはそそくさと小屋の陰に運び込んで、むしゃむしゃ食べ始めるのだが、なくなると、また出てきてはガジガジをやらかすのである。
心を鬼にして、と思うのだが、これがなかなか難しい。
少しぐらいは・・・・・・なんて、レタスをちぎって与えてしまいたくなる。いや、告白すると、今日はちょっとだけ与えてしまった。マロンがあまりに熱心にねだるものだから・・・・・・
ああ、いかん、いかん。明日からは本当に、規定量だけしかやらんようにしないと。
それが彼のためなんだ、と分かっちゃいるが、昔から私は小さな子供と小動物には、めちゃくちゃ甘いのである。
ということで、当面、我が家ではマロンは食事制限、私は甘やかし癖制限の日々である。
お互い、がんばらねばならぬ。
辛いが、歯を食いしばって耐え抜こう。
晴れてスマートになった日には、うんとおいしいものを食べさせてやるからね。って、これがいかんのか。
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