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今月の一言

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市民農園の抽選に当たり、先月末から週末に家族そろって畑仕事をするようになりました。
畑仕事なんていうと、ちょっとオーバーな感じがするかもしれません。でも、実際にやってみると、これが重労働なのです。私はもう野菜の値段が高いなんて、口が裂けても言えやしません。


そもそも、今まで畑仕事など無縁の生活だったため、どうやって野菜を作ったらよいのかもよく分かっていませんでした。その上、農園が少々遠いため、平日は足を運ぶこともままなりません。
こんなだらしない条件でも、なんとかなる方法はないものか? そう考えていたら、妻が永田農法なるものを探し出してきました。
これは肥料を土に混ぜずに、週に一回、液肥だけをやって育てるという、甚だ簡便な方法です。週末農民という、こちらの都合にも大変マッチしています。
しかも、この農法でこさえる野菜は、なんと有機栽培のものよりも、更においしいのだとか。トマトなどは、普通、水に浮いてしまいますが、永田農法で作ると水に沈むくらい、みっしりと果肉が充実するのだそうです。もちろん、味も濃くて、これが本当にトマトなの!と感動するほどだといいます。
どうやら野菜を甘やかさずに、スパルタ式に育てるのがポイントのようです。たっぷりの肥料や水をやって、大きく育てるのがよいと考えがちですが、本当はまるで反対なのですね。
なんとなく、日頃の自分の態度を反省させられるような気がします。


それはさておき、かほどにお手軽な農法で、その上、野菜の出来がよいとあっては、これはもう実践するしかありません。
よし、これで行こう! 夫婦そろってニンマリしたところまでは良かったのですが・・・
実は永田農法には、一つだけ最初に、どうしてもやっておかねばならぬことがあり、これが思いのほか大変だったのです。
それは、この農法は畝が特殊で、なんと、畳一畳分のスペースを30センチの高さに作らねばならないのです。
なぁに、大したことはないよ、と多寡をくくっていたのが大間違い。
たかだか30センチの高さとはいえ、これが8つともなると決して楽じゃございません。
ヒィヒィ言いながら、全身、汗みずくになってようやくこさえました。
巨大な畝は、なにやら古墳のような趣さえあります。
これに比べたら、隣の畑の畝などは土をちょっと引っかいた程度のものにしか見えません。
この作業の翌日、私は背中の筋肉が板のように固く腫れ上がってしまいました。


先週はその古墳に苗を植え、少しずつ、畑らしい体裁になってきました。
この夏は、さぞかしおいしい野菜が採れるだろうと大いに期待しています。
太陽と風と水に育まれた野菜の味は、きっと、格別でしょう。ひょっとすると、少ししょっぱいかもしれません。だって、この土には、私たちの汗がたっぷりと沁みこんでいるのですから。

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