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今月の一言 |
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先日、妻の友人家族が遊びに来て、かつて娘のために製作したママゴト用の木製の台所や、今ではもう遊ばなくなったおもちゃを引き取ってゆきました。
以前は、あれほど、大好きで、それがなければ日も暮れぬというほどに執着していたおもちゃだったのに・・・
欲しい、欲しいと、ときにはダダをこね、ときにはサンタさんにお願いして、ようようにして集めてきたおもちゃだったはずなのに・・・
本当にもう、いらないの? と、親の方が戸惑うくらいに、子供たちは、あっさりと手離してくれました。あっけらかんとして、もう遊ばないから、と言われたときには、なぜか、ちょっとがっかりしました。
成長と共に、より高度でより複雑な玩具に憧れるようになっていくのは、自分たちの体験に照らしてみるまでもなく、理の当然であります。年齢にあわなくなったおもちゃが、興味の対象から外れてゆくのは、自然の流れです。
ただ、それに親の方が、どうにもついてゆけなくて、もう、いいの? と、つい躊躇ってしまうのであります。
息子が小さかった頃には、ウルトラマンが大のお気に入りでした。ティガやダイナといった平成のウルトラマンたちに、首までどっぷりつかり、録画したビデオは、何度も何度も観て、最後は本当に擦り切れてしまいました。
人形もたくさん集めました。何十体も、ずらずらっと綺麗に並べ、怪獣たちと対決している構図を作っては、悦に入っていました。ふとした拍子に人形が倒れてしまうと、ぷぅっと膨れ面していたのが、昨日のことのように思い出されます。
娘はこれといったこだわりのものはなく、とにかく、目に付いたおもちゃは、どれもこれも片っ端から溜め込んでいくタイプでした。どうやら、持っているということが大事だったようで、実際に深く遊んだ形跡がないおもちゃも山のようにありました。使わないなら、捨てなさいと言ったところで、聞き分ける耳を持たず、娘のおもちゃは年々、増えていく一方でした。
今では息子は完全にウルトラマンから卒業し、プラモデルに凝っています。あれほどあったウルトラマンたちは、影も形も残っておりません。
娘は、リカちゃんに夢中です。リカちゃん・グッズを集めては、部屋中に広げてお店屋さんごっごをしています。小さい頃から集めてきたおもちゃたちは、殆どが姿を消してしまいました。
この状況も、あと数年もしたら、きっと、また、変わるのでしょう。
そのときの私は、またしても、本当にいいの? と、自分の方がやきもきしているような気がします。
それから、子供たちは、日曜日の朝に放映している特撮ヒーロー番組も、とうとう卒業してしまいました。
私自身、密かに平成の仮面ライダー・シリーズは楽しみにしていただけに、
「お父さん、まだ、観るの? もう、やめようよ。」
と、息子に釘を刺されたときには、不覚にもうろたえてしまいました。
子供たちが、少しずつ、大人に近づいてくる足音が聞こえたような、そんな気がして。
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