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今月の一言

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ほぼ一ヶ月くらい、ずっと口内炎に悩まされている。 それも、常時、三つが口の中で大暴れしてくれている。一つがやっと治ったと思ったら、また一つ、新しいのが生まれてくる。ひたすらこの繰り返しで、やむことがないのだ。


おかげで口内炎の発生から終わりまでのプロセスがよく観察できた。
参考までに縷々述べてみると・・・


まず、小さな鈍い痛みが起こる。
三日くらいかけて、この痛みがだんだんと酷くなっていく。
この頃になると、白いポツっとした傷口が急速に大きく育ってくる。
その後、この白い塊はますます巨大になり、それに伴って痛みのピークがやってくる・・・・・・


じっと堪え忍ぶこと一週間。
ようやく暗い地平線の彼方に明かりが差し込んでくる。
この段階で、白い塊の大きさは最大級である。
毎日、色味が少しずつ変わってゆく。真っ白だったのが、透明度が増し、飴色が混ざったようになってくる。見た目はまだ大層痛々しいが、ここまでくれば、実は痛みはもう峠を越えている。
日を追うごとに痛みはぐんぐん薄らいでゆき、やがてはほとんど感じられなくなる。痛みが消えてから数日して、白い塊も徐々に小さく消失してゆく。
この全行程がおおよそ二週間くらいで行われるのである。


さらに、今回は口中のあらゆる箇所に口内炎ができたため、発生部位による痛みのヒエラルキーもよくわかった。
これまた、徒然なるままに述べてみることにする。


まず、なんといっても一番痛いのは、『舌』である。
私の場合、舌の裏側にできたのであるが、ここは悶絶するほど、本当に痛い。
あまりに痛くて、ご飯を食べる気力がきれいに失せてしまうほどだ。
会話することさえ痛みを伴う。
おかげで妻に不機嫌なの?とあらぬ嫌疑をかけられたが、無口だったのはあくまでも口内炎のせいである。


次に痛いのは『歯茎』だ。
ここもまた食べ物が当たると、泣けてくるほど痛い。
舌ほどではないが、やはり食欲を三割方、落とすのに最適な場所である。
歯磨きの際に、うっかり触れてしまいやすい位置にあることもポイントが高い。
飲み物がしみるのも、舌に負けず劣らず、実によい勝負である。


三番目は『唇』。
もちろん、表側でなく、口腔内の方にボツっと発生する。
ただ、ここはまだ他の部位に比べるとかなりマシで、どうも唇というのは、感覚が少し鈍いような感じがする。
体内の入り口を守る役目を果たしているのだから、あまりに敏感ではかえってまずいのかもしれない。きっと、門番というものは、多少の怪我などものともしない、タフさが要求されるのであろう。
但し、あくまでも舌や歯茎に比べての話であって、もちろん、痛いことは痛いのである。


なんでも、人によっては、なんと咽喉にまで口内炎ができちゃうのだとか。
こうなると、食べ物を嚥下するごとに嫌でも触れるわけで、その激痛の度合いたるや、想像に難くない。
今のところ、咽喉にはできていないのは、不幸中の幸いというべきか。
今後も、ここだけは、どうあっても避けてもらいたいと、全力で祈っている。


ちなみに口内炎がなぜできるのか、調べてみたが、諸説紛々である。
ビタミン不足、ストレス、病気、胃の調子が悪い、免疫低下、歯磨きなどによる傷、細菌感染、噛み合わせが悪い、etc...まあ、ようするに原因不明なのだ。


口内炎が痛む以外はどこも元気だし、とくに思い当たる節もない。
ただ、こうも連続して発生するのは、どうもただ事とは思われぬ。
こんなことは生まれて初めてである。
おそらくは、これも体内の毒出しの一環なのだろう。そう前向きに解釈して、頭を下げて嵐が過ぎ去ってくれるのをじっと待つしかない。


あるいは薬を塗れば、すぐに楽になるのかもしれない。
しかし、私は、あくまでも自分の身体の回復力を信じたいと思っている。
痛くて悩ましいが、必ず終わりが来る道だと信じているのである。

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