今月の一言 |
<<< 07年3月の一言 >>> |
この頃、怪我の治りが妙に速い。
そのことに気がついたのは、歯医者に通いだしてからだ。
わずか二日前に治療した歯茎の腫れが、もう回復していると驚かれ、はたと気がついたのだ。
実は、先週、包丁や割れたガラスで、指先や手首をさんざんっぱら切りまくった。
ドジなことに、どの傷もかなり深く、ざっくりとやってしまった。絆創膏を張っても、出血があまりに多くて、赤いものが滲み出し、ぽとぽと垂れてくるほどだった。
だが、まぁ、そのうちには止まるだろうくらいに思って、放っておくことにした。次の日には、怪我をしたことさえ忘れていた。
それが、今、見ると、どこを切ったのか、殆ど分からないまでになっている。
うっすらと傷跡が残っていて、ここがそうだったのかとようやく悟る程度である。
あんなに深く切ったのに、もう普通の状態に戻らんとしているのだ。
これは凄いことだ。
ちょっと前までは、一度、どこかを切ったりすると、完全に治るまでには、平気で一ヶ月はかかっていた。
自分では、それが歳をとったということなんだと納得してもいた。
もう、子供時代のように、みるみる傷が回復するなんていうことは、ありえないのだと思っていた。
息子や娘が、自分より後から傷をこさえて、先に治ってしまう。
当たり前じゃないか。彼らの新陳代謝はいいのだから。自分の代謝は、とっくに落ちてきている。それだけ長い年月を生きてきたのだ。これは仕方が無いことなんだ。
そう信じていた。
だが、違っていた。
そうじゃなかったのだ。
歳と共に怪我が治りにくくなるなんていうのは、どうやら単なる思い込みに過ぎなかったのである。
もっといえば、それはダメージから回復しにくい体質になったことへの言い訳だったということが、今回、よく分かった。
全ては食事の質と量の問題なのだ。
我々は動物である。
そのことの真の意味を、身体は心より先に知っている。
身体が発する小さな声に耳を傾けることができたなら、きっと社会に蔓延する病気の大半は消えてしまうだろう。
医者が病気を治すのではない。
どんな病であっても、本当は、自分の身体が自分で治すのだ。
我々は野生に生きるサルと同じ仲間なのである。
何をどれくらい食べるか。
私たちは、もう一度、見直す時期にきっと来ている。
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