left-image
今月の一言

<<< 07年11月の一言 >>>

市民農園を借りて、週末毎に農民の真似事をやっているのだが、秋・冬野菜の苗を買うタイミングをうっかり逃してしまい、実に寂しい畑になっている。


ああ、白菜が売りに出ているな。よし、夏の野菜をそろそろ処分して、空いたスペースに・・・・・・そう企んでいたのだが、ついずるずると夏野菜を引っぱってしまい、気がつくとすっかり時期を逃して、店頭には殆ど苗が並んでいない状態になっていたのである。
それでもなんとか玉ねぎやキャベツの苗を手に入れたのだが、大きく育つにはまだまだ時間がかかる。おかげで今はまるで収穫できるものがなく、こうなると実に寂しい。


たとえ収穫できるものはなくとも、それなりに作業はあるので、週末になると畑に出かけていく。すると、隣の畑で青々と茂る野菜たちが嫌でも目に入ってきて、うらやましくてならない。
なんとか速成できるものを!ということで、急遽、小カブの種を蒔いた。
これなら一月程度でどうにかなるはずである。


ただ、この季節、とくに葉もの野菜には実に厄介な存在がある。
青虫だ。
この連中が、実に恐るべき奴らだということを、今回、私は身をもって知ることになった。
なにしろ、一週間で葉が丸ハゲにされてしまうのだ。
見つけ次第、除去しているのだが、もしも小さいのを一匹でも逃したら、もう大変だ。
翌週は丸々太った奴が、ぼりぼり葉をかじっていて、目も当てられない状態になっている。


農家が農薬を使いたくなる気持ちが分かるような気がする。
こちらは無農薬に拘っているので、ひたすら目で探して除去するしかないのだが、毎週、必ず大量の青虫がたかっていて、がっくりくる。
多分、モンシロチョウが次々に産卵しているのだろう。自分で野菜を育てるようになって、初めて蝶を害虫と感じるようになった。


ちなみに、防虫ネットをかけてやれば、だいぶ青虫の被害も減るってことに気がついたのは最近のことだ。隣の畑をやっている人はよく分かっているようで、そういや、最初から全部の畝に寒冷紗がかかっていた。
なんでそんなことをしているんだろう? 疑問を覚えたときには、もう手遅れだった。


それでも野菜ってのは意外と強い。
かじられても、むしられても、葉を新しく出して、すったもんだしながらも大きく育っていく。実に見上げた根性である。下手くそなド素人が作っている割には、ちゃんと結果を出そうとしてくれるんだから大したものだ。


今年は、野菜の持つ強靭な生命力のおかげで、なんとかやってこられたように思う。
夏は、定番のキュウリ、トマト、ナスが食べきれないほどとれた。ピーマン、唐辛子もなかなかの成績だったし、バジルや青ジソの葉は、香り高いワンポイントとなって、食卓を賑わかせてくれた。ズッキーニは大根のように大きくなり、カボチャはほっといてもぐんぐん育って、甘い味わいを今も楽しませてくれている。


一方で、少なからず失敗もあった。
例えばトウモロコシ。実が殆ど入らず、背丈もあまり伸びなくて、とうとうみんな虫に食べられてしまった。
キュウリは全部の苗が一気に実をつけたため、収穫がひとときに集中した。植える時期を少しずつずらしてやれば、長く楽しめるんだってことを後になって知った。
ズッキーニは、幾つもとれたので大満足だったが、最後は雨で株が腐ったようになって枯れてしまった。多分、雨よけをしてやれば、もっととれていたんじゃないかと思う。
カボチャは植えた場所が悪くて、畑中に蔓がのたくった。隅の方に植えて、生垣に這わせてやればいいんだと、他の畑を見て分かった。
トマトは早めに枝葉を剪定して、すっきりさせてやるべきだった。もっと大きく!と欲を出して、鋏を入れずにいたので、気がついたらジャングル状態になっていた。


うまくいかなかったことを数え上げるときりがない。
でも、どんなに失敗しても、虫に食われても、それでも野菜作りは楽しい。
自分で食べるものを自分で作るっていうヨロコビは、きっと、実際にやってみた人にしか分からない。


だから、来年も私は土まみれになって、週末、畑で汗を流していると思う。
今年、失敗してしまったことを、一つ一つ見直しながら。

>> 戻る >>

Copyright (C) 2001- 3horn All rights reserved